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ひとつでも多くの生命を救いたい。国境なき医師団の小児科医のエボラとの壮絶な戦いや葛藤、かわいい患者のこどもたちの姿を通し、生命とは何か、利他とは何かを問う感動のノンフィクション。2014年12月、西アフリカのシエラレオネ共和国。致死率の高さから「殺人ウイルス」と恐れられるエボラウイルス病の治療センターに、「国境なき医師団」の小児科医として著者は派遣される。あっという間に生命が奪われていく壮絶な現場で出会ったのは、家族をなくしながらも必死に耐えて明るさを失わず、他のこどもの世話を買って出るこどもたちだった。前任地の南スーダンでの活動によるPTSDに苦しみ、生きる意味を見出せなくなっていた著者は、彼らによって次第に再生へと導かれて行く――。第20回開高健ノンフィクション賞最終候補作。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年12月29日
作者目線で時系列で話が進みます。
シエラレオネの現状を事細かに伝えていく中で、作者の「人類の現体制の仕組み」に対する考えもしっかり述べていて、ただの御涙頂戴なものではなく、深く理解しながら読むことができました。
仕事終わりのビールとタバコ、鼻水と涙だらけの顔、ヤブ医者、先生の人となりも分かるかもね。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月08日
あくまで個人的な勝手な感想として、V.フランクルの「夜と霧」に似たものを感じた。
エボラウイルスという脅威のおかげで、明日も知れぬ患者たち。でも、そんな中でも、見ず知らずの他人の手助けをする、まるできょうだいのように面倒を見るなど、人間の尊い部分が見られる。
また容赦なく命を奪っていくエボラに対し、...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月17日
2014年にシエラレオネでエボラウイルスの治療現場に入った筆者の克明な記録。今般のガザ情勢もあって、紛争地や貧困地域での国境なき医師団の活動に関心があり手に取った。
筆者が日々つけていた日記が元になっていて、現地で誰に出会い、何を考え、何をしたのか、とてもリアルに記されている。35℃以上にもなる現...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月18日
国境なき医師団のリアルが分かる本。
著者が他のスタッフから警告を受けたり、意見が合わないこともある。
最後はどうやって自分のやりたい仕事にアサインされるかという問題が出てきて、そこは会社で働くのと何ら変わりはないなあと思った。
世界一命が短い国の状況を知り、いやそれは許せないだろうと思う。
私...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月09日
私にとってとても重い大切な事が書かれていました。国境なき医師団の名前は知っていても、毎月寄付をしてはいても、その活動実態を知る機会はなかなかありません。この本は一人の医師が人間として実際に活動に参加された時の日記を元にしています。そのことが漠然と名前だけ知っている団体から現実に私達を引き戻してゆきま...続きを読む
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