あらすじ
近年、「女性の活躍」「マタハラ」「保活」「妊活」「待機児童」「ワンオペ育児」など、仕事と育児に関する用語がメディアに頻繁に登場しており、旬のテーマでもあります。政府は女性の活躍を推進し、企業は、表面上はワーク・ライフ・バランスを掲げ、また共働きの増加をビジネスチャンスと捉えます。しかし、働く母親たちと話していると現状に疲れている人、怒っている人が少なくありません。家では大半の育児・家事をワンオペで担当し、仕事では子育ての制約ゆえにマミートラックに追いやられ、悔し涙を流しています。しかも、働く母親の多くは非正規雇用。「正社員の夫を持つ妻が家計の補助でパートに出る」という前提のため、低い賃金で働いています。
女性の多くは、職場では男性よりも低い賃金の仕事、家では誰かのためにタダの仕事という二重の労働を担い、毎日十数時間働いています。まるでブラックな労働です。これは、古くて新しい問題だといえるでしょう。本書では、社会学の研究者であり、また教員であり、さらに4歳の男の子の母親でもある著者が、子育て真っ最中の男女をめぐるミクロな状況とマクロな仕組みを、当事者の立場から伝え、読み解き、乗り切る方法を提案します。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
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Posted by ブクログ
ハッとさせられた箇所は
「育児”休暇”ではなく、育児”休業”」
ライフプランニングに携わる立場として、「育児”休暇”」なんて誤った使い方をしてはいけないな、と思いました。
子どもが乳児、幼児の頃は、本当に予期せぬことの連続です。自分の気持ちや感情、タスクすらも後回し、とにかく子供中心に世界が回っている感じです。
拍手を送りたいと思ったのは「自称イクメン問題」。
確かに、子どもと一緒にいるだけで育児をしていると胸を張っちゃうパパ、いますね~。
自分はテレビを見ていたり、ゲームをやっていたり、昼寝をしたりしていても、子どもと同じ部屋にいさえすれば「子供の面倒を見ていた」と。
「子どもと遊ぶ」と「子どもの世話をする」は、完全に別の行為です。
しかしなぜか、本書を読んでからの自分。
我が家にも自称イクメンがいますが、なぜか寛大な気持ちになった私。なぜでしょうね。
我が家だけじゃない、社会全体として、同じような悩みの母たちがいる、自分の尺度で物事を考える父親は大勢いるんだ、と思ったら、どういうわけか、自称イクメンにムカついていた気持ちも和らいでしまいました。