【感想・ネタバレ】キツネ狩りのレビュー

あらすじ

三年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子は、訪れた事故現場でその一部始終を目撃する。以来、尾崎の右眼は三年前の光景を映すようになった。それを知った署長の深澤は尾崎の信頼する弓削警部補と共に、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出すが――選考委員全会一致の第9回新潮ミステリー大賞受賞作。

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Posted by ブクログ

くるたんさん、みんみんさんのレビューを拝見して読みたくなった作品です。
ご紹介ありがとうございます!

第九回新潮ミステリー大賞受賞作

新潮ミステリー大賞といえば、私の大好きな作家の伊坂幸太郎さんが『オーデュボンの祈り』でデビューされたのが思い出されます。


警察小説です。
警察官の尾崎冴子は三年前、二歳年下の婚約者を同乗していたバイクの事故で亡くしています。
そして自身は右眼を失明しています。
それから尾崎は刑事課から配置転換させられました。

ところがある日尾崎は「一週間前、私はこの右眼で稲妻を見たんです」と眼科医の霧島環奈にうち明けます。霧島はPTSDだと最初は思いますが、尾崎が三年前の光景を実際に見ていることに気が付きます。

同僚刑事の弓削拓海は、尾崎の右眼の能力を使って犯罪捜査を始めます。尾崎の右眼は三年前が見えるのです。
弓削は、三年前に起きた親子四人惨殺事件を調べ始め、その事件の犯人が市営住宅放火事件他、四つの事件の連続犯であることを尾崎の右眼の情報から割り出します。

その事件の犯人には「キツネ」というあだ名がつけられます。


以下、軽くネタバレ含む感想なのでこれから読まれる方はお気をつけください。






それ以降も、キツネのとある秘密に気づいた巡査の高橋が殺害されてしまいます。
キツネの狡猾さ、残忍さ、気持ち悪さには反吐が出そうでした。
キツネをおびき出したものは自分の目撃者についての情報をほしがる気持ちでした。
どんな、狡猾な犯人にも心の隙はあるものだと思いました。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

新潮ミステリー大賞受賞作。三年前のバイク事故で婚約者と右眼の視力を失った警察官の尾崎は、訪れた事故現場で自らの事故のシーンを見えないはずの右眼で目撃した。彼女の右眼には、三年前の光景が映し出されるらしい。その能力を買った署長の深澤は、ちょうど三年前に起こった一家殺害事件の再捜査に尾崎を登用する。とてつもなくスリリングなミステリです。
過去の光景が見え、事件当時の光景を見ることができるのなら、事件の捜査も楽勝、と思えますが。能力を使うことでの負担(一定の時間しか使えない)、きっちり三年前でないといけない、そして見るだけで何ひとつ行動を起こすことはできない、となかなかに大変な制約が多いです。特に残忍な犯行を目の当たりにしながらも何ひとつできない、というのはつらいなあ。これはちょっと耐えられそうにありません。
そのあたりの制約もあって、事件は簡単に解決しません。犯人を尾行しても行きつく先が現在はない場所だったり、犯人の顔は分かっても素性が判明しなかったり。そしてさらに事件が起こってしまったりも……まったく目の離せない展開。犯人の姿はなんともいえず不気味だし、チームとはいえ実質的に一人でその犯人の姿に向き合う尾崎のメンタルも心配だし。だけれど、彼女の活躍はもっと読みたい気もしました。

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2023年08月30日

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ネタバレ

面白かった!片目だけ過去が見えるようになった女刑事。ただし、過去の時点は選べない。きっかり3年前の今この場所。見えていてもいなくても、凶悪犯を捕まえるのは難しい。相手からは見えていないと思っても、ハラハラするし、殺人現場にリアルタイムで居合わせのも本当に無理でしょ!必ず仇を取ると決めた女刑事にのめりこんでいく。そんな作品だった。

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2025年08月16日

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尾崎冴子と岸本有介はバイク事故で、有介は死亡、冴子は右眼を失明した.ただ、その右眼で3年前の出来事を再度見ることが出来ることを発見し、警察官である冴子はバイク事故は姫野亮太が起こしたことを突き止める.冴子は同僚の弓削拓海と深澤署長にその能力を告げ、未解決事件の捜査に活用することを進言した.一家四人が殺害された事件の犯人を突き止めることに取り掛かり、犯人をキツネと命名し捜査を開始した.動画サイトの分析などから犯人の絞り込みが進む過程で、交番の巡査が殺害され一気に緊張が高まった.巡査から奪った制服をまとった犯人が冴子らの部屋に侵入し、冴子は監禁状態になる.弓削がそこに突入して対決が続くが、本書のメインイベントと言える場面が展開する.最後に犯人・松永遼悟を「孤独という病に冒された飢えた獣」と称していたが、その通りだと感じた.

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2024年09月26日

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2024.7 読み始めは「おいおいサイコものかよ。ストーリーもありがちだしはずれ」と思ったけれど、読み進めるうちに日本の小説では珍しいくらい残虐な犯人かつ読み応えのある犯罪小説でした。著者は還暦超えての出版?すごいな。

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2024年07月26日

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特殊能力の最初の現れ方に、ちょっとびっくり。
こういうのって、
主人公が実は持っているという設定で始まることが多かった気がします。
この作品では、尾崎と一緒に読者もびっくりを体感します。

特殊すぎる能力ですが、時間制限がある事で受け入れられる感じ。
警察小説のまた新しい設定で、面白かったです。
(犯行は残虐で、それを見ているだけというのは辛い…)
途中からは先が気になって、どんどん駆け足で読みました。

弓削の事件も気になるので、
きっとあるであろう続編も読みたいと思います。

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2024年02月26日

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事故をきっかけに、失明した右目に3年前の光景が見えるようになった。
という、割とあるような設定だったのであまり期待せずに読んだ。
が、その設定がきっかり3年前のリアルタイムで、巻き戻したり停止したりできない、という限定つきのためかよりスリリングな展開になって躍動感がよかった。
犯人の正体を追うところは特に。
映像化しても面白いと思う。

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2023年12月04日

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特殊設定ミステリーですね。
面白かったです。
東野圭吾とかそういう現実にはあり得ない
設定を無理なく読書に納得させるの
得意ですよね。
次作期待します。

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2023年11月04日

Posted by ブクログ

三年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子は
訪れた事故現場で、その一部始終を目撃する。以来、彼女の右眼は三年前の光景を映すようになった。それを知った署長の深澤は、尾崎の信頼する弓削警部補と共に、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出すが…。
過去の映像が見えても証拠がなければ逮捕出来ない…なかなかなジレンマですな。
作者デビュー作とのこと。次作が楽しみです!

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2023年09月18日

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ネタバレ

ちょっと動機が解せぬ部分もあったけど、話自体は面白くて良かった。弓削さんの事件が結局どういう理由で起こったのか知りたい…。続編にしてくれないかな…

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2023年09月05日

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選考委員全会一致!
第9回新潮ミステリー大賞受賞作‼︎

納得の面白さです♪
バイク事故で婚約者と右眼の視力を失った警察官である冴子。婚約者の三回忌後に初めて事故現場を訪れた冴子は激しく動揺し、失明した右眼が三年前の事故をフラッシュバックのように一部始終見える事にパニックになる。

右眼はその場所の三年前が見えるんです。
理由は分かりません…いいんです!
そこは気にしないでください笑

特殊能力で殺人事件を解決するという設定がなんとも上手くできております♪
三年前の同時刻そこがポイント!

秘密を打ち明けた信頼できる仲間二人と三年前の未解決事件の捜査を始めるんですが、ここからこの設定がいかに面白いかわかります。
読む方もハラハラドキドキの連続(゚-゚*;)(;*゚-゚)

これがデビュー作とは恐れ入ります(*_*)
この事件の為の特殊能力じゃないんで第二弾があるはず!身体を張る冴子達がまた読みたい‼︎
これはドラマ化したらかなり面白いだろうなぁ。






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2023年08月10日

Posted by ブクログ

第9回 新潮ミステリー大賞受賞作

地道な捜査が特殊設定を凌駕する新感覚警察小説と帯にあるようにちょっと違う角度から攻めてくる感覚を楽しめた。

3年前にバイク事故で恋人を失い、自らも右眼を失明した警察官の尾崎冴子。
訪れた事故現場でフラッシュバックに遭いその一部始終を目の当たりにする。
それ以降、右眼は3年前の光景を映すようになり、それを知った同期のキャリアで現署長の深澤は、2人の指導官だった弓削刑事とともに未解決事件を捜査することになる。

現在進行形という状態で捉えることはできず、あくまで殺されていく過程を見ることしかできない(傍観者)のは、本人にとってはかなりの苦痛が伴う。
右眼で見ることの時間も限られるというなかでの捜査もタイトになる。

ラストに納得はできないが、犯人が人との繋がりに飢え、自分自身を含めた家族とは何か、その答えを求めて殺人を繰り返していたのなら、まさに『孤独という病に冒された飢えた獣』だったと考えるしかないと言った弓削のことばが真実なんだろう。







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2023年08月08日

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ネタバレ

3年前にツーリングの事故で婚約者を亡くし自分も右目を失明した尾崎。ところがその目は不思議な力を宿していた。尾崎とかってチームだった上司弓削とキャリアの深澤は彼女の3年前の出来事を見る力を生かして捜査にあたる。公に出来ない力を隠し、動画サイトから事件に迫っていくのがもどかしいながらもハラハラしながら一気読み。面白かったです。

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2023年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 設定が生かし切れているのかどうか。その評価は難しい。長くなくてよい。3人の登場人物に1話ずつくらいのシリーズになったら。
 

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2023年06月05日

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ネタバレ

独特な犯罪者と特殊能力に目覚めた女性警察官の物語。最終盤の意図が分かりにくかったです。伏線があったのかどうなのか、私には分からず。

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2025年10月20日

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いいところまで追い詰めたのに飛び降りられるなんて。何があったのか語らせたい。特殊な能力ってコントロールが大変そう、捜査のためとは言え。

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2025年06月30日

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事故の後遺症で見えなくなった右眼に3年前の出来事が見えるようになった尾崎冴子。かつてチームだった弓削と深澤と、事故の真相を突き止めていく。やがて、それが凶悪事件を掘り起こすことになっていく。緊迫感のある展開が面白かったし、主人公の人間性に好感が持てて、続編があればぜひ読みたい。ただ、犯人の感じ方や考えがただただ怖くて、後味がちょっと悪かったかな。

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2024年10月08日

Posted by ブクログ


交通事故に遭って婚約者を失い、
右目を失明した主人公の女性刑事。

ある日突然、視力を失ったはずの右目で
ものが見えるようになるが、それは左目で
見るのとは異なる像を描いていると分かり、
見えないはずのものが見える右目の力を使って、
未解決時間の謎を解き、犯人を追い詰めていく。

事件を傍観する謎の右目という特異な設定が、
非現実的で面白かった。

後にキツネと名付けられる謎に包まれていた
殺人犯の動機や素性が、前半の猟奇性や狂気的な
犯人像と乖離していてちよっと残念に感じた。

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2024年06月25日

Posted by ブクログ

後半に進むにしたがい緊張感が増すばかり。新設室に犯人が侵入した時のドキドキ感は、何とも言い難い。ホームレス殺害の案件も掘り下げたいところだが、そこに思いを馳せるように促すに留めたあたり、お後がよろしいようで。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特異な能力を持つ尾崎冴子、脇を固める弓削警部補とバックアップする署長の深澤。
着想も面白いし犯人追跡劇も緊迫感があって良い。

惜しいのは三人の会話が冗長なこと。
余計な台詞が多くて読むのがかったるく感じる。
もう少し読みやすくしたら良いのになあ、と。

あと警察内の登場人物をもう少し整理した方が良い。
え~と、これ誰だっけ?主人公達との関係はどんなんだっけ?と読み返す羽目になることが幾度かあった。

作品紹介・あらすじ
目の前に犯人がいるのに逮捕できない――大胆不敵な新警察小説、誕生。三年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子は、訪れた事故現場でその一部始終を目撃する。以来、尾崎の右眼は三年前の光景を映すようになった。それを知った署長の深澤は尾崎の信頼する弓削警部補と共に、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出すが――選考委員全会一致の第9回新潮ミステリー大賞受賞作。

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2024年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なぜ居なかった事件現場の光景が見えるのか。
突き詰めて考えると納得いきませんが(あるか分からないけれど続編で明かされるのかな?)そういう特殊能力と割り切って読むと面白かった。
犯人と尾崎との対峙は緊迫感があってドキドキでした。

一連の殺人の動機は理解できるようなできないような。
最後の犯人の行動も、特に追い詰められてた感じがなかったのにどうして?と思いました。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特殊設定ミステリが増えてきている中で、本作は特殊設定×警察小説という新しいジャンルに挑戦している。主人公の特殊能力は、極めて有用だが制約も多いため、過度なチート感はなく、絶妙な塩梅だと思う。しかし、後半は特殊能力の出番が全く無かったり、犯人が追い詰められてもいないのに自ら尻尾を出したりと、面白い設定を活かしきれていない感じがした。

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

“後出しジャンケン”みたいな能力。超能力で事件解決…いささか引いてしまうが、それを補ってあまりある描写。面白かった。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

バイク事故で右目を失明した警察官尾崎。彼女の右目は突如として3年前の光景を映し出すようになる。これにより未解決事件の解決に乗り出すが。。。

しっぽを出さない手ごわい犯人をこういったチート感ある手段でもって追い詰めていくところはなかなかに緊迫感もあって面白かったです。
半面、最初の事故の調査からの真相だとか犯人の心情やその動機とかポイントがばらけてしまっているような印象もうけました。読み終わってみるとそれぞれのつながりがどうもしっくりこない。この小説の核はどこなのか?みたいな。

いっそ、逆にこういうイレギュラーというか無茶な方法で追い詰められていく犯人側の視点のお話のほうがちょっと面白そうとか思ってしまった。。恐怖ですよね。そしてそこからどう知恵を絞って逃げ延びるか・・ダメか。

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2023年09月13日

Posted by ブクログ

特殊設定と警察小説を融合させた作品で中々面白かった。主人公の警察官、尾崎冴子はバイク事故で婚約者と右目の視力を失う。その3年後に事故現場を訪れた彼女は失われた右目から3年前の映像が浮かび上がる現象に囚われる。という過去(3年前)の状況が見えるようになった右目を武器に未解決となった事件を追っていくようになる、というのが基本線。警察小説として出来がいいのは特殊設定に寄りかかり過ぎていない点。地道な聞き込みや証拠集めをしていき彼女が実際に「見た」真実にたどり着いていく場面は面白い。続編もあるのかな?期待したい。

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

第9回新潮ミステリー大賞受賞作。地味になりがちな警察小説に特殊設定を用いて読み応えのある作品に仕上がっています。特殊設定にやりすぎ感はなく物語に巧く溶け込んでいるのは好印象ですが、これといった証拠がない中でわざわざ犯人が出向いてクライマックスを迎える展開は少々ご都合主義的かなと感じてしまいました。

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2023年07月29日

Posted by ブクログ

第9回新潮ミステリー大賞受賞作。

バイク事故で婚約者を亡くし、自らも右目を失明した女性警察官・尾崎冴子。事故現場を訪れたことをきっかけに、見えない右目で3年前の光景が見えるようになる。尾崎と研修同期のエリートキャリア警察官・深澤と、指導官だった刑事・弓削の3人は、尾崎の能力を利用して未解決の事件再捜査に乗り出す。

という話なんだけど、3年前の光景が見えるという設定にどうにもついていけず。尾崎の主治医である眼科医がその機序を説明すればするほど、そもそも行ったこともない場所の殺人事件を3年前というだけで見えるというのは無理筋では?と思わざるを得ない。

その違和感をさておいても、前半の推進力のなさは致命的でなかなか読み進められない。3人の関係性が良くて、面白くなりそうだと思ったのに残念。
主人公の尾崎は刑事だったのに殺人のを見て怯えて足が立たなくなったり、逆に、冷静な判断が出来なくなって暴走したり、その人となりに難ありでイライラした。

この女性刑事を刑事課の班長が平気で「お嬢さん」呼ばわりするなど、いつの時代の話?という印象も。
エピローグは、「まだあるの?」的な印象の割に知りたいことははっきりしないまさに蛇足。それとも続編への伏線か?
これなら事件ごとに分けて連作短編とかにした方が良かったような気もする。


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2023年07月17日

Posted by ブクログ

サイコ?超能力モノ?事故で片目を失った刑事が、ある時、失ったその目でリアルな事件現場を見て犯人を確定すると言うもの。
犯行現場の描写は、読んでいても気分悪くなる程。中半からはリズムも良くなり一気に終盤か、と期待したが、惜しい結末だった。

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2023年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いことは間違いないのに、なぜが読むペースが上がらなかった作品でした。何故だ…笑
クライマックスで右眼の能力を活かした演出があればもっと面白かったかも?

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2023年06月06日

Posted by ブクログ

サイコな力を得て事件解決する物語
話のテンポや展開が速く楽しく読めた。
超能力の展開が消化出来れば、お勧めかも。
シリーズ化も行ける。次も手に取りたい。

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2023年05月26日

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