あらすじ
巡礼の旅に出ていたフィデルマは、良き友であるサクソン人の修道士エイダルフが、カンタベリーへの帰途、殺人罪で捕らえられたという兄からの手紙を受け取り、急ぎラーハン王国に向かった。ラーハンといえば、フィデルマの兄が治めるモアンとは揉めごとの絶えない隣国。どうやらエイダルフは12歳の少女に対する暴行と殺人の容疑で捕まったらしい。ドーリィーとして弁護しようとするフィデルマだが、エイダルフの処刑は既に翌朝に決まったと告げられる。不利な状況下で、彼の無実を証明すべく事件の捜査を始めるが……。人気シリーズ最新作。
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Posted by ブクログ
ミステリ。修道女フィデルマ。
エイダルフが捕らえられているために、スリルが凄い。
ここまでは、今年読んだ本のなかでトップクラスの面白さ。
誰が犯人だったとしても、一番の悪人は某権力者だろ…。
総括は下巻で。
Posted by ブクログ
修道女フィデルマ・シリーズ。
「まぐさ桶の犬」で葉村晶がこのシリーズの新作を読んでいて、
新作がでたのに気が付いた。
そういえば長年の友、エイダルフが幼い修道女への暴行と殺人で死刑判決を受けた、
という話で終わっていたんだっけ。
この時代のアイルランドでは、
殺人でも「血の代償」と呼ばれる賠償金を支払い、
公民権をはく奪され厚生施設で働かされることはあっても、
死刑になることはなかったので、
自分の気持ちに気が付いたフィデルマにとっては衝撃的だったろう。
当然フィデルマが駆けつけると、
エイダルフは(これまた当然だが)まだ処刑されていなかったが、
エイダルフを犯人だと証言した修道女は行方不明、
遺体を運んだ警備団員のうち一人は事故死、
船員を殺し金品をとったとして別の修道士が処刑されたと、
怪しさ満点。
(下巻へ続く)