【感想・ネタバレ】さいはての家のレビュー

あらすじ

家族を捨てて逃げてきた不倫カップル(はねつき)。逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生(ゆすらうめ)。新興宗教の元教祖だった老齢の婦人(ひかり)。親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹(ままごと)。子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男(かざあな)――「家」はいつもそこにあり、なにも言わず受け入れてくれる。安息を手に入れたはずの住人たちはやがて、奥底に沈む自身の心の澱を覗き込むことになる。傷ついた人々が、再び自分の足で歩きだすまでを「家」とともに描く連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「もうすでにこの番号は通じないかもしれない。許されないかもしれない。理解など、到底されないかもしれない。
ただ、俺はそういう風にしか生きられなかった。それが他人にどう見えても、俺は、俺だけは、自分が生きることの味方をして、世界と交渉しなければならない」

大好きな作家の短編集(短編集が基本多いか)

逃げ出した人たちが生きつく平屋での話
どの話も好きだったけど最後の話が一番好きだった。
妻も子供も愛しているけれど、子供の面倒を妻に押し付けてばっかりってわかっていても、どうしてもあの平屋に帰りたい。多分、自分が結婚したり、子供を持ったりすると持ちうる思いだろうという予感がしたのでとても共感ができた。

自分もしなければならない、妻は自分よりもずっと我慢して自分の時間もないんだから、という正論を理解していても抱えてしまう逃げの心を持ってしまったときどうすればいいんだろうと考えて、最後の大家さんや主人公の言葉が印象的だった。

自分の抱えてしまう思いを押し倒すのでもなく、全て我慢するのでもなく、話して「交渉」して妥協点を見つけていくっていう家族という簡単には切り離せない関係での落ちどころというひとつの形を見ることができて良かった。
主人公もそうだけど、一番苦労しているだろう奥さんにも少しでも楽になってほしいと最後に思った。

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夏目漱石、人生で5回は挑戦して挫折して、まだ読めてないんだよなあ、、なんと直近で挑戦したのは2週間前。
これってもう向いてないってことでいいよね?とか言い訳し出している。
小説に、過去の名作が出てくると読みたくなる/読まなければいけない気持ちになる。
次は川端康成試してみよう。

他人の痕跡に触れることを恐れながら、ネズミが蛇に食べられることを望む野田さん。
他人の痕跡を整理整頓して消し去り、ネズミが捕食されるイメージを怖がる主人公。

"誰かがあなたの代わりにばつを下してくれれば、このあいだ片付けていた天井裏の箱みたいに、整理した気分になれたのか"

"生ゴミに埋もれたねずみを忘れさせる、美しくてひどいことがたくさん起きた。"

"気づかなければ、それないのだ。気づいてしまったら、そのままにはできない。"

"でも、いやだ。そう考え始めると止まらなかった。"

別に頼んでない。って心の声って自分も含め、自分の仲のいい友人が多く持ってる。特に恋愛関係においての愚痴の終着点は大抵そこに行き着いてる。

できれば古民家を今年見つけたいなあ

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネズミで始まりヘビで終わった。
一つの家のいくつかの物語。
ネズミを追い張ってくれと思ったヘビに最後は丸呑みされそうになるものがたり。
捕まえて始末してしまったネズミはなんだったのか、丸呑みしようとしていたヘビはなんだったのだろうか。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全て同じ老人ホームに隣接した家の話で、さらにそれぞれ何かから逃げてきた住人の話。
最初の話は哲学的な導入であったのだが、そのまま進んでいくのかと思いきや徐々に不穏な空気でフェイドアウトしていく。そしてその不穏な空気感がどこか癖になってしまう、彩瀬まるワールドとも言うべき世界観。その後の話も、どこか不穏な空気をはらみつつ、最終的には住人の色々な感情、狂気・悲哀・絶望・ほんのわずかな希望をその家に置いて、住人たちは去っていく。
実に不思議な世界観であったが、あっという間に読み終わっていた。
これを読んでいる最中は、ずっとショパンの「雨だれ」が頭の中に流れていた。穏やかな日常に、時々訪れる不穏な空気や恐怖がリンクしていてBGMとしては大変よかった。

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2023年09月07日

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