【感想・ネタバレ】ブラック・リストのレビュー

あらすじ

ジャーナリストの恋人モレルがアフガニスタンの危険な取材へと旅立ち、ヴィクは不安を募らせていた。心配を打ち消そうと仕事に打ち込むヴィクは、無人の屋敷に出入りする不法侵入者の正体を突き止めてほしいとの依頼を受ける。ヴィクは張り込みを開始するが、発見したのは屋敷内の池に沈んでいた黒人男性の死体だった……9・11以後の混迷するアメリカを舞台にヴィクの活躍を描く英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作

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Posted by ブクログ

ネタバレ

探偵ウォーショースキーの12作目。

9.11の直後とは。
ここへきて、ヴィクとの距離感がぐんと縮まった気がした。

元自分の屋敷に侵入者がいるからつきとめてほしいという、
金持ちの老婦人からの依頼を受けるヴィク。
屋敷の池で男性の遺体を発見し、
「赤狩り」の時代の上流社会の闇と
現代の「テロ狩り」に巻き込まれていく。

恋人のモレルはアフガニスタンに危険な取材に出かけていて、
心配でしょうがないヴィク。
ロティはあっさり日常に戻ったようだが、
助手を務めていたメアリがいなくなっていて残念だった。

面白かったのは、ヴィクがテロリストをかくまっていると捜索に来たFBIたちが、
近所の人たちが大騒ぎをはじめて、
子供が「パレードなの?」と聞いていたところ。

最後、雪の中を思い出のコテージへヴィクを案内した九十一歳の女性と、
スノーモービルでかけつけて銃を乱射した推定六十代の女性の闘いは、
かなり怖かった。

0
2021年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

数少ない上得意からの依頼で、夜間の侵入者についての調査を始めたところ、侵入者を追ううちに敷地内の池に落ちて死体を引き上げてしまう。侵入者と死体についてさらに調査を進めると、過去のシカゴの上流階級の内輪話に踏み込んでいくこととなるのだが、すでに亡くなった者もおり、複雑な人間関係を読み解くのに難航する。そこへテロと関係が疑われる少年が事件の目撃者として入り込む。
いつもは登場人物の人物描写や心理描写が多いのだが、今回はシカゴの上流階級それ自体の描写にも力が入っている。最後、事件全体の取り調べが始まったところとはいえ、上流階級の有力ファミリーのマダムは人を射殺しておいて逮捕されないんだよなあ。だけど、それでいいのか?それまでの経緯もあって身内の複雑な心理も描かれているが。日本でも似たようなケースに関連し上級国民という言い方が流行っているが、定着しそうな気もする。

0
2019年05月05日

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