あらすじ
「全世界の人々が同時に発する悲鳴」の録音を目指すハリウッドの音響技師ミッツィ、児童ポルノサイトで行方不明の娘を探し続けるフォスター。2人の狂妄が陰謀の国アメリカに最悪の事件を起こす――『ファイト・クラブ』の著者が2020年代の世界へと捧げる爆弾
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Posted by ブクログ
あ〜とか、う〜とか、思わず唸ってしまうほどの、陰鬱な描写や展開があり、精神的負荷がかかりすぎて、読み終わるのに時間がかかった。
その癖に、最後に謎の爽快感がある。
最悪なのに、最高。そんな変な小説。大好きです。
文は短く、テンポが良くて読みやすい。声に出して読みたい日本語。
フォスターとミッツィの運命が、段々と引き寄せられ、遂に交差する感じがたまらなかった。
途中で挟まる、謎の雑誌の内容に気づいた時や、見覚えのある描写が出てきた時、先の展開が予測された時、前のページに何度も戻り、確かめた。
待てよ、ロートンって…嘘だろ、そういうこと?
ん?真珠のネックレス…うわー。
え?シェローってもしかして…
フォスター、その先は地獄だぞ…
的な。
こんな身近で全部重なるわけないだろ、と思うかもしれないが、それは全部陰謀だから。
是非ハリウッドで映画化してください。
Posted by ブクログ
完璧な悲鳴を作り出す音響技師と失踪した娘を追い求める男。2人が交錯する時に世界が大きく崩れ落ちる。恐怖や怒りの感情ですらも消費するために虚構を作り出す現代の資本主義社会の構図が、モチーフとして物語のあちこちにリバーブしている。カミソリのような鋭い描画と、骨を砕くハンマーのような動詞主体の文体が力強く物語っていた。