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Posted by ブクログ
私にとってとても重い大切な事が書かれていました。国境なき医師団の名前は知っていても、毎月寄付をしてはいても、その活動実態を知る機会はなかなかありません。この本は一人の医師が人間として実際に活動に参加された時の日記を元にしています。そのことが漠然と名前だけ知っている団体から現実に私達を引き戻してゆきます。そして読み進める中で同じように葛藤し不安を共有してゆくことで、遠い国の出来事から自分自身の問題へと思考を誘います。
人道援助は無意味なのか?無駄なのか?だかといって本当に援助をやめてもよいのか?
繰り返されるこの問の答えが全てとは言いませんが此の本の中にあるように感じます。
以下、抜粋
人は自分の利害を離れて、他者のくるしみや悲しみに寄り添えるのだろうか
私達はどこかを遠いと定義し身勝手な境界線を引くことで、その外で起こっていることに対する責任から逃れようとしているのではないか
「自」と「他」の間に線を引かず、己の損得を離れて、「私たちは決してこんな世界を受け入れることはできない」と声を上げ、行動を起こすことができるだろうか