あらすじ
本書は、未上場企業の経営者や、これから会社を起こしたいと考えている方々に、IPO(Initial Public Offering=株式公開)に関する基礎知識や、将来のIPOに向けての準備や心構えなどを伝えるために企画したものです。
IPOの準備から実現に至るまでの具体的な実務の流れについても詳しく紹介するとともに、IPOを実現したさまざまな業種の経営者や財務担当者にインタビューを行ない、「なぜ、株式上場を目指したのか?」「どのような成果が得られたのか?」「上場後に感じたデメリットは何か?」「上場準備の過程において、どのような点に苦労したのか?」といったことについて、忌憚なく語ってもらっています。
野村證券が、主幹事証券会社としてこれまでに数多くの企業のIPOをサポートしてきた経験に基づき、どうすればIPOを実現し、企業をさらなる成長へと導けるのか、わかりやすく解説します。
今回の改訂は、22年4月の東証市場区分見直し内容の反映と、IPOのプロセス全体を投資家・発行体・学者・証券界総出で見直した日証協の「公開価格設定プロセスのあり方に関するワーキング・グループ」報告書(22年2月)に示された改善策のポイントやその後の改善状況をわかりやすく説明するものです。
改訂にあたって
第1章 なぜ経営者は株式上場を目指すのか?――最新のIPO事情
第2章 IPOまでのスケジュールとやるべきこと
第3章 ケーススタディ 経験してみてわかったIPO
第4章 IPOは「ゴール」ではなく「スタート」である
おわりに
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Posted by ブクログ
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上場企業には、事業活動を行なうにあたって必ず予算を設定し、それを着実に達成させていく努力が求められています。 なぜなら上場後には、投資家に対して単年度ごとの利益計画を業績予想として開示することと、決算から45日以内には決算短信として実績を公表することが求められているからです。 仮に予算が達成されず、本決算で発表される売上高や利益が業績予想を下回った場合、株価の下落によって投資家に不利益をもたらす可能性もあります。そもそも投資家にとって業績予想は非常に重要な投資判断材料のひとつであり、実績が業績予想を下回るということは期待を裏切ることになってしまいます。そうならないように、事業活動をどのように展開して売上をいくら伸ばし、費用をどれだけ抑えて利益をいくら出すかという綿密な利益計画を立て、それを着実に実行していく必要があるのです。 証券取引所による上場審査においては、この利益計画づくりと予算統制がしっかり行なわれているかどうかという点についても厳しくチェックされます。したがって上場準備においても、このふたつをちゃんとできるようにすることが非常に重要なのです。