【感想・ネタバレ】友のレビュー

あらすじ

北朝鮮の市井の人々が描かれた文学を読む。

北朝鮮の市井の人々を描いた作品。

1988年に北朝鮮で刊行され、後に韓国で出版。さらにフランス、アメリカでも翻訳出版された。
アメリカの「ライブラリー・ジャーナル」で、2020年のBest Books翻訳文学部門の10冊に選出。

離婚を望む歌手である妻と、寡黙な技術者の夫。そして、その離婚の審議に当たる判事と、野菜の研究者として生きる妻。二組の夫婦の姿を軸に、地方都市の情景や、そこに生きる人々の心情を描く。


「北朝鮮の人が読む北朝鮮の文学とは何か?
1988年に出版されたペク・ナムリョンの小説『友』は、“北朝鮮”という言葉から思い浮かべるロケット弾や軍事パレードではなく、日常を呈している。〈中略〉
小説は、投機的なニュースよりも恒久的な事実を提供するかもしれない」
――― New York Times Book Reviewより

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1988年に書かれた北朝鮮文学。日本で北朝鮮文学が出版されるのはとても珍しく、韓国で出版され、フランス、アメリカで翻訳されたため日本でも出版されることになったそうです。

若い夫婦の離婚相談をきっかけにその夫婦とその相談を担当する判事がそれぞれの恋愛、結婚、家庭生活を顧みるという難しいことはなく、日本はアジア圏ということもあり1980年代ということを考慮すると考え方に一定の理解もできる内容。

優秀な妻、家事の負担、真面目一徹な夫、ちょろまかす小悪党…市井の人々の暮らし、特に夫婦生活の悩みが日本とさほど変わらないんですよね。

1980年代、女性も働く北朝鮮の家庭を維持することはハードだっただろうなぁと思います。洗濯は川でしてるし…。

文章が抜群に綺麗です。党の理念などがなかったら単にハートフルな物語として捉えられたかも。

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2023年10月01日

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