あらすじ
『大家さんと僕』『ぼくのお父さん』など話題作を生み出してきた著者が、認知症患者とその家族の日常を描いた!
認知症の症状の進行具合を四季(春・夏・秋・冬)に分けて、それぞれの時期に認知症患者さんにどんな変化が起こり、介護者さんはどう対応したら良いのかがわかる構成。笑って、泣けて、不安がやわらぐ本です。
*
はじめて、全編描き下ろしでマンガの単行本を描きました。
認知症の専門医である長谷川嘉哉先生のご著書『ボケ日和』の装画を描いたご縁から原案とさせてもらいマンガ化しました。
長谷川先生の本はあたたかくユーモアを交えて、「老い」を、「老化」を、その一環である「認知症」を、そして誰にでも訪れる「死」をあたりまえのことだと教えてくれて、安心を与えてくれます。この本の装画を引き受けることを勧めてくれたのは僕の母でした。
母は長年、介護の仕事に従事していました。でも子供の頃から、僕は母の仕事について詳しく聞いたり、学んだりすることはありませんでした。どこか目を背けてしまっていたのだろうと思います。今、母は高齢になり介護される側、僕は介護する側の年齢になろうとしています。
この漫画を描くことで僕自身が、介護や認知症についてもっと考えたい、学びたい、知りたい。それがこの本を描いた一番の動機だったのかもしれません。
このマンガを読んだ皆さんの未来への不安が、あたたかな日差しのような安心に変われば。そんな一冊になっていたら幸いです。
— 矢部太郎
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Posted by ブクログ
冒頭の「モノ盗られ妄想」の話、私も全く知らなかったのでとても驚き、その後の「知識があれば最期の時に笑顔で見送れる」という言葉に「そう、私もこれ知らないまま誰かのお世話をすることになっていたら…」とちょっとした怖さを覚えました。
ほのぼのタッチの絵に癒されつつ、色々知っておきたくて夢中になって、気づけば一気に読みました。
・試すようなことを言って不安にさせるよりも、情報を伝えることで安心をあたえる
・周辺症状は患者の体力の低下に伴ってそれほど長くは続かない
他にも色々と示唆に富むお話があったけど、自分には特にこの2点を予め知ることができたのが良かったと感じました。
Posted by ブクログ
⭐️マンガ ぼけ日和
矢部さんのほのぼのしたマンガだが、内容はかなり充実している。「モノ盗られ妄想」は、患者の最も頼りにしている方に出るということなど、介護をしている方々には知っておきたい知識を手軽に知ることができる良書だ。英語で認知症はLong goodbye 。素敵だ。
Posted by ブクログ
そうなんですよね・・・
そうですか・・・・
そうでした・・・
などと思いながら、近い将来の二人の行く末…参考にします。
絵のタッチと、文字部分がとても‥‥いいです
Posted by ブクログ
この本は認知症の患者さんとその家族がおだやかに過ごしていけるヒントを…っていう話なんだけど、それに限らず、自分のまわりの人となんとなくなかよくやっていくためにはどんな心持ちでいたらいいかってことを教えてくれる本だと思った。
大抵の諍いって「なんでこううまくいかないんだろうな」って小さなもやもやから始まって「もっとこうしてくれればいいのに」とか「なんでわたしだけが我慢しなきゃいけないんだろう」って気持ちが抑えきれなくなっておこるんだろうと思うのね。
そこで「それは仕方のないことなんだよね」って受け入れるのが最適解だって頭ではわかってはいる…わかってはいるんだけど、自分の気持ちはおさまらない。
どうでもいい他人なら「相性が悪い」で距離を置くこともできるけど、そうできなかったり、そうしたくない場合もある。
この本に出てくる人たちも、矢部さんのゆるっとした漫画でふんわりフィルターがかかってるけど、きっと大変なんだろうなっていうのがちゃんと読み取れる点がこの本のいいところだと思った。押し付けがましくないのがいい。
手元に置いてたまに読み返したら、自分の気持ちは落ち着くのかなぁ。そんな本でした。
Posted by ブクログ
涙をこらえながら読みました。
絵が優しくて、題名にピッタリ!
自分も、家族や周りの方々と、ほどほどに ゆっくり のんびり歩んで行きたいと思いました。
Posted by ブクログ
モノ盗られ妄想について正しく知れて良かったです。介護をしていた家族から、「アンタ、私のお金とったやろ!泥棒!」と疑われる話は何度か聞いた事がありました。でも、これは、患者さんのお世話を一番している人、最も頼りにしている人に対して出るそうです。知らなかったのでビックリしました。
認知症を患った家族を看取るまでの家族物語。重いテーマだけど、ほっこり、笑いあり、ホロリありの素敵な漫画。認知症介護の入門書として最適の一冊でした。
Posted by ブクログ
ほっこりするイラストで、大切なことが描かれていた。認知症のことを知識として知っていれば、いざというとき大変だけれど、受け止められると思う。このマンガを読んで、多くの人が優しい気持ちで長いお別れができたらいいなと思った。
Posted by ブクログ
高齢化社会には避けられない認知症問題の入門書として
分かりやすく
心にストンと落ちてくる
とてもいい一冊だと思う
時々読み返して
来る日に備えたい
Posted by ブクログ
最近、父を病気でなくした
物忘れかひどく理解力も落ちているMCIの母を残して
葬儀から死後の手続きまで独りでやったけど、母の今後のことが不安で仕方なかったそんな時にこの本に出会えました
そっか、ほどほどでいいんやんな
今まで通り、仕事もして息抜きもして母のことも…
涙が止まりませんでした
ほどほどにの一言にすごく救われました
この本に出会えて本当に良かった
安心して読めます
自分の体調不良でイライラしてしまい
介護中の親とギスギスした状況で
帰ってきてしまい
電車で広告をみて 半ばヤケクソで
購入して読んでみました。
自分の今日の態度で親の状態が悪化したら、、、と不安に感じていたので
この本をよみ心配いらないとわかり
安心しました 来週また気持ちをリセットして
行ければと思います。
匿名
施設に母をお願いしています。
骨折したことで歩けなくなり独居での生活が出来なくなったのがきっかけでした。
私は一人娘で結婚し実家から車で1時間半ほどのところに住んでいました。
母が実家近くの病院に入院していた頃は入院中の洗濯や実家の片付けなど細々した用事、そして往復3時間の運転に正直疲れていました。
ケアマネの方から『軽度の認知と足の不自由さでもう独居は無理だから施設を考えてみたら』と提案されました。
施設に入所するには母の年金と私の手出しでやっていけるのか、同居するには私が1人で実家に戻るのか?施設に入所したとて実家を維持できるのか、それとも売らなければならないのか‥どうすればいいのか?
考える事が色々ありすぎたものの何となく夫にお金の相談はし辛く1人でずっと悩んでいました。
が、このままでは何をするにしても私の家族が関係してくると思い夫に相談しました。すると夫から色々と提案があり実家を売らずに無事に母を施設に入所してもらう方向になりました。
ただ『施設に入れた』と言う負い目がずっとありました。
私は楽をしたんじゃないか、面倒な母の世話を丸投げしたんじゃないか、苦労から逃げたんじゃないか、そんな事をグルグル考えてしまう日がありました。
ですがこちらの本を読んで少し気持ちが和らぎました。家族が安らいで笑っても良いと言ってもらえて救われました。
もっと施設に会いに行こうと思います。
Posted by ブクログ
矢部さんの絵がホッコリとあたたかいタッチで日向ぼっこをしているような気分でした。
マンガの元となった長谷川先生の「ボケ日和」も同時に読んでみました。患者と家族を優しく見つめる眼差しを感じました。
文字にしたら大量の情報も、マンガでは少しの説明と簡単な吹き出しの言葉だけでストンと腑に落ちたところ多々。そして、それが四季のよにて変化していくことの覚悟も。
印象に残ったところ。
“試さずに自分から教えてあげてください。「情報」という名の安心をどんどんプレゼントしてあげてください。”
”ほどほどで十分です”
Posted by ブクログ
認知症専門医の著書をもとに、矢部太郎さんが漫画化したもの。
矢部太郎さんらしい温かさを感じるマンガばかりで、認知症=大変、しんどいとネガティブなイメージだったが、ほんわかした気持ちで読めた。
私自身は介護未経験でまだなかなか自分ごとではないのが本音だが、今のうちに「知っておく」ってすごく大切なことだと思う。
もちろん実際の介護ではもっともっと厳しい現実が待っているんだろうけど、この一冊のおかげでぼんやりとだが認知症について知ることができたことはとても意味のあることだと思える。
いざ介護に直面したときに、必ずまた読みたい。
Posted by ブクログ
幸せな気持ちになりました。
介護も知識があれば、不安にならずにイライラせずに受け入れて、その時その時に向き合えるのかなぁと少し思いました。
「少しずつ知って行きたい」そんなきっかけになる、とっても優しい本でした。
Posted by ブクログ
喫茶店にあった本。コミックエッセイ。
オーダーして料理が来るまでに半分。
食後のコーヒーとデザートを食べながら後半を。
昼休みで読んじゃいました。
矢部太郎さん、初読みでした。
認知症への理解本。
認知症の手前をMCIと言うらしい。
そこを早めに発見して、対応し、認知症の進行を遅らせる。それでも進行する認知症の家族をどう扱ってあげれば良いのか…。
ゆるく、かわいい絵で、ほんわかと理解させてもらえました。
認知症をテーマにした本なのに…
すごく前向きに、ほっこりさせてくれる作品で、これから、親がそう言うシーンに突入する人。
今、まさにその場面に遭遇してる人。
そんな人向け。
前向きに備える、前向きに対処するヒントが随所に散りばめられてました。
本当のお医者さんが主人公的に出てきます。実際にお医者さんが監修してるし。リアルです。
認知症のおばあちゃんが、布団からはみ出て寝ているシーン。
風邪引くよと直してあげようとしたら、3体のぬいぐるみと寝てて、ぬいぐるみを寝かしつけてるつもりのおばあちゃん。ぬいぐるみのために端によけてあげて寝てる。3人兄弟を育てたおばあちゃん。子育て帰りをしている…。らしい。
この4コマ…。一瞬で泣けました。
認知症の出かたも、さまざまな様で…
いかに、
「受け入れてあげるか」
がとても大切なんだと気づかされた。
うちは、両親とも元気で、頭も元気。まだまだ先と思いたい。
人は、誰しも年老いていく…。
たのしく、ワクワクを感じながら年老いていきたいなぁとも思った。
現実は…こんなに甘くないのかもしれないけど…
やっぱり、考え方、捉え方、感じ方次第で、
なんでも前向きに
「 楽 し め る 」
はずだと勇気をもらえました。
本書を読んで、家族に優しくなれる人が1人でも増えてくれるといいなぁと思いました。
Posted by ブクログ
「大家さんと僕」からの大ファン
認知症と言う難しい問題に
優しい絵とアドバイスでほんわかさせてくれる
怒りっぽくなったり、物取られ妄想が出たりの
どうしてそうなるかを知っておくと対応が全然違って来ると思う
『食事が摂れない状態が続くと
モルヒネ様物質が放出されて
ふわふわと心地よく
苦しさも
不安も
恐ろしさも
感じなくなります
食事が摂れなくなるのは
生命に与えられた
最後の安らぎなのです
ただ見守るだけというのは
つらいことです
でもただ見守ることが
思いやりなのかもしれません』
この言葉に救われます
私も延命治療はせず、ふわふわと心地よく
旅立ちたいです
Posted by ブクログ
認知症関連の本も何冊か読んだけど、この本もいい。
薄くて、しかも漫画だけど、大切なポイントが書かれていると思う。介護に今縁がない人も読んでおくと良い。
Posted by ブクログ
ほのぼのした。認知症のことを怖がっていたけど(介護する側になるのも、介護される側になるのも)、認知症の流れがよくわかって安心できた。ほどほどに。死も怖かったけど、これも大丈夫そうだ。また読みたい。
Posted by ブクログ
矢部さんの描くおじいちゃんおばあちゃんは、可愛らしい。全編ほっこりしながら読んだ。
私はまだ身内の介護を経験したことがない。この先経験することになったら、まずはじめにこの本を読み直したい。
モノを盗られたと思う気持ち、お家に帰ろうとする気持ち、何かが見える気持ち、いろんな気持ちに寄り添うちょっとしたアドバイスをしてくれる。看取りの考え方も。
とても優しいホンダ。
20231030
先日、母親がそんなことで?ということで腹をたてていた。あれは予兆なのかな?と気になっている。
2読め。
すこしぼんやりしがちな母にきつくあたってしまう。母の老に対して、認めたくないからだろうと思う。ちゃんと寄り添えるようにとまたこの本を読んだ。泣いた。
母と日々日常を送っていたら、また忘れちゃう見守る気持ち。その時また読み返そう。
20240402
Posted by ブクログ
「食事が摂れない状態が続くとモルヒネ様物質が放出されてふわふわと心地よく苦しさも不安も恐ろしさも感じなくなります 食事が摂れなくなるのは生命に与えられた最後の安らぎなのです 死を通して死んでいく者があたりまえの生を見せることそして残された者がそれを受け止めて自らの人生の糧とすることみんなあたりまえのことなのです」涙が止まらなくなりました。読んでよかったです。こんな素敵なマンガを出していただきありがとうございました。
Posted by ブクログ
大学では社会福祉を学び、現在は介護職をしている自分が忘れていたこと、日頃の対応で活かせる考え方
や支援方法を「だめだ!」と否定されるのではなく優しくこういう考え方もあるよね?って教えてくれる本。そして利用者がどんな思いがあるのか、拒否しているのかという視点が追加された本。
心がにこっとしてあったかくなりました。
情報をプレゼント(リアリティオリエンテーション)、寄り添う(相手の話に関心を持って聞く)、1番信頼してる人への盗られ妄想=介護の章、ロンググッドバイ、ご家族へ生活の状況を伝える時に微笑ましかったことを伝える
Posted by ブクログ
とても優しくわかりやすく描かれている。
始めのエピソードに出てきた女性の
「心がスッと冷えてしまって」
私は今その状態だ
完全に心は閉じてしまっている
病院やケアマネに相談して解決しないこともある
そもそもお金がなければどうにもならないことも
自分はこうなりたくない
その一心
Posted by ブクログ
目次
はじめに
春
おばあさんの春
お父さんの春
じいちゃん
お嫁さんの春
お義母さんの春
これから
夏
ゆっくり…
ほどほどで…
不安より安心
一緒に…
無理せずにラクを…
秋
幻覚の秋
お金盗ったでしょう?
つらい時期は…
帰りたい
お月見
冬
冬のはじまり
胸のうち
まだまだ
ありがとう①
ありがとう②
ありがとう③
思いやり
あたりまえのこと
おじいさんの春
人物紹介
Posted by ブクログ
元ネタ本があって,それを漫画化したもの。矢部太郎氏のふわっとしたタッチなのでボケ症状の苛烈さは表現されない。医師や看護師,OTPT,ケアマネ,介護士,といった専門家の助けをかりながら,ぼちぼち過ごしていく。昔は,結核やガンと宣告されたら,それで終わりと同様に,ボケたら(認知症になったら)全てが終わりとゼロイチで考えていた。今は,ゼロイチではない。尊厳を持って生きていくために,尊厳を持って死んでいくために,持っていた方がよい知識の1つが認知症に関する知識。老化に伴う現象の知識かな。