あらすじ
「どうぞ、お上りあそばして」と若い未亡人は客を迎えた。南麻布の高台の洋館──そこには老夫婦と、早逝した息子の嫁とが住んでいる。美しい未亡人に惹かれてか、その家のサロンには次々と青年たちが出入りする。老夫婦はなぜ嫁に青年たちを歓迎させるのか? 奇妙な豪邸の正体を暴く表題作。キャリア女性ばかりが住む、一見華やかな世田谷の独身アパートの浴場の湯槽で起こった殺人事件に潜む人間関係を描く「獄衣のない女囚」。昭和の色濃いサスペンス2篇!
感情タグBEST3
登場人物の人間模様もよく描かれており、往年の名刑事平塚八兵衛を連想させるような七兵衛刑事と警部補のやり取りで、読者を引っ張る会話の妙もなかなかに読ませます。
高台の家
山根は30歳ほど、仕事がらロシアの東洋研究書を求めていた。深良英之輔の今は亡き息子がこれらの書を持っていることを知り借用のため高台の家を訪問する。英之輔は60歳代の資産家であるが病弱の身であり、妻の宗子が何かと気づかっていた。息子の妻、幸子も同居している。幸子は魅力的な女性であり、2年ほど前に夫を亡くしたが里へ帰ることもせず留まっていた。
高台の家は20代の若者が集い、その一室はサロンのような状態で、幸子が彼らの相手をしていた。宗子も付き添っている。
山根も若者達を紹介されるのだが、少し年上の彼は興味がなかった、山根はこの若者達は何なのか、幸子の婿選びかと思案を巡らす。若者のメンバーは2〜3ヶ月で入れ替わっているようだ。
山根は若者の集いに疑問を抱く。若者の1人が自殺する、幸子に失恋したためか?
高台の家で事件はおきる。山根は、その事件を知り、若者の集まりが何だったのかが見えてくる。英之輔の思惑があったのかもしれないと、、、、。どうも英之輔の病気も見かけより軽いようだ。