【感想・ネタバレ】世界最高のリーダーシップ 「個の力」を最大化し、組織を成功に向かわせる技術のレビュー

あらすじ

全米ベストセラー、満を持して日本上陸。ウーバー、ライアットゲームズ、WeWorkなどを次々再生したハーバード・ビジネススクール教授による、古今東西の叡智を結集した「最高のリーダーシップ」。リーダーシップは簡単ではない。あきらめない強い心、勇気、ビジョンをはじめ、さまざまな資質が必要だ。厳しい状況でそれらの資質を発揮するのは難しい。リーダーや、リーダーを目指す人がアドバイスを求めると、たいてい「もっとがんばれ」、「もっと深堀りしろ」という答えが返ってくる。鏡に映る自分を見て、生まれながらの強みを生かし、そして足りない部分を補えばいい、と。フランシス・フライとアン・モリスは違う世界観を提供する。2人の主張によると、こういった一般的なリーダーシップ論では、リーダーにとってもっとも大切な仕事が隠されてしまうという。その仕事とは、他者(メンバー)を育てることだ。リーダーシップの主役はあなたではない。メンバーをどれだけ効果的にエンパワーできるかがリーダーシップの本質だ――そして、その影響力を、あなたがその場にいなくなってからも永続させなければならない。フライとモリスは、古代ローマから現代のシリコンバレーまで、古今東西の刺激的な物語を提示する。そこから見えてくるのは、偉大なリーダーシップの源泉だ。逆説的に聞こえるかもしれないが、偉大なリーダーシップに、リーダー自身の地位や出世は関係ない。大切なのは、メンバーの潜在能力に徹底的にフォーカスする姿勢だ。『Unleashed』は、現代のリーダーシップの実践に役立つ画期的なアドバイスを提供する。もっとも大胆で、もっとも効果的なリーダーに共通するのは、信頼、愛、帰属という特別な組み合わせを活用し、メンバーが最高の能力を発揮できる環境を整えていることだ。フライとモリスが伝授するツールは、すでに現場で試されて効果が証明されている。ウーバー、ライアットゲームズ、WeWorkといった企業と働いた経験から生まれたツールだ。そこに当事者へのインタビューや、著者たちの個人的な経験談も加わり、アイデアがより説得力を持って読者に迫ってくる。他者の中に眠る偉大さを解き放ちたいのなら、この本が欠かせないガイドになるだろう。そして究極的に、あなた自身の中に眠る偉大さも解き放たれることになる。(原著紹介文より)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ハーバード・ビジネススクール教授Frances FreiとジーンピークスCEO Anne Morrissの「UNLEASHED」の翻訳版。本書でリーダーシップの主役はあなた(リーダー本人)ではなく、他者をエンパワーし、メンバーの才能を解き放つ能力が必要としています。そのために必要な行動が著者の経験や古今東西のリーダーたちの逸話を通じて論じられています。本書で特徴的な部分は不在のリーダーシップだと思います。リーダー本人が居なくても影響力が続くようにすることが役割の一つとしています。これは面白い視点でした。

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2024年12月13日

Posted by ブクログ

優秀なリーダーの定義とは、一体何なのかと考えてしまう。
この問いの答えは、一つだけではないはずだ。
様々な解答がある中でも、個人的に腹落ちしているのは、次のものだ。
「本当のリーダーとは、次のリーダーを育てられる人のこと」
当たり前のことであるが、このことに気付けない人が意外と多い。
昔のリーダーは、先頭に立って部下を引っ張る人。
今のリーダーは、周囲を巻き込んで、議論しながら進める人。
そんな手法の話も出てくるが、「優秀なリーダーの定義」と言われてしまうと、やはり何か物足りない。
「次のリーダーを育てられる人」は、分かりやすい。
結局は、私利私欲で動くリーダーは、部下から信頼を得られない。
あくまでも利他の精神で、会社や社会の利益を考えて動けるかどうかが大事だと思う。
そう考えると、「利他的な未来思考」が重要となり、その具体的な形式が「次のリーダーを育てる」ということに繋がってくるのではないか。
昨今は「管理職罰ゲーム」とすら言われてしまう。
どんな形にしろ、リーダーになることが損だと思われているのは間違いない。
今の管理職は見るからに大変そうだし、昔よりもとにかくルールでがんじがらめにされている。
管理職が辛くなって、メンタルダウンすることも普通にある。
動きづらい世の中になったものだが、それでは昔がよかったかと言われれば、そんなことは絶対にない。
時代が大きく変わり、管理職にはその変化のマネージメントを求められている。
働き方改革で残業が減ったのは、非常に良いことだ。
パワハラ、セクハラもご法度で、部下との個人的な呑み会もできれば避けた方が無難。
そんな中で仕事の結果は求められる。
成果を出さなくては、自分の評価が下がってしまう。
自分が若い時に現場で働いていた状況と、現在は変化の差が激し過ぎる。
ガバナンスは益々強化される方向だし、SNS対策も重要だし、AIももっと使いこなしていかなくてはいけない。
複雑化し高度化する業務に対し、果たして自分は対応しているのだろうかと考えてしまう。
頭では理解しているつもりでも、本当の意味で実践できているかどうかは、検証のしようがない状況だ。
私自身、確かに「成果を出さなくては」と力んでいたのは間違いない。
本書では、力むことすらも否定されてしまう。
「じゃあ、どうすればいいねん!」
と何かを投げつけたくもなるのだが、本書では、2017年に深刻な経営不振と不祥事に揺れていたライドシェア大手「ウーバー」の改革劇を例として示している。
著者のフランシス・フライ氏は、まさにその渦中に乗り込み、組織の劇的なV字回復を導いた人物なのだという。
巨大企業が崩壊の縁からどのように蘇ったのか。
その鍵は「信頼の三角形」というシンプルなフレームワークだという。
信頼とは、実はあやふやな感情論ではない。
明確な3要素によって構成されているとのことだ。
1. 真正性(オーセンティシティ):嘘偽りのない自分自身であること
2. 論理(ロジック):考え方や判断に筋が通っていること
3. 共感:相手の感情や立場を深く理解しようとすること

この三角形のバランスが崩れたとき、組織の信頼は崩壊する。
そして、それぞれの要素が欠如したときに現れる「サイン」の分析が、実に秀逸で面白い。

「真正性」が欠けるとき、リーダーは本当のことを言わなくなる。
「論理」が欠けるとき、リーダーの話は無駄に長くなる。
「共感」が欠けるとき、リーダーは相手の話を聞かなくなる。

思わず苦笑いしてしまうほど、リアルな指摘だ。
ビジネスの現場で「あの人の話はなぜか響かないな」と感じるとき、たいていはこの三角形のどこかが欠けている。
話が長い上司は、実は自分の論理に確信が持てず、言葉の量でごまかそうとしているのかもしれない。
あるいは、相手の話を聞かないリーダーは、「自分は多忙でそれどころではない」という利己的な姿勢を見透かされている。
ウーバーの改革において、著者が行ったのは特別な施策ではない。
この「信頼の三角形」を一つひとつ泥臭く修復し、リーダーたちがメンバーに対して真正性、論理、共感をもって接する環境を整えただけだ。
結果的に、どん底だった組織はV字回復を遂げる。
かつて不満を募らせていた社員たちも、自発的に「ウーバーTシャツ」を着て誇らしげに働くようになったということだ。
信頼を築く上で、特に現代のビジネスパーソンにとって難しいのが「真正性(オーセンティシティ)」の確保だろうと思う。
私たちは職場において、どうしても「仕事ができる完璧な自分」を演じようとしてしまう。
弱みを見せたら舐められてしまうのではないか。
失敗を認めたら評価が下がるのではないか。
そうやって仮面をかぶり、鎧をまとってしまう。
しかし、本書は真逆の真実を教えてくれる。
人間は、完璧なサイボーグのような存在を信頼するわけではない。
むしろ、不完全さや弱さを素直に開示し、失敗から学ぼうとする人間味のある姿にこそ、心を寄せ、信頼を深める。
これは、自分自身のかつての上司を振り返っても、共感できる部分だ。
リーダーが「実は自分もこの分野はよく分からない」「今回は私の判断が間違っていた」と素直に言えるかどうか。
この一言が言える組織には、強い「心理的安全性」が宿る。
失敗を隠さず、前向きなエラーとして全員で共有できるようになるというのだ。
AI時代だからこそ際立つ「人間的信頼」の価値があるという。
現代社会は、AIをはじめとするテクノロジーの進化によって、目まぐるしい変化の渦中にある。
データ分析や論理的な予測、効率的なリソース配分といった業務は、現時点でもAIの方が圧倒的に早く正確に答えを出してしまう。
そんな時代に私たち人間に残された役割とは何なのだろうか。
結局、人間同士の「信頼」と「共感」しかないと考えている。
AIは膨大なデータを処理することはできるが、自ら意思を持って誰かを信じたり、誰かの痛みに寄り添って涙したりすることはない。
「この人と一緒に仕事がしたい」
「このリーダーのためなら、もうひと踏ん張りしてみよう」
そう思わせる感情の揺らぎや納得感は、生身の人間同士の関わりからしか生まれないだろうと思う。
一言で表現すれば「人間力」ということになるが、これはこれで非常に難しい。
「信頼の三角形」のうち、「論理(ロジック)」の補強はAIが得意とするかもしれない。
しかし、「真正性(オーセンティシティ)」と「共感」を注ぎ込むことができるのは、心と身体を持った人間だ。
テクノロジーが進化すればするほど、リーダーシップという営みは、より人間臭く、より温かみのあるものへと原点回帰していくのではないだろうかと思ってしまう。
AIを利用しつつ、どうやって人間力を磨き続けるのか。
難しい問いであるが、古代ギリシア時代に哲学が流行ったように、歴史を繰り返していくのだろうと思う。
これもまた原点回帰。
やはり基本に戻って、コツコツと正直にやるしかないのだ。
(2026/1/9金)

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2026年08月02日

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