あらすじ
そこで待ち伏せしている怨霊の恐怖!
拝み屋の著者に託された曰くつき実話怪談集!
東北の拝み屋・郷内心瞳のもとに寄ってくる怪異の数々をしたためた人気シリーズ第8弾。
・友人宅近くの丁字路にポツンとある墓石、その謎がわかったのは…「裏付け」
・親戚から譲り受けた勉強机、しかしその夜に奇妙なことが…「由来不明」
・空き家の探検でその家の縁の下に入り込んだら、そこには四つん這いの女がいて…「ムラサキおばさん」
・ある日起こった集団自殺以降、15年の間にさらに多くの人間が不審な死を遂げ、忌むべき場所とされたその墓地。やがて更地となり暗い噂は忘れられていたのだが…「人喰い墓場」
――など収録。
ここに綴られる墓場には死者は静かに冥ってはいないのだ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
もうシリーズ八作目になりますか郷内さんの「拝み屋備忘録」。八作目にして、シリーズでも屈指の恐怖に震えました。
表題の「人喰い墓場」がそれです。他の怪談も感じるものはあるものの、この恐怖に勝る話はありませんでした。
語られた限りでは、現在進行形であることがより怖い。単発の怪異でないのが、触れてはいけないものを知ってしまったという怖さを揺り起こします。
禁忌に触れる、ということでいうと「巨人の話」もか。
何に誘われて起きた怪異なのか、最初の集団自殺なのか。それとも、それ以前から土地に存在していた何かなのか。墓場であったということが生み出してしまった、引き寄せてしまった何かなのか。
郷内さんが関わることをしない、といっているので禁忌の場として、今も存在し続けているのでしょう。
帯にも書かれている言葉が怖いのよ。意味はわからないけど、聞き取れてしまう。意味はわからないのに、よくないものだと理解してしまう。怪談として聞いているからもあるだろうけど、震えがおさまらない。
かなりの衝撃と恐怖でした。他の怪談が霞んでしまうほどの。
Posted by ブクログ
題名にもなっている人喰い墓場が怖かった。仕掛けたのは誰なのか、目的は何なのか。
そして、謎メット工房は人怖の話で、こちらも怖い。彷徨っていた女性とは果たして関係があるのかないのか。無事に郷内さんが帰ってこられて何より。
Posted by ブクログ
前巻での宣言通り、著者本人の近況は出てこず、淡々と怖い話が語られる。後書に近況が少し。それから他の既刊本につながるエピソードもあって、郷内さんの著作をずっと読んでいる人にとっては「おお!」となりそう。テーマの通り墓場に関するものが多い。あと涙ホロリの話も。
Posted by ブクログ
今回は中々、、怖かった。
テーマは『墓場』、うん、墓場は先祖などを敬うとこ、
それ以外で行ったら…そら〜碌なこと起きんよ。
マジで……(T . T)
さて、表題作の『人喰い墓場』
しちけらとふす、、、はぁはぁはぁ!
怪異の数々と尋常ではない犠牲者の数
全く得体の知れない怪異でかなり恐ろしく
楽しめた作品でした。
その他にも、『謎の住人』、『拾ったばっかりに』、『墓穴を掘られる』、『訴え』、『暗い地べたの紫おばさん』、『望みなき志願者』、『謎メット工房』、『アイデアマン』、などがおすすめです!!
さて今回の、郷内先生、、、拗ねてます?笑笑
郷内先生!大丈夫です!自信を持ってください!
あなたの作品はとても怖く、
楽しめる作品ばかりである!!
今後の活躍を期待してますよー!!
Posted by ブクログ
『墓穴を掘られる』
SNSで誹謗中傷を繰り返す男性の元に呪いの藁人形が送られてきた。
自業自得と思いつつも、郷内さんは解呪の儀式をしたのだが、
「実を言うと解呪に要した時間は、いつもの倍近くかかった。」(本文より)
とある。
どの程度のレベルまで呪いが解けてる、と肌感覚でわかるものなのだろうか。
『アイデアマン』
自殺まで追い詰められた男性が母親に慰められ、前向きに生きる事を決意する話。
泣ける。
『人喰い墓場』
表題作だけあって、いちばんおもしろかった。
これは墓場が舞台なのだが、場所の怪異という点と奇妙な雰囲気が三津田信三の『幽霊屋敷シリーズ』を彷彿とさせた。