あらすじ
「変わらない真実ってどこにあるんだろう」“ダメ”サラリーマンの主人公は、美人上司の眼前で事故に遭い、そのままイデア学園の高校生として転生する。ところが、学校には歴史的な哲学者の“顕現”である七人の美少女がいて、彼女たちから秘密の課外授業を受けるハメに……。『生協の白石さん』『電書マガジンAir』を仕掛けた鬼才が満を持して放つ、本格哲学&萌えノベル。実は本格的な本書、著名哲学者の木田元氏も推薦!
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Posted by ブクログ
プロローグ
第1章 月曜日神の存在を証明しよう
【ルネ・デカルト】
【Rene Descartes 】
・世界の真実の見つけ方
・この世界でたった一つだけ確実なもの
・心と体はそれぞれ別の実体である
・神の存在証明
・人は誰でも大きな能力を持っている
【教訓】
それはね。悩んだときは、とにかくベストと思える決断をすること。そして一度決めたら迷わずに、その道を歩んで行きなさい。そうすれば必ずどこかにたどり着くから
第2章 火曜日 人にとって人が一番大切なもの
【ベネディキトゥス・デ・スピノザ】
【Beneductus de Spinoza 】
・人はその本性上、妬み深いものである
・本当のところ世界に、善も悪もない
・世界は神であり、神は世界である
・心と体は同じものの違う表現である
【教訓】
これだけは忘れないで。人間にとって一番、有益な存在は人間だし、自然の中で人間にとって人間ほど面白いものはない
第3章 水曜日 存在するとは知覚されることである
【ジョージ・バークリ&ディヴィッド・ヒューム】
【George Berkeley &David Hume 】
・本当に、真実はあるのかな
・では目の前のリンゴは実在するのか
・人間とは感覚の束である
・人間の精神を叙述してみよう
【教訓】
あれこれ考えたって人間の考えることには限界がある。だから衝動にまかせて生きてみるとも、結構大切だよ
第4章 木曜日 天なる星空と、内なる道徳法則
【イマヌエル・カント】
【Immanuel Kant】
・問答無用に心に響く声にしたがうべし
・人間は自分について考えると消耗する
・確実な学としての形而上学
・空間と時間---人間がアプリオリに持つ2つのフォーマット
・知が廃棄された領域
【教訓】
あなたも人生で悩むことはきっとえるでしょう。そんなときは、いろんな社会的な条件や自分自身の能力についてもいろいろ考えてしまうと思います。
でも、そんな事情は取り払って、ただ問答無用にこうしろと心に響く理性の声と、キミ自身の欲望が一致するように、心がけなさい。
第5章 金曜日 世界は絶対知へと向けて発展する無限の運動である
【ゲオルグ・ヘーゲル】
【Georg Hegel】
・大いなる生命の循環と歴史の始まり
・真実は様々に語られる
・主奴論
・過ちですら、歴史の中では意味がある
【教訓】
完全なものが、今の世の中にあると考えるから、自分は不幸だと思うのよ。今はまだ不完全でもいいの。
第6章 土曜日 神は死んだ。しかし何も変わらなかった
【フリードリヒ・ニーチェ】
【Friedrich Nietzsche】
・教会の実践は生に敵対的だった
・生の本質は、力への意志
・神は死んだ。しかし何も変わらなかった
【教訓】
自分は弱い、ダメだと思うのも無理はないのかもしれない。でもそれも一種のデカダンスだし、そんなことを考えていると、どうしても人をいらやんでしまうでしょう。でも人と比べたって仕方がない。だから自分自身をもっと肯定して、思うように生きてみなさい。
最終章 日曜日 世界がなければ僕達もいない。そして僕達がいなければ世界もない。僕達はひとりじゃない
【マルティン・ハイデガー】
【Martin Heidegger】
・存在と時間
・現存在は可能性を生きている
・わたしはひとりじゃない
・世界を通して他の人といつもつながっている
・「気分」「了解」「言明」
・頽落(たいらく)。それは究極の罪
・死の実在論的分析
エピローグ
あとがき
Posted by ブクログ
哲学書を読んだことは無いけど、これはかなり良い初心者向けの本だと思った。萌え成分はおまけ。会話形式でわかりやすく有名どころの考え方や、誰の影響を受けていたかを教えてくれる。
Posted by ブクログ
【現代文たん】デカルトからスピノザ、バークリー、ヒュームと認識論を辿っていき、調停したカント、一方で神なる存在に関する議論も並行し難解化したヘーゲル、神は死んだとさえ言ったニーチェ、そして、最も大きな核にあった共通して各哲学者にあり、表題ともなっているハイデガーの存在論。これらの三つの議論をコンパクトにまとめて、なおかつ分かりやすく説明したライトノベルと言ったところでしょうか。表紙に抵抗が無いのなら哲学系の入門書としても十分推薦できます。(とはいえ問題点もアリアリなのですが)
Posted by ブクログ
冴えない社会人である主人公が、ある出来事をきっかけに「イデア学園」に迷い込む。
そこでは、美少女の姿をした哲学者たちの化身が主人公の前に毎日現れ、「不確実な時代」の寄りどころとなる哲学について講義を繰り広げていく。
デカルト、スピノザ、バークリ、ヒューム、カント、ヘーゲル、ニーチェを経て、最後にたどり着くハイデガーの講義に、主人公は生きる希望を見出すことができるか。
それぞれの哲学者を関連付けながら、かなりわかりやすく表現されている一方で、小説としては、起承転結に欠ける感じが否めない。
ライトノベルというよりは、哲学の入門書として読むべき1冊。
Posted by ブクログ
「僕とツンデレとハイデガー」堀田純司
哲学入門書。特になし。
@電子書籍 44 冊目。
“東日本大震災後”の、先行き不安感に満ちた現代人向けに書かれた哲学入門書。
想像以上にごつい内容なので、読んでる最中からツンデレとかどうでもよくなってきます。
てか、今さらツンデレって。。
僕自身、学問としての哲学はよくわかりませんが、哲学的思考は嫌いではないので、
通して読み終わって脳味噌活性化&なるほど!がたくさんありました。
自分の人生を生きるためには考える。考えて実践する。真理を追い求めまでなんかしなくても、自分自身の指針を見つけようとするだけでもいいじゃないか。
8人の哲学者の思想を紹介していますが、後半3章(ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガー)で段違いにレベルが高くなります。。
でも、段階を踏んでくれるので取っ付きやすい。
良書でした。(4)
Posted by ブクログ
デカルト、スピノザ、ヒューム、ヘーゲル、ニーチェ、カント、ハイデガーという7人の哲学者の思想を平易に解説したのが本書『僕とツンデレとハイデガー』である。「なんだかライトノベルっぽい表紙だが、ええ中身もライトノベルっぽい。少し萌えた。7人の少女たちが哲学者の「顕現」となって主人公に優しくときに厳しく指導を施してくれる。合間合間に彼女たちのイラストが挿入されているので、目の保養にもなるのではないだろうか(何を言っているんだ?)。
近代哲学って何ぞや?という方が読むとそれほど理解に苦しまず読むことが出来るでしょう。本当に哲学のことを全然知らないという人が本書の対象者だと思う。それ以外の方が読んでも「つまらない」という印象を抱いて終わりな気がする。あくまで「初めの一歩」という位置づけの作品だと思う。本書を読んで気になった哲学者がいれば、関連本を読めばいいし、そうでなければ哲学は諦めればよろしかろう。僕は7人の名前は知っていたが、思想の違いなどは説明できないというレベルだったので、比較的楽しく読めた。そして、もっと哲学を深めたいと思っている。読まず嫌いせず、まずは読んでみよう。
Posted by ブクログ
要約;主人公(堀内健二)が交通事故にあい、なぜか「イデア学園」という高校に入りなおすことに。隣人の『妹』キャラにナビゲートされながら、7人の哲学者の顕現的カワイコちゃたちに日替わりで講義される。
1、ルネ・デカルト「我思う故に我あり」心>身体。世界に真実はあるのか、人間はその真実を捕まえられるのか?⇒この世は神が創った合理的世界、だから我々は合理的に存在する(神は嘘をつかない)のだから、真実は捕まえられる
2、ベネディクトゥス・デ・スピノザ「エチカ(倫理学)」人は本性上妬み深いもの。P70『人の欠点をあげつらう事が大好きで、いつもグチばかり零す人が居るよね。そんな人は周囲を不快にするだけでなく、自分自身も不幸にしている。~でもそんな人のことでも、批判するよりは我慢して、何とかその人が社会に和をもたらすようにもって行く方が、より得策』
世界には本当のところ、善も悪もない。絶対的な神がいて善悪が決められているのではない。”神は人間から敬われるために自然を作ったのだ”ではなく、この世界の全ては神の属性の変様であり、神の本性から全てが必然的に生起している。心=身体
3、ジョージ・バークリ&デイヴィッド・ヒューム存在するとは、知覚されることである
人間は自分の感覚を通してしか、その物を知覚出来ない。仮にイデア的な実在があったとしても、永遠に知る事はできない。しかし、それを知覚する自分は「存在している」と言える。
4、イマヌエル・カント外的条件に作用されない絶対的道徳法則
問答無用に心に響く声に従うべし
仮言命法=周囲の要求や条件等から導き出される行動方針
定言命法=余計な事には一切構わず、ただ”かく振舞うべし”と告げる心の超えに従う行動方針
経験できないものについては確実さの根拠は無い。つまり神様や魂のについては人間は経験することができない、考える事ができるだけ。
自分の内から立ち上ってくる理性の声と、自分の欲望とが一致するように心掛けなさい。
P161『道徳とは人間同士の取り決めなんかじゃない。社会情勢や事情や時代によって変わるものなんかじゃなく、たとえ人間が滅びてしまっても、点の星空のように存在し続ける絶対の法則がある』
5、ゲオルグ・ヘーゲル世界は、絶対知へと向けて発展する無限の運動である
完全なものは今ここにはない、『今』は常に不完全なのだから。
6、フリードリヒ・ニーチェ神は死んだ。しかし何も変わらなかった
人間の命・身体から沸き起こってくる自然な欲求に従う事こそ、まっとうな人間らしい生き方。自然の欲望を否定する宗教的な退化した【生】、病んだ生き方はデカダンス。反自然的な価値観を説く宗教や道徳の哲学のようなデカダンス思想をニヒリズムと表現。ニヒリズムは創造より安定を、生成より維持を、多様性より均質性を理想とすることで、出る杭を打ってきた。しかし、本来的な自分を肯定して生きる事こそが健全な生き方ではないか。
7、マルティン・ハイデガー
世界がなければ僕たちも居ない。僕たちが居なければ世界も無い。僕たちは一人じゃない。
わたしたちのあり方=現存在…世界=内=存在”世界のもとにある”
P245『世界に正しいものがあるんじゃない。そうではなく、現存在=人間が、ひとりひとり自分の可能性を生きると共に世界があらわれて、その世界の中で事物とふれあう』
P247『現存在(人間)が世界に自分の性を投げかける目線=”配慮的気遣い”と名づけました。存在するものは、人が世界に向ける配慮的気遣いの中で、その意味を明らかにしてくる。そして明らかにされた存在』=道具
現存在の本質=「気分」「了解」「言明」
気分…自分の根底にあるもの。自分ではどうすることも出来ない、気持ち。”とにかくあるし、あり続けなければならない”という状態に投げ込まれている=被投性
了解…自分が自分の存在を、存在しているものと受け止める事
言明…現存在と存在者(物)が出会うのと同時に、存在者の方は意味を明らかにする。現存在のほうは存在者(物)を言葉で規定する。※解釈を言語化するという事ではない。
人間はりかえのきかない、他ならぬ自分自身の可能性として存在している。現存在はつねに他者と関わり、世間のもとにある。そこで頽落して存在している。
頽落…人間が世間に溶け込んでしまって、本来の、自己の可能性を忘れてしまっている状態。
P260『人間は、自分自身の人生を生きる、という状況にいきなり投げ込まれている。そこで人間は、世界に向けて自分の固有の可能性を投げかて世界を知り、また世界によって自分というものを知る。世界の存在者、つまり物や共同存在、要するに他人とふれあって、自分自身というものを知る事になるんだ。
でも、自分自身の可能性を生きるといっても、実際はそんな風には生きていない。現実には人間は共同体に所属していて、その共同体の中で事故を忘れて、世間の言いなりになって生きているんだ』
P265『死は人ごとじゃない。現存在が引き受けなければならない可能性。
現存在のどんな可能性も、死の可能性を追い越すことは出来ない。その先にはもうなにもなくなるから・死には係累がない。死が迫ると、現存在の、他の現存在にたいする連絡は全て絶たれてしまう。死において人は孤独になるから』
本質的に死に引き渡されている現存在の被投性。底に潜む根源的心境が、死への恐怖と不安。
頽落は死死を覆い隠す。世間は人に”死は確実だ。でもすぐくるわけじゃない”という。本来”いかなる瞬間にも訪れる”という、死の最も固有で確実な可能性を覆い隠してしまっている。
P268『逃避をやめて、死に向き合うこと。これをわたしは”先駆”と呼んだ。死を先駆する事で、人は世間から切り離され、自分本来の可能性に目覚める事になる』
…ハイデガーが本旨となっており、交通事故で死に際した主人公に、死の実存論的分析を説くことで、『生きる』ことに気付かせようとしている。
私評;小説形式を取っているので、哲学入門としてはかなり読みやすい。しかし、ストーリーとしては起承転結がおかしく、物語としては破綻している。この書の本懐は、神なる善悪や道徳、市場原理主義(もっとお金儲けできればみんな幸せ)すら確かな考え方とはいえなくなった今、『世界に確実なものはあるのか。あるとしたら人は、その確実なものを手に入れられるのか』という疑問への手がかりを思索する点にある。
ツンデレは個人的には大いに首を傾げるところであるが(苦笑)
とっつきにくい哲学を分りやすく説いた本として、面白かった。
本書で伝えたい事
「この世には絶対的審判者(神)もいなければ、完璧なものもないのだから、失敗も不完全な自分も恐れることはないし、恥じる事もない。
それより、己が死を思え。その一回性の人生を、己のものとして生きろ。他人や世界との関わりの中で、自分と言う存在を知り、そして他者や世界をより確かなものに感じていく事ができるだろう」
内心の熱いエールが構成をはみ出し、つんのめった印象はあるが、そのとおりだなぁ~と思った。ただ、折角ストーリー仕立なのに、それがかえって不調和や不自然さを感じて、ムズムズして集中できなかった。
Posted by ブクログ
書籍広告をずっと前に見て、気になっていた本です。本屋さんで買ったとき、哲学コーナーにあったので、話題の本コーナーに置いたらいいのにと思いましたが、読んでみて「やっぱり哲学コーナーだな」と思いなおしました。
取り上げられている哲学者については、大学の授業で少し聞いた程度ですが、読んでいて分かりやすく、理解することができました。おさらいコーナーがよかったですね。欲を言えば、もう一段メタな段階に引き上げて書いてほしかったです。残されたままの謎もあり、続編を期待しています。
Posted by ブクログ
本書「僕とツンデレとハイデガー」は
美少女に生まれ変わった哲学者の講義を受けながら、
生きる力を主人公と共に養う本である。が、
ツンデレがいないとはどういうことだろうか!
ツンデレとはツンとデレが、
コロコロ変わる女の子では断じて無い。
普段はツンツンしているのに、ストーリー展開により、
フラグが立つと、よく分からないデレ方をする。
「豆腐の角で頭を打って死んでしまえ」とか、
のたまう9割以上がツンの女の子である。
本書に出てくる美少女はというとデレまくりである。
こんなのは断じてツンデレではない。
というツンデレ談義はさておき、、、
ストーリーと演出にあまり期待してはいけない。
あくまでも萌えながら哲学で自己啓発する本である。
文体はラノベやギャルゲー相当と言えると思う。
世界観はAngelBeats!だと思えば大きくは外れない。
キャラ設定や演出と哲学は何も絡んでこない。
萌え要素は単なるデコレーションである。
「ソフィーの世界」を期待するとがっかりするだろう。
例えるならガモフのトムキンスに近いスタンスか。
肝心の哲学講義はというと、
デカルト、スピノザ、バークリ、ヒューム、カント、
ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガー、の8人。
ただし、プラトン、ロック、マルクス、など、
多くの思想について幼馴染が補足してくれます。
本編では哲学者たちの主な著作を検証しながら、
彼らがなぜそういう思想に至ったかの背景を追います。
面白いのは現代(AngelBeats!的な)の設定なので、
各哲学者が自分の生きた時代と現代とを比べて、
現代への提言を述べるところでしょうか。
それに対して幼馴染が現代思想との関わりを補足して、
纏めてくれるので分かりやすいでしょう。
よくを言えばもう少し東洋哲学との対比を、
描いてほしかった気もします。
主な萌え要素[人物偏]
妹「おにいちゃん!」
お嬢様
百合×双子
風紀委員
ゴスロリ
主な萌え要素[イベント]
廊下の曲がり角で。。。
先生から隠れる為に。。。
着替え中の教室を。。。
家の風呂場で。。。
突然強い風が吹いて。。。
文化祭のフォークダンスで。。。