あらすじ
小学生の子供とふたりでつつましく暮らしていた柏原岬が、数年ぶりに再会した兄・仁は事故で記憶を失い6歳の子供にかえってしまっていた。超エリートで冷たかった兄とのギャップに戸惑いながらも、素直で優しい子供の仁を受け入れ始める岬。しかし仁は、無邪気に岬を好きだと慕ってきて……。初期作品に書き下ろしを加え、ファン待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
話の設定は私的に苦手な分野だったので大丈夫かな、と思っていたのですが、むしろこの作品は大好きになりました。さすが木原さんということなのかな。表紙はほんわかしてる感じなのに、中身は結構ドロドロ。
でも、精神年齢6歳の仁があまりにも純粋に好きとアピールするので兄弟とかどうでもよくなってしまいました。子どもならではの素直な言動にいろんな意味でドキッとさせられます。最終的に収まるとこに収まって良かった。
あと、書き下ろしはまさかの教師×小学生。城太郎が小学生のくせに男前でいい。
「先生が俺のこと好きって言ったら、付き合ってあげてもいいよ」
ってwww二人の今後がとても気になった。
Posted by ブクログ
【あらすじ:小学生の子供とふたりでつつましく暮らしていた柏原岬が、数年ぶりに再会した兄・仁は事故で記憶を失い6歳の子供にかえってしまっていた。超エリートで冷たかった兄とのギャップに戸惑いながらも、素直で優しい子供の仁を受け入れ始める岬。しかし仁は、無邪気に岬を好きだと慕ってきて…。】
Posted by ブクログ
妻を病気で亡くしてから、二年。
柏原岬は、小学生である自分の子どもと、二人で慎ましく生活をしていた。
高卒で自動車工場に勤める岬は、収入は少ないけれど、仕事の仲間に恵まれ、何とか生活をしていた。
そんな岬の元に、突然、生き別れになっていた兄・仁の会社の人間が現れた。
彼らは、兄が記憶喪失になったと言い、岬の名前を呼んでいるので会いに来て欲しいと言うが、二年前、病気の妻に手術を受けさせるために、お金を借りに行った際に、仁に冷たくあしらわれて以来、縁を切ったつもりでいた岬は、そっけなくその話を断る。
ところが三日後、岬の家の前にその仁が置き去りにされていたのだった。
おまけに仁の様子は、明らかにおかしい。
どうやら仁は、記憶を失った上に6歳の子供に戻ってしまったのだ。
岬は、冷たい態度だった仁のことを忘れられず冷たく当たるものの、さりとてその状態の仁をほうっておけるはずもなく、一緒に生活をし始める。
見た目の大きさとは裏腹に中身はまるっきり六歳の子供である仁に、岬は戸惑うけれど、仁の何処か怯えた様子に胸を打たれ、次第に六歳の仁を受け入れ始める。
ところが今度は仁が、六歳の子供の無邪気さで、岬を好きだと言い出して……
という話でした。
えーっと、中身がどうとか言うのではなくて、個人的にはものすごく不完全燃焼で頭を抱えているんですが、これってハッピーエンドなんですかね?
結局のところ、岬は中身が六歳の仁を受け入れて体の関係まで持っちゃうんですが、当然のごとく、記憶喪失の定番として、仁の記憶が戻って、仁は一度、岬の元を去って行く。
でも結局は記憶の戻った仁ともう一度くっついてハッピーエンド、なんですが。
岬は記憶の戻った仁をよく知らない。
おまけに仁は、手術代を貸してくれと頼まれた後に、お金を祖母経由で岬に渡してきた殊勝なところはどこにもない口調で、どうにもこうにもいけすかない上に、上から目線で。
祖母の語る「優しい仁」とちっとも私の中で一致しなくて。
むしろ、最初に岬が反発を覚えていた仁像との方がよっぽどしっくりくる感じなのに。
「相手のことをよく知らないから」という理由で受け入れてしまうことにびっくり。
更に、仁にまずは体からと言われて、そこから始めちゃう岬に完全に置いてきぼりをくらって、そしてそのまま物語が終わる……という。
す、すみません……
続きが欲しいです……。
えーっと、ものすごくものすごく、記憶が戻った仁とラブラブしている岬が見たい! 見たかったです!
こんな状態で始まって、二人はラブラブできるんです? というか、岬は幸せになれるんです? と言いたい。
読み切りの話が、岬の息子に関わる話だったので、それから後も、二人は同棲を続けてそれなりに幸せにしているってことはわかるんですけど、丸いというか甘い受け答えをする仁も見たかったし、幸せになった岬も見たかった私としてはものすごく不完全燃焼でいま、泣きそうです。
話としては、とっても面白かったので、もうちょっと続きがあれば大満足だったのにすごくすごく残念です。
読み切りにいたっては、完全なるアンハッピーエンドで、たまにはこんなBLがあってももちろんいいと思うんですが、何せモヤモヤが消えてくれないので、残念、という感想しか抱けませんでした。