【感想・ネタバレ】宇宙のカケラ 物理学者、般若心経を語るのレビュー

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Posted by ブクログ

般若心経は、仏陀がみつけた四諦、八正道などの方法のすべて否定し、無化してしまった。つまり、仏陀は、原因と結果が結びついている因果と、私たちの行いによって生じる業というこの世の苦しみから逃れるためには、修行によって自分の心の在り方を変えようとしたのに対して、般若心経は、世界全体の見方を変えた。その出発点は宇宙の因果律という大原則を、すべてない、ないの『空』の概念によって夢幻化してしまった。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

知り合いに勧められて購入しましたが、不思議な感じがする本でした。私自身は(僧侶が)般若心経を解説する本は以前読んだことがあるのですが、なにか般若心経が量子物理学に通じるもの、宇宙物理学に通じるもの、という感じがしました。さらに般若心経を超えて、松尾芭蕉、宮沢賢治、(キリスト教の)聖書など、生きとし生けるものすべて宇宙の一部であり、自身が宇宙でもある、という世界観を解説されていました。仏教の本を読んでいるというよりは、宇宙の神秘を科学的に解説しようとしたら般若心経に行きついた、というほうが適当な印象かもしれません。繰り返しになりますが(良い意味で)不思議な気持ちになる本でした。

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2023年05月06日

Posted by ブクログ

タイトルのとおり、物理学者である佐治先生の視点で般若心経を読み解いていくといった内容でした。

佐治先生のものの見方をもっと知りたいなと思い手にした本なので、もちろん星5つです。
仏教の思想と最新科学のたくさんの共通点が語られておりとても興味深かったです。
所々に散りばめてある詩のせいか、語り口なのか、それとも般若心経のおかげなのかわかりませんが、ほんの少し心の中が温かくなる感じがしました。
また時々読み返したいです。

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2021年05月21日

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東急の月刊フリーマガジンにエッセイの連載を持たれていて、そこから佐治先生の事を知りました。
生きていく事がふっと軽くなるお話だったり、宗教や難解な物理を身近な生活に起きかえて感じることが出来ます。

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2023年11月02日

Posted by ブクログ

数日かけて、ゆっくりと再読。
物理学者が「般若心経」の世界観を読み解くと、こういう視点や物語が出てくるんだ、と興味深く読んだ。時間や空間、人間存在をとらえるスケールが大きい。

「私たちの体をつくっている物質の主成分は炭素です。これらの炭素は、例外なく、星が光り輝く過程で合成されたものです。そして、それらの炭素は、バクテリアや植物や動物をつくった後、❝縁あって❞私たちの体に取り込まれたのです」

「宇宙に❝はじまり❞があったとすれば、もとを辿れば、この世界のすべてはお互いにかかわり合っていて、独立存在ではないことになります」

決して文学的な比喩ではなくて、人間はまさに「宇宙のカケラ」であり、私という個人も、❝縁あって❞私の形になっている、私以外のものからできていることが、ストンとわかるような気がする。そしてそれは、深いやすらぎでもある。

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2022年05月15日

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深夜ラジオのように少しずつ読みたい本。

般若心経、美しさのルート2の法則、生命の神秘、音楽、過去は新しく未来は懐かしいこと、素粒子、まどみちお、金子みすゞ、宮沢賢治、など話は多岐にわたり、それらの知識のコンテクストを背景に半ば感覚的にまとめてある印象。

一番印象的だったのは、地球のカケラでできた月のおかげで四季と、一日24時間と、音楽が生まれたということ。

お月さんのおかげで自転速度がゆっくりになり、地球さんも大嵐になることなく、耳が発達し、音がコミュニケーション手段になり、言葉が生まれ、音楽が生まれた。
だから、ジェームズ・リプトンの言う通り、言葉は「もっとも貴重な天然資源」と考えてもいいだろう。

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2020年06月22日

Posted by ブクログ

前半の般若心経に対する解説パートは難しく、非常にわかりやすく説明しているにもかかわらず理解するのに時間を要した。
理論物理の研究者ということで、難しい事柄を「正確さを犠牲にしてでもわかりやすく説明する」ということに慣れているからかもしれないが、前半の仏教用語に対する解説もその正確性において疑問が残った。

とはいえ、わかりやすく解説された仏教的な世界観と物理現象、ときにはキリスト教や他の哲学を持ち出し、「いいとこどり」的な世界観に基づくエッセイ風読み物として非常に面白く読むことができた。

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2020年06月07日

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