あらすじ
平凡なサラリーマン家庭に育ったヤヨイは、お嬢様のユリコ、体が大きく優しいマスコ、お調子者のカツオ、隣家の息子タカユキと同じ小学校で学んだ。五人はそれぞれの道を歩み、還暦近くになって再会。会わない間に大人になったところもあり、変わらないところもあり......。ささやかなようでいて、いろいろあった人生を生きてきた五人の物語。
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Posted by ブクログ
ヤヨイのさっぱりとした性格が群ようこの描く主人公だなって感じがした。昔は嫌だった子も交えて温泉旅行にまで行く仲になったのは微笑ましかった。駆け落ちして出て行ったヤヨイの母が骨になって戻ってきた場面と、ヤヨイと二人で暮らせるよう実家の修繕をして楽しみに待っていた父が死んでしまって結局一緒に暮らすことができなかった場面が切なかった。
Posted by ブクログ
昭和30年代に生まれた男女5人の、昭和から平成の終わりまでの暮らしと再会までを描く。
この小説の主人公たちは、私の両親の世代にあたる。昔のことだと思って読み進めると、「3.11東日本大地震」が発生し、つい最近のことだとハッとさせられる。紆余曲折あったそれぞれが還暦を過ぎて再会し、旅行をするシーンが良い。なんてあたたかい巡り合わせと関係性なのだろう。
ユリコのセリフが、この小説で描かれるものが何かを語るものかもしれない。
「みんな生まれる時期や家なんて選べない。その中で折り合いをつけて生きていかなくちゃいけない」
タイトルの「また明日」
学生の頃は当たり前に交わしていた言葉が、いつからかこんなにも尊く響くのだなぁと、ジーンとしてしまった。