あらすじ
将来を嘱望されたピアニスト・晴人は突如スランプに陥ってしまい、コンクールを棄権。それからはピアノに触れないまま自堕落な生活を送っていた。しかし、彼の前に突然現れた少年・睦月に「ユキちゃん」と違う名で呼ばれ、付きまとわれ始めてからは生活が一変する。睦月は1年前に姿を消した恋人「優貴」と晴人を間違っているようだが……。
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Posted by ブクログ
スランプに陥ったピアニストの晴人と、晴人を違う名前で呼ぶ少年・睦月のお話。
睦月は、晴人のことを一年前にいなくなった恋人・優貴と勘違いしているようで……というお話。
睦月は、晴人の「優貴じゃない」という言葉に一切、耳を貸さなくて、やれる限りの無茶をする。
家の扉を叩き続けたり、自分が凍えてしまうくらいまで、晴人を待ち続けたり……。
話が大分進んだ途中で、晴人もようやく、優貴の精神状態が普通じゃないってことをはっきりと自覚するんですが……。
まぁ、大体は、考えたような展開……つまり、ベタでした。
でも、ちょっと優貴を我に返らせる方法が、ちょっと思ってたのといい意味で違ったのかなー? と思います。
ただ、話としてはとっても綺麗な話だったように思います。
表現、ちょっと変だと思うんですが、睦月が自然に病んでて……というのか、他は一切普通なのに、そこだけおかしい、というのが上手に表現されてて、それが話が重くならずにすんでる理由なのかな? と、思いました。
シリアスかつ、綺麗な話が好きな人にはオススメできる話かな……と、思います。
ただ、晴人がどうして、あんなに怖いし、迷惑なことをされた睦月に最終的に惚れてしまったのか……? ということは疑問に思わないこともなかったですが……。
自分がやられたら怖いし、ひきますよね……。
でも、最後まで読んで。
結局本当は晴人は、スランプでむしゃくしゃしてたからアレだけど。
困ってる人を放っておけないたちで、純粋な裏表のない好意を見せられたら、弱いのかなー……と、思ったら、なんとか納得できなくもないような……(苦笑)
まぁ、無理やり納得するようなもんでもないですけどね。