【感想・ネタバレ】大雑把かつあやふやな怪盗の予告状 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイルのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 今年2月に刊行された、倉知淳さんの最新刊である。昨年10月、今年2月、そして今年6月にも新刊が予定されており、なかなかのハイペースではないか。何だか長ったらしいタイトル。探偵役も、乙姫警部とは違う意味で癖が強い。

 難関の試験を通過して警察庁に入庁した、本作の語り部・木島。入庁早々に、彼は「警察庁特殊例外事案専従捜査課」の「随伴官」に任ぜられる。要するに、本格ミステリのように名探偵に登場願う事件で、名探偵に付き添えという。警察庁の看板で円滑に進むように。というのが短い「file 0」で、さっさと本題に入る。

 file 1、「古典的にして中途半端な密室」。古い邸宅内の書斎で、主人が殺害されていた。発見時、ドアはすんなり開いたが、密室トリックの仕掛けが使われないまま残されていた…。こんな古典的仕掛けをネタにしつつ、密室トリックの新たな可能性が提示された! というのは言いすぎか? 決してお世辞ではなく、唸らされた。

 file 2、表題作「大雑把かつあやふやな怪盗の予告状」。地元有力者の自宅に届いた、何だか曖昧な予告状。県警はいたずらと見なしたが、地元署が警備体制を敷くことに。そこに探偵と木島も呼ばれたが…。なるほど、あれやこれやは伏線だったのだ。事件の風景が変わる予想外の真相に、決してお世辞ではなく、唸らされた。

 file 3、「手間暇かかった判りやすい見立て殺人」。被害者は脛から下を切断された状態で発見され、脛から下は湖畔に並べられていた。これは見立て殺人か? 被害者の別荘の構造はさて置き、file 2と同様に、事件の風景が大きく変わるのが読みどころ。予想外ではないのが予想外。決してお世辞ではなく、唸らされた。

 構成の妙が光る全3編だが、探偵役の勒恩寺は、本格ミステリのような犯罪を見てみたいという変わり者。そんな犯罪、あるはずもなく…って、この本だって本格ミステリなのだけど。探偵のキャラクターはともかく、随伴官の木島がいる意味はあるのか? 空気のような語り部が気の毒。そもそもこんな部署を希望していない。

 是非続編を読みたいシリーズだが、異動希望が叶わなかった木島を、せめてもう少し活躍させてはどうか。活躍するほど彼の異動は遠のきそうだが…。

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2023年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軽いタッチだけど、内容はしっかり論理的で本格的なところが、相変わらずの倉地淳。
続編もある終わり方だったから、また読もう!

それにしても、四字熟語の勉強になったなぁ笑
そして、寡黙な探偵は、読んでて落ち着かないと言うこともよく分かった笑

file3の動機は、このご時世、胸が痛んだ…。

0
2023年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】file 0/file 1 古典的にして中途半端な密室/file 2 大雑把かつあやふやな怪盗の予告状/file 3 手間暇かかった判りやすい見立て殺人/file E

ミステリ小説っぽい事件がリアルに起きた時になんとかするため、警察組織に出来た特殊例外事案専従捜査課(通称探偵課)。そこへ警察庁に入庁したばかりの新人・木島壮介が随伴官として配属される。随伴官とは、探偵として臨時雇用の民間人と現場との橋渡し役。何もわからず、不本意なまま、呼び出しに応じて臨場する木島だが、そこに現れるマイペースな探偵たちに手こずる。

「ミステリ小説っぽい事件」という通り、肩すかしな現実で、面白さは微妙。

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2023年05月29日

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