あらすじ
東日本大震災による災害、原発事故を前に、なぜ科学者は立ち尽くしたのか。「想定外」を口にする科学技術者、専門家に対し、多くの国民は驚き、怒りの念すら覚えたのではないか。世界的な科学者である著者は、自戒を込めて、あらためて科学者の使命と責任を問う。あの原発事故から何を学ぶか。自然災害、放射能汚染、遺伝子操作など、「未知なるもの」とどう向き合うか。科学者とは人類にとってどういう存在で、これから何ができるのか――。遺伝子工学の世界的権威が説く、新時代への提言。 【本書の章構成】◎なぜ科学者は原発事故を防げなかったのか/◎科学者が「いま求められているもの」/◎真の科学者の資質とは/◎私のスイッチをONにしてくれた偉大なる先達/◎科学者よ、「スピリチュアリティ」から目を逸らすな/◎大震災でONになった日本人の「利他的遺伝子」/◎最先端科学には「つつしみの心」が必要である
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Posted by ブクログ
podcastの「ラジオ版学問のススメ」で知った本。
科学は真理の追究、技術はそれを応用して活用する、科学と技術は本来別のもの。出来ること(科学)とやる(技術)判断は別であるべき。50年生命科学を研究してきた著者も生命が何であるかはいまだにわからないといいます。生命というコードを書いた存在をsomething greatと表現していますが、科学と技術を扱う者はsomething greatに対する謙虚さを忘れてはいけないのでしょう。
神の火とよばれた原子力を性急に発電に使用した姿勢も謙虚さを忘れたことによるものだという意見に共感。
遠地から祈ることで、回復を祈られた患者が(祈られていることを知らなかったにも関わらず)、祈られなかった患者よりも回復度に優位さがあったという実験もにわかには信じがたいけど、きっとなにかあるのかな、と信じたくなるエピソードでした。