あらすじ
speechを「演説」と訳したのは福沢だった。
そして福沢自身、抜きん出た名演説家だった。
日本の近代化・文明化のためには、独立した個人が自らの思想を大いに論じ合わなければならない。
明治という時代が大きく動き出す中で、日本のよりよき未来を、熱く巧みな弁論で語り尽くした、その記録。
著作で見せるのとはひと味違う、福沢のライブ感溢れる言葉が、時代を超えて日本人の心を撃つ!
今日における福沢の思想史的再検討をリードする編者が、残されている速記録や原稿から「名演説」を厳選し、わかりやすい解説を付して編集した、画期的演説集。
【本書より】
日本世界をもっとわいわいとアジテーションをさせて、そうして進歩するように致したいと思う。それが私の道楽、死ぬまでの道楽。何卒皆さんも御同意下さるように。
【主な内容】
第一章 「演説」と「交際」の創始
演説はなぜ必要か/政府の専制から人民の政府 など
第二章 実業界へ出でよ
智識交換・世務諮詢に不景気なし/道徳は説くのではなく示せ など
第三章 立憲国家の国民へ向けて
経済学芸への注意を怠るな/学問に凝る勿れ など
第四章 個人の独立、国家の独立
銭は「人生独立の母」なり/政論の下戸となるな/学者は飼い殺せ など
第五章 次世代へのメッセージ
老却せる老生からの勧告/排外主義と自尊自大の戒め など
編者解説
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
率直に言うと、『慶應義塾すげー』です。志の強さが芯に入ってる演説集。難しい言葉も若干入ってますが、章末に編者による要約が入っていて読み解けるようになってます。日本語なのに英語を紐解いてるかんじ。
ほぼ三田演説館(当時使われてた慶應の三田にある施設で、今は原則中に入れません)で話された内容が入ってます。私が慶應の通信に通ってた時、たまたま授業で三田演説館の中を見る機会がありました。演者と聴講席が近くステンドグラスを通って入ってくる光が美しい場所。この演説集に載っているような熱意あるスピーチが行われた場面を想像できたのがうれしかったです。
章のはじめは明治時代の初期で、歴史上じゃないリアルな江戸の政治やこりゃ古い制度だよみたいなのが出てくるのがすごく新鮮でした。
まだ半分しか読めてないので続けて読みます。