【感想・ネタバレ】朝のあかり 石垣りんエッセイ集のレビュー

あらすじ

自分の住むところには自分で表札を出すにかぎる――。銀行の事務員として働き、生家の家計を支えながら続けた詩作。五十歳のとき手に入れた川辺の1DKとひとりの時間。「表札」「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」などの作品で知られる詩人の凜とした生き方が浮かび上がる、文庫オリジナルエッセイ集。〈解説〉梯久美子

【目次】
Ⅰ はたらく
宿借り/けちん坊/朝のあかり/雨と言葉/目下工事中/よい顔と幸福/日記/晴着/事務服/事務員として働きつづけて/おそば/領分のない人たち/食扶持のこと/着る人・つくる人/巣立った日の装い/試験管に入れて/夜の海/こしかた・ゆくすえ

Ⅱ ひとりで暮らす
呑川のほとり/シジミ/春の日に/電車の音/器量/花嫁/通じない/女の手仕事/つき合いの芽/彼岸/コイン・ランドリー/ぜいたくの重み/水はもどらないから/愛車/庭/籠の鳥/貼紙/山姥/梅が咲きました/雪谷/私のテレビ利用法/かたち

Ⅲ 詩を書く/立場のある詩/花よ、空を突け/持続と詩/生活の中の詩/仕事/お酒かかえて/福田正夫/銀行員の詩集/詩を書くことと、生きること

Ⅳ 齢を重ねる
終着駅/四月の合計/二月のおみくじ/椅子/私はなぜ結婚しないか/せつなさ/インスタントラーメン/火を止めるまで/しつけ糸/鳥/おばあさん/
空港で/八月/港区で/花の店/隣人/風景/思い出が着ている/悲しみと同量の喜び/ウリコの目 ムツの目/乙女たち/夜の太鼓

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この時代の人はほとんど全員生き残りなんだった。健常でない人がたくさんいた。今よりずっと。そういうことも思い出した。

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2023年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わかることばで、むき出しの生を紡いでくれる石垣りんさん
詩は好きだけどエッセイは読んだことなかったので
買ってみる
戦中戦後をしっかりと生き切った方なんだなーっと
三度も母親が変わるなんて、なかなか厳しい子ども時代なのではないかと思う
早くに就職してずっとそこで働き続けて。
自分で自分を支えて、家族も支えて、なんだろう
放り出したくなったりしなかったのかなー

今も昔も女性の生きづらさってのはあるんだよなーっと
姉妹で心中した人たちの話に胸つまされる
どこへも頼ることのできない寄るべなさ

退職してからも詩人としてのお仕事とかで
あっちこっちいかれてたようで、結構充実してたんだろうなあ
1人で生きることに気を張ってるわけでもなく卑下するわけでもなく哀しむわけでもなく、それをそのまま受け入れて
楽しいことは楽しい、寂しことは寂しいとして生きる、
そーゆー中で彼女のことばは生まれてきたんだろうなあ

別に偉くなりたいわけでなし、自分が読みたい本を自分で買えるくらいのお金を稼ぐほどの仕事をして、やりたいことをする。
全く、わたしもそれがしたい。

0
2025年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やられた。
また、師匠がひとり誕生してしまった。
母ほどの年齢の人なのに、感性が、考え方が自分に似ていて、大きな企業の最下層にいる環境まで同じで。
「誰が何をしてくれなくても、さみしかったらどのくらいさみしいか耐えてみて、さみしくゆたかになろう。」
南の国でのんびり暮らそうとと誘われてそれもいいですねと答えながら、今から覚える拙い言葉で自分の心のひもじさは耐えられないと。私のふるさとは日本の言葉だと言い切る。
ほんとにそうだよなとなんとも腹落ちのすることよ。

ネットでお顔を拝見したら笑顔のチャーミングな方で、ますます好きになったのでした。

0
2024年02月24日

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