あらすじ
奈良時代、光明皇后が聖武天皇遺愛の品々を東大寺大仏に献納したことに始まる正倉院宝物。落雷や台風、源平合戦や戦国時代の兵火、織田信長やGHQなど時の権力者による開扉要求といった、数多くの危機を乗り越えてきた。古墳など土中から出土したのではなく、人々の手で保管されてきた伝世品は世界的にも珍しい。千三百年にわたり宝物を守り伝えてきた正倉院の営みを、保存・修理・調査・模造・公開に分けて紹介する。
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Posted by ブクログ
正倉院展を見に行く前に、予習。
正倉院展THE SHOW(上野の森美術館)でも予習。
正倉院に30年以上勤め、所長にまでなった方が書いた本。
私たちはただ教科書に載っているお宝をいそいそと見に行くだけなのだが、そこに至るまでには大変な苦労があることがよく分かった。
正倉院展THE SHOWで展示物が模造品であることを知ったときに、不遜にも「なーんだ偽物か」などと思ってしまった。しかし、模造品もいわゆる現代の名工がつくった逸品で、お宝であることには変わりない。
技術を継承したり、復活させることも正倉院のしごとだということ。宝物を未来に繋ぐには、モノだけではなく、ヒトも繋がなくてはならない。