あらすじ
中国南北朝時代の「宇宙大将軍」侯景の乱を描いた表題作をはじめ、明代の黒竜江周辺、唐代のフェルガナ、三国時代の蜀漢など、様々な時代と地域を舞台にした中国歴史短篇集。収録作「黒竜の城」「天山の舞姫」「長安妖月記」「白日、斜めなり」「長江落日賦」
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Posted by ブクログ
田中芳樹『長江落日賦』(祥伝社文庫、1999)を読む。
解説に「読書の幸せを一粒で五度も六度も味わえる作品集」と作家の森福都氏が書いています。
三国志しか知らない人は残念ですね。中国の歴史はお話の宝庫であることを田中芳樹氏に教えられたと思っています。
田中芳樹氏の歴史小説を表すキーワードを森福氏があげているのでメモしておきます。
野心・智略・妖異・躍動・歴史
この短編集は以下からなっています。
黒竜の城
天山の舞姫
長安妖月記
白日、斜めなり
長江落日賦
Posted by ブクログ
三国無双で若い子の間でも有名になった夏侯覇の短編集が入った1冊。彼が何故父の仇である蜀に下ったのか。男気あふれる、彼の強い意志に納得する方も多いかも。力強い夏侯覇の生き様が読めますよ!
Posted by ブクログ
田中芳樹といや、「銀河英雄伝説」ばかりが有名になっちゃったけど、本来は、中国史の人なんだね。と、いう目で「銀河英雄伝説」見てみると、あれは中国史そのままなんだけど、(戦争とか三国鼎立とかね)これは、本当の(!?)中国ものだ。
特に表題作の「長江落日賦」は、あまり日本では取り上げられない南北朝時代の話。
個人的にに、戦国春秋時代以上におもしろいのは、六朝時代だと思うのだが、とかく三国時代ばかり人気で、五胡十六国〜南北朝の話はあんまりない。
漢族だけじゃなくて、遊牧民族なども出て。
というわけで、結構満足な一冊だった。
Posted by ブクログ
以前読んだ同作者の中国歴史物『紅塵』及び『纐纈城綺譚』に比べると纏まりがあり、かなり読みやすかった。
確かに前2作が長編であり、今回は短編集である単純な事実に原因は収束する。
前2作の感想にもあるように挿話がやたらと多いので時間軸が至る所で飛躍してしまい、混乱を招いたが、短編はやはり纏まりこそ重視する物で、多少前2作の片鱗はあるものの苦痛にはならなかった。
あとはいやに説明的な文章をどうにかすれば…。