【感想・ネタバレ】宗教学の名著30のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2014年10月28日

[ 内容 ]
宗教の歴史は長いが、宗教学は近代になって経験科学の発達を背景としてヨーロッパで誕生した比較的歴史の短い学問である。
近代人は宗教に距離を取りながらも、人類が宗教を必要としてきたゆえんを直観的に理解し、時に知的反省を加えてきた。
宗教学の知は西欧的近代学知の限界を見定めて、芸術・文学・語...続きを読むりや民衆文化の方へと開かれようとする脱領域的な知ともいえる。
本書は古今東西の知から宗教理解、理論の諸成果を取り上げ、現代を生きる私たちにとっての「宗教」の意味を考える視点を養う決定版ブックガイドである。

[ 目次 ]
1 宗教学の先駆け
2 彼岸の知から此岸の知へ
3 近代の危機と道徳の源泉
4 宗教経験と自己の再定位
5 宗教的なものの広がり
6 生の形としての宗教
7 ニヒリズムを超えて

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2020年02月10日

日本の宗教学は島薗先生を抜きにして語ることはできないでしょう。そんな大家が味わう30冊。
大学院入学後の資料収集に役立つかな、と思い読みましたが、読んでいてなかなか難解。歴史・文学・哲学…そういったところに精通していなければ、なぜ島薗先生がこの30冊をこれほどの熱量で語っているのかがわからないような...続きを読む1冊でした。
この辺りの基礎教養を身につけた上で、いつか再トライしてみたいです。

それはそうと、心理学関係の学者も多々紹介されており、やはり心理学と宗教には強い結びつきがあるのだなあ、と心理学部生としては思うところです。

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Posted by ブクログ 2016年08月01日

本の選択眼は確か。それぞれの紹介は浅いが、名著の可能性、限界を示した点は参考になる。今後、各書を読みたくはなった。

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Posted by ブクログ 2012年02月15日

島薗先生の思想が垣間見えるラインナップながら、しかし抑えるところは非常によく抑えられていて素晴らしい。宗教学をもっと掘り進めたい人に。

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Posted by ブクログ 2018年06月11日

私にはまだ早かったかな...全体的に難しい.
ただ,文章の端々に著者の強い思いが感じられ,原著に当たりたい気持ちになる.
「コーランを読む」が気になった.でも,原著はハードルが高い.

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Posted by ブクログ 2018年01月13日

近代以前には離れがたく密接だった宗教(特にキリスト教)と形而上学の関係が次第に分離していく経緯が1〜3章に書かれており、これが面白かった。哲学者であるカントやニーチェが本書で取り上げられるのは意外であったが、その訳を知って興奮を感じた。本書には他にも社会学者や思想家、文学評論家などが取り上げられてお...続きを読むり、宗教というものの人間との関わりの広さと深さに想いを馳せることができる。

個人的にひときわ興味深いと思ったのはブーバーで、ブーバーに影響を受けたというバフチンも非常に気になる。ジェイムズとエリアーデも読めたら読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2016年10月21日

無神論者が「先進諸国」を支配したかのような情勢だが、それは仮の姿である。幕をあげれば、神仏精霊が語られない日は1日として存在しない。イスラム国しかり、年中行事しかり、冠婚葬祭しかり、映画や文学作品しかり、漫画やアニメしかり。ありとあらゆる場に宗教は躍動する。それを否定しようとしまいと、人は真に宗教を...続きを読む無に帰すことはできない。なぜなら、デュルケムに言わせれば、神は社会それ自体であるからである(ということになるようだ)。(はてこの解釈でよいものだろうか、原著にあたる必要はある。)
宗教、ないし信仰とはなにか。これは人間の持つ根源的な問いのひとつなのか。それは人間とはなにかと問うことに近い。宗教学とはすなわち、人間学であると言えるかもしれない。実際、本書に選出された30の著作の多くは、社会学・心理学・歴史学・民俗学・文化人類学・哲学等々の名著にも数えられる。これはすなわち、知性がいかに宗教と闘ってきたのかを示す。解きえぬ謎なのであり、そうであればこそ、新たな理論を育む肥沃な土壌でもあるのだろう。

さて本書を読んでの感想だが、豊作を期待できる未開の地に読者を誘う試みに感謝すると同時に、全体としてとりとめのない感を覚えずにはいられなかった。自分で学べよ横着するなとは思うが、30ではなく10くらいでとどめてもと思わずにはいられない。解説をいただいておいてなんとも申しあげづらいが、素直な意見としては以上だ。

諸著を比較して読んでいたわけではないし、原著を読まずして比較すべきではないが、やはりウェーバーの理論には抗いがたい魅力を感じた。人類の歴史は、超越者やその世界を想うこととともにある。絶対的な他者とひとつになることへの不可能な願い。しかし、近代はその願いを自ら消滅させることに目覚める。醒めた近代人は、しかし残念なことに、醒めれば醒めるほどに、宗教や信仰と人の分かちがたい緒を露呈させる。わたしたちは宗教を否定して、それでどんな未来を描こうというのか。近代の偉大なる虚無を、ウェーバーはいち早く指摘する。

・・・文化発展の最後に現われる「未人たち」》letzte Menschen《にとっては、次の言葉が真理となるのではないか。「精神のない専門人、心情のない享楽人。この無いもの(ニヒツ)は、人間性のかつて達したことのない段階にまですでに登りつめた、と自惚れるだろう」と。

また、彼の提唱したありえるはずのない世界像ー「プロテスタンティズム」が「資本主義」を生むーは、今なお鮮明な色彩を失っていない。批判はいくらでも可能だが、彼の織りなす理論は傑出して独創的である。原著に一度挫折しているため、今一度挑戦したい。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

ちくま新書の『〜の名著30』シリーズは前作の社会学がなかなかの面白さだったが、本屋で今回の『宗教学』というタイトルを見た時、門外漢の自分としては「一体どんな著作が取り上げられてるんだろう、まさか無味乾燥な専門的研究書だらけじゃなかろうな…」などという思いが一瞬よぎった。だがその不安は杞憂だった。
...続きを読む者の「来るべき宗教学を展望する」という目標のもとに選ばれたラインナップは、ウェーバーやデュルケムのような定番のみならず、フロイト、ホイジンガ、エリクソン、井筒俊彦、ヤスパース、バタイユ、さらには一見宗教論と関係なさそうなバフチンのドストエフスキー論(!)まで取り上げられる幅広さ。著者の懐の深さが感じられ、宗教学に無縁な者にとっても実に面白いブックガイドとなっている。
このラインナップの何冊かは自分の蔵書にもあった(ただし積読状態)ので、これを機会に読んでみようかな…とそんな気にさせられた1冊だった。

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