あらすじ
わたしは道に倒れていた女性を轢きそうに。病院に運ばれた彼女は死亡。ニコラという脱獄囚だとわかるが、その直後、彼女の死体は何処かに消えた。ニコラ殺害容疑をかけられたわたしは、彼女の行方を追ううちに様々な妨害を受け、ついに濡れ衣で刑務所へ。シカゴの女性探偵V・Iがプロの誇りをかけて立ち上がる
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Posted by ブクログ
探偵ウォーショースキーの10作目。
表紙は見ない。
いや、見てはいるのだろうが、
全く覚えていないので興味が無いのだろうと思っていた。
だが、どうも内容に検討をつけないように、
意識的に避けていたのかもしれない。
というのも、この作品の表紙を見た時、
ドラマにありがちなオレンジのジャンプスーツではなかったものの、
ヴィクが刑務所に入れられると判ってしまい、
しまった、と思ったからだ。
とある映画を見ていて、
予告編で見た飛行機から車が飛び出るシーン
(もちろん、上空を飛んでいる最中に)を、今か今かと待っていたら、
最後まで出てこなくてショックを受けて以来、
先入観を持って臨まないようにしている。
(別の映画の予告編と勘違いをしてただけだったが)
それなのに、表紙を見ていしまい、
最初のうちは、いつヴィクが刑務所に入れられるのか、と気が気ではなかった。
ヴィクが車でひきそうになった女性が、
刑務所からの脱走者だったことから、
(すぐに気がついてもよかったはずだが)
途中で、ヴィクが戦略的に刑務所に入るのだと気がついてからは、
胸をなでおろして、読むことができた。
しかし、
ヴィクが入れられた拘置所兼刑務所は
かなり酷く、重い内容だった。
刑務所で行われていたTシャツづくりの犯罪や、
刑事の犯罪の捏造がかすんでしまうぐらい。
かなり長い作品だったので、
元恋人で共闘の友のマリがテレビ出演と「落ちぶれて」いたり、
ヴィクが電子手帳を使いこなしていたりとか、
一緒に仕事を始めた元婦人警官が事件で知り合った子供たちを育てていたりと、
いろいろと盛りだくさんだった。
ヴィクが身を隠した教会の神父さんや、
豊かであるが虐待家庭から救い出した男の子も、
印象的だったが、
ヴィクに情報をくれた上品で裕福な奥様が
なぜか印象的だった。
彼女の夫が罪を犯したのを知って証拠を捨て、
それが公にされるとヴィクに知らされても、
ヴィクを恨むことなく海外へ去っていく。
上品だからかな。