【感想・ネタバレ】20世紀最後の戯曲集のレビュー

あらすじ

はっきりした頭のうちに、この三つについてだけは書いておきたかった。長崎原爆投下、連合赤軍浅間山荘事件、そして「私」にふりかかった右眼失明の病。鶴屋南北戯曲賞、紀伊國屋演劇賞、芸術選奨文部大臣賞などの賞を総なめにした野田演劇の頂点がここに。「Right Eye」「パンドラの鐘」「カノン」を収録した記念碑的作品集。

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Posted by ブクログ

『Right Eye』
実話を元に、現実と虚構の交錯。中学生のときに読んで、映像で見て、異様に憧れた。写真家・一ノ瀬泰造の目に肉薄、実在の人物をこんなふうに、倫理的に許されるのかとも思った。(のちに宮崎駿『風立ちぬ』に触れて こういう作劇はある、と改めて)

『パンドラの鐘』
「王ならば」痛烈な天皇批判だと思う。
長崎出身の劇作家が描く『オイル』『正三角関係』と続く原爆三部作。

『カノン』
芥川龍之介の『偸盗』、ビゼーの『カルメン』を永田洋子に重ねて(なんでだ、)連合赤軍の顛末を。
『贋作・罪と罰』、それから『Q』『兎、波を走る』にも永田洋子のイメージあり(なんでなんだ、)。

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

劇詩人としての野田秀樹の言葉が、ばしばし伝わってくる一冊。
言葉の『展開』という意味では『キル』が最高だけど、
(キル→着る→斬る→生きる→切る)
この本の三作品は、言葉の『すり換え』がきれい。

Right Eyeを読む前に、
『地雷を踏んだらサヨウナラ』(一ノ瀬泰造)を読むのもいいかも。

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2009年10月20日

Posted by ブクログ

始めて観たの野田演劇が『パンドラの鐘』で、六年振りに戯曲を読んでみたのだが、その時の記憶が結構甦る。本当凄い人だなぁ、野田さん。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「カノン」は学生時代にやった思い出深いお芝居。でも「パンドラの鐘」も好き。この人役者してもスゴイし、言葉遊び的ものが多くて小説以上に読んでて面白い!

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

舞台として観たのは「パンドラの鐘」。戯曲として読んで一番印象に残ったのは「Right eye」。三作全編に通して言えるのはその言葉遊びの妙だと思う。野田秀樹の戯曲は「半神」しか演じたことはないけれど、戯曲として読むだけでも十分に楽しめる一冊。良質な戯曲は小説よりも面白いと確認させてくれた本。

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2009年10月04日

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ストーリーが進むにつれて言葉の力に引き込まれる。インパクトのあるラスト。でもまだまだ自由になれるはず。

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2010年05月08日

Posted by ブクログ

野田秀樹氏の戯曲集。
おすすめはパンドラの鐘。
戦争批判を真っ向からやるのではなく、徐々に解き明かしていって浮かび上がらせる手法は見事。正に20世紀最後の名作。

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2009年10月04日

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