【感想・ネタバレ】敗者としての東京 ──巨大都市の「隠れた地層」を読むのレビュー

あらすじ

富と人口が集中し、世界最大規模を誇る都市、東京。だがこの都市は、少なくとも三度、占領されてきた。1590年の家康、1868年の薩長連合軍、1945年の米軍によってである。凹凸をなすこの都市の地形と結びつきながら、過去の「敗者たち」の記憶は、歴史的な地層をなしてきた。縄文の古代から現代までを視野に入れ、地球史的視座と家族史的視座とを往還しながら、江戸=東京に伏在する「敗者たち」の記憶の水脈を探り当て、「勝者」であり続けようとする令和の東京とは異なる可能性を探究した、比類なき「江戸=東京」論!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

PR雑誌「ちくま」に掲載された連載を本にしたものである。東京を明治維新、第二次世界大戦の敗者から見たものである。最も面白いのは、吉見の家族としての曽祖父母、祖父母、母親や親戚の安東(ヤクザ)と、その住んでいたところの大久保や新宿、渋谷についての関わりであった。東京については大まかには知られているものの、細かいことまではわからない。第3部(7章)からは吉見のファミリーヒストリーである。東京に来た大学生は、これを読むことで、東京はどのようなところであったかが理解されると思われる。

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2025年03月05日

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