あらすじ
「あったことをなかったことにはできない」安倍晋三首相と親密な関係といわれる学校法人加計学園が、国家戦略特区に獣医学部を新設した問題で、官僚トップの事務次官を務めた著者がなぜ「総理の意向があった」と記された文書の存在を認めたのか。
「公正・公平であるべき行政が歪められた」として、安倍政権下で起きた加計学園問題をはじめ「権力私物化」の構造を糾弾する。そして、「道徳の教科化」や「教育勅語」の復活など、安倍政権が進める教育政策に警鐘を鳴らす。さらに、文部科学省という組織の中で、「面従腹背」しながら行政の進むべき方向を探し続けた38年間の軌跡を振り返る。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
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Posted by ブクログ
"面従腹背"という姿勢には賛否両論あるだろうが、組織で働く人には多かれ少なかれ、自分の意見、心情とは異なっても組織の論理、上司の意向に沿って動かなければならない苦しいときがあると思う。
しかし、現代にあって、政治家、特に時の政権を動かす人たちが私利のために各省庁に圧力をかけ、行政を歪めるという、民主主義においてあってはならないことが行われていたというのは、衝撃的だ。
若手の公務員で数年で辞める人が多いのは、そういう理不尽な体制の中で働くことに嫌気がさすからではないか。実際、
本書には書かれていないが、森友問題では心ある1公務員が自殺にまで追い込まれた。
面従腹背すらせず、心をなくし、政治家の意を汲んで働くだけの役人が出世するような状況は一刻も早く改善されるべきだ。
Posted by ブクログ
タイトルにある面従腹背とは、官僚時代に政府、組織の意向に表向きは従いながらも内心は反抗したことがある。ということから来ている。今は、官僚ではないので眼横鼻直に例えて、当たり前、ありのままに言う、行動できるようになった。と筆者は語っている。
官僚時代に、文部科学省で子供、学生の未来を想い紆余曲折ながらも尽力されたことは頭が下がる思いもするし、尊敬すらも感じた。一方で、安倍政権に対する批判があったが根拠が弱く推測の域を出ていないように思う。
なお、自身のスキャンダルであるバー問題では、売春問題の調査だと言っていたが本には軽く触れているだけ。人に対しては厳しく批判する割に自分のことは優しい。
この点がどうしても納得できなかった。