あらすじ
孝明天皇の謎の死は、近代とともに南北朝の対立をも呼び寄せた。南朝の末裔を主張する熊沢天皇の登場、明治天皇すり替え説を主張する大室家、大逆事件の真相、そして座礁した幻のクーデター……。維新成立にひそむ密約と暗号を追う異色のノンフィクション!
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Posted by ブクログ
天皇の系譜にまつわる大きな問題を取り上げた意欲作だと思うのですが、様々な時代や事柄に唐突に話が展開するために非常に難解なものとなっています。
しかし、タブーに挑戦した内容であり、真実にたどり着けるほどの説得力は残念ながらないものの、独自取材を織り交ぜながらの大変興味深い話がいくつもありました。
明治天皇の先帝である孝明天皇の死の謎をエピローグとして、太平洋戦争後に世上を賑わした南朝の末裔を自称する熊沢天皇の話題から話が展開していきます。
現在の天皇家は北朝系統とされていますが、実は明治維新は南朝革命であったのだ。
孝明天皇は毒殺されたのであり、明治天皇もまた南朝方の末裔と入れ替わったのだ・・・と。
本書にあるように14世紀の南北朝時代の余波が大きく時を隔てて、幕末の動乱に大きく影響を与えたという視点はユニークであり、歴史の醍醐味を感じさせてくれる本でした。