【感想・ネタバレ】ショージ君の青春記のレビュー

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Posted by ブクログ 2011年04月13日

現在深刻な問題となっているNEETの先駆け的自伝小説。とは言っても『ひきこもり』がテーマというわけではない。青春時代誰もがやってしまうであろう馬鹿な行動、歪んだ妄想、その他もろもろ、ほろりとしてしjまうような場面もしばしば。

この本は、筆者が漫画家としてデビューするまでの人生を綴った作品である。
...続きを読む少年時代に漫画を書くのが好きだったこと。


この本を読んで、誰もが『アハハ、コイツ馬鹿だなぁ』と思うだろう。どこか抜けていて、でも憎めない行動。漫画を出版社に持ち込んで、さも当然のようにそれが大ヒットすると信じ切っている。こんな無謀で間の抜けたショージくん。
だがこれはだれしももっている恥ずかしい体験ではないだろうか。
人間はいつも特別になりたいと考えている。程度の差はあれ、初めてやったスポーツで才能が認められたらどうしようとか、心の底では思っている。だけど理想は遠くて、現実は近くて。

部屋で日がな鼻毛を抜いたり映画を見に行ったり、ショージ君はそんな日々を過している。
だがある日、親友の福地泡介の家の牛乳受けをみて、そんな無駄で怠惰な日々からの脱出を決意する。『次の日から猛然と漫画を書き始めた』というほど人生は簡単ではなかったが、それでも人生は動き始めた。いや、彼が動かしたのだ。
初めて漫画が雑誌に載った時、掲載率がどんどん高くなっていった時、彼は少しずつ大人になっていくのだ。だれがなんと言おうとあの日、ショージくんは輝いていたのだ。
若さ、それは万人が持っていた日々、そして誰しもが無駄に過した日々。
人生の大抵は、そういうものでしかないのかもしれない。だがそれを帰るのはほんの少し、ほんの少しの努力でいいのだ。

若者必携の書。
特に中高生に読んでもらいたい作品である

テーマ

・『若さ』
・『僕はモテナイのだ』
・『早稲田大学に入ってからの怠惰な日々』
・『福地の家には牛乳が置いてあった』

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

新聞連載「あさってくん」などの作者にして、日本屈指の名エッセイスト東海林さだおの青春記を描いた私小説。
これほど方に力の入らない青春記があっただろうか?若人の青春時代の悩みに対する最もあたたかい回答がここにある。

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Posted by ブクログ 2012年07月12日

「ショージ君の青春記」3

著者 東海林さだお
出版 文藝春秋

p91より引用
“大学に入学したてのころは、
どうも女学生対策にばかり心をくだいていたようである。”

漫画家でありエッセイストである著者による、
著者の青春時代の思い出を綴った一冊。
子どもの頃の疎開から大学漫研時代の仲間達について...続きを読むまで、
いつもながらの楽しい文体で書かれています。

上記の引用は、
大学に入学した時のエピソードが書かれた章の中の一文。
今も昔も男子大学生の頭の中は、
それほど変わりが無いのではないでしょうか。
けれどこの年代の男性がこうでなければ、
生物種としてのこの先の寿命に期待は持てないので、
これでいいのだと思います。
漫研のエピソードの中に出てくる仲間の名前が、
一度は聞いたことのある名前ばかりで、
漫画家の当たり年だったんだろうかなぁと思いました。

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