あらすじ
慎重な男は、時代を変えた。戦後の日本を「一商人」として生き抜いた男、藤田俊雄。商人でもあった母の教えを胸に、復員後、東京・北千住で義兄とともに洋品店を営むことに。儲けを最低限に抑え、客を第一に考えたその店は、食料品等も扱うなど業容を広げ、「スーパーマーケット」という新たな形態へと変貌を遂げていく。イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏等をモデルに、流通の頂点に立つ男たちの姿を描いた傑作ビジネス大河小説。『二人のカリスマ(上)』を改題。 〈目次〉第一章 焼け跡 第二章 商人になる 第三章 商人修行 第四章 スーパーマーケット 第五章 アメリカ 第六章 チェーンストア化 第七章 驚異の躍進 第八章 コンビニエンスストア
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Posted by ブクログ
二人のカリスマ上巻はイトーヨーカドー創業者のお話。
私が高校卒業まで住んでいた地方都市にもイトーヨーカドーがあって、高校時代にはよく部活仲間とたむろしていました。大変お世話になりました。
ヨーカドーの青と赤のハトのマークを見ると、今でも高校時代を思い出します^_^
創業にあたっての様々な困難や苦労が事細かく紹介されてて、戦後の混乱期は、たぶんこんな感じだったんだろうなと。
当時の時代背景や戦前戦後のスーパーや銀行の様子が事細かく描写されていて、とても勉強になり面白かったです。
この作品も胸に刺さる言葉が沢山出てきて、嬉しくてメモしました。
Posted by ブクログ
イトーヨーカドー創業者の物語。淡々と物語は進むが、商売人としての矜持を感じる作品。
利益は買ってくれた人のために、商売は正直に、従業員とともに成長、といった部分は、松下幸之助に通ずるものがあると感じた。
下巻はセブンイレブンを題材にしたコンビニ編かな。
Posted by ブクログ
イトーヨーカ堂創業者をモデルに、流通の頂点に立つ人たちの姿を描いた大河小説。正直な商売が一番だよ。商売とは自分の利益だけを考えるものではない。薄利多売主義。アメリカのスーパーマーケットに出会ったときに「ローコスト・マス・マーチャンダイジングの技術が米国の豊かな社会を支えている」と聞く。マスマーチャンダイジング(Mass Merchandising)とは、「簡単にいうと品質を保ったままにコストダウンを図れる「量」の担保に立脚した商品化を計画すること」らしい。また、
「ドミナント戦略」とは、特定のエリアに集中して出店する戦略の事で、「ドミナント(dominant)」は、「支配的な」「優勢な」「優位に立つ」という意味を持つ言葉。特定のエリアへの集中的な出店で、競合より強い存在感の確立を狙うための戦略となっており、集中的な出店を行うことで、そのエリアの消費者の囲い込みを行うことができ、消費者との信頼関係を結ぶことができれば、競合が参入しづらいという点も大きなポイントなのだそうだ。ここにコンビニが加われば、個人経営は敵わない。その先は不便さかと思えば、ネット通販が現れて、個性的なものが売れる。あゝ、豊かさってなんだろうって考えさせられる。