【感想・ネタバレ】パーパスモデル 人を巻き込む共創のつくりかたのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

共創について、概念で終わらせるのではなく、手触り感のあるものにしたいとして、可視化できるパーパスモデルを記した本。納得感ある整理。よき。
大事な要素と構造が踏まえられている印象
一番大事な皆の共通目的、ステークホルダー別の目的、役割
構成が簡潔明快でわかりやすく、その観点でも素晴らしい。

メモ
パーパスモデル パーパスを中心とした共創プロジェクトの設計図
・パーパス より良い社会を実現するための行動原理
・図の中心に共通目的、周囲にその共通目的の下に集うステークホルダーを書く
 上段に共創に関与するステークホルダー、
 下段に主体的な共創パートナーを配置
 それぞれのステークホルダーの役割と目的を書く
・どんな人がどんな想いでどう関わっているかを捉えることができるもの
・産業や組織レベルだと複雑なためプロジェクトレベルにふさわしい
・主体的な共創パートナーの条件
 共通目的に賛同しているか
 リソースを提供しているか
 主体性があるか

・ステークホルダーは企業、行政、市民、大学等と四色に塗り分ける

・パーパスモデルをつくるステップ
 パーパスモデルを作る目的を決める(単体整理、時系列変化可視化、比較分析)
 ステークホルダーとその役割を洗い出す(影響受ける人、直接関与者、間接関与者)
 共通目的を言葉にする
 各ステークホルダーの目的を言葉に
 主体的な共創パートナーか、共創に関与するステークホルダーかを見極める
 完成したパーパスモデルを周囲に見せて対話し、アップデート

☆共通目的を見出すために
 社会課題、個人動機、組織できることの重なりを考える。
・色んな人に見せ、対話をすることに意味がある。

・パーパスモデルの活用シーン
 新しいプロジェクトの内容検討、アイデア説明発信
 既存プロジェクト現状経緯整理、今後戦略策定
 ステークホルダーとの対話、新しいステークホルダーの発見と巻き込み
 見逃しているステークホルダーの確認、リスクへの対応
 先行事例の研究分析

・共創の8タイプ
 事業をつくる
 基準をつくる
 共通認識をつくる
 関係をつくる
 場をつくる
 共同体をつくる
 人を育てる
 公共を開く

・共通目的をどう考えるか
 1独りよがりになってないか。階層性を考え、必要に応じて一段上の目的を設定する
 2共通目的の前に共通課題を深掘りできてるか。課題デザインマップ活用など
 3具体的な言葉にできているか。共通目的構造をつかむ。

※課題デザインマップ
 辛いこと、大変なこと、解決したいこと、違和感を洗い出す
 なぜ起こるのか課題を掘り下げる
 出てきた課題同士をつなげる
 課題のゾーニングをする
 負のループを見つけて可視化する
 負のループ同士をつなげて完成

・誰をどう巻き込むか
  1誰が共創パートナーかしっかり意識できているか→共創パートナーの定義
  2異なる属性のステークホルダーと一緒に取り組んでいるか→協業と共創の違い 協業は同属性での新事業。共創は多様な属性での新価値づくり
  3本来関わるべき人を除外していないか→影響を受けるのに無視している、見過ごしていることはないか。
 お金にならない、時間手間がかかる、営業が間接、知識不足など。
  4全員に同じだけの想いと関わりを求めていないか→思いと関わり方のマッチングが主体性を高める
 関わり方のグラデーションをつくる
  観察、リアクション、サポート、実行、推進

  5巻き込む相手にインセンティブをつくれているか→☆無形報酬 1関係報酬 普段では得られないつながり、信頼関係の獲得 2名誉報酬 自身やブランディングにつながるもの 3情報報酬 学びや情報の深掘り、得られなかった知見やデータ 4権利報酬 ルールや慣習で通常できないことを自分や組織でできる権利の獲得

・活動をどう広げていくか
  1いきなり大きいことをやろうとしていないか
→船頭がおらず停滞、目的不明確で方向定まらない、短期的な事業化求められる潰れるパターンが存在
  時系列で考えることが重要。過程を含めてプロジェクトを可視化してコミュニケーションすることが重要
  2大きな文脈につなげて考えられているか
→企業の長期的な戦略に紐付けられているか、将来打たれうる政策に合致しているか、次世代の価値観の変化に対応しているか
→ここの文脈を束ねストーリーをつくっていくこと

  3短期的に利益が出る事業だけしようとしていないか
→事業と共創プロジェクトを組み合わせることで新しい強みに繋がったり、新たな市場につながったりしていく

  4活動を継続するための最低限のお金と仕組みはあるか
→持続性には先立つものが必要。
 プロジェクトが誰からどう支えられたかを可視化

・共創が起きやすい社会環境とは
 1共通する社会課題がある
 2ステークホルダーをつなぐ場や組織があり、つなぎ手がいる
  3つの場の機能が必要と言われる
   フューチャーセンター
   イノベーションセンター
   リビングラボ
 3国、自治体、企業に明確なビジョンや構想がある
 4リスクを負担するしくみがある
 5社会関係資本がある

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2022年11月12日

Posted by ブクログ

共創の作り方、注意するポイントや可視化などとてもわかりやすい一冊。自分の仕事でもこれを参考に見える化して巻き込みを考えていこうと思った一冊。

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2022年10月30日

Posted by ブクログ

紙の書籍にて。

何かを探しているとき、その答えが書かれている本に出会うことがたまにある。

sdgsとビジネスモデルをテーマに読書していて、何かしっくり来ない…関係者が多すぎてわかりにくい…と感じていた悩みが、一目見た瞬間「え、これすごい。」と解決した。

パーパスモデルという筆者が考案したモデルは、
・誰が
・どんな役割で
・どんな目的で
・共通目的を達成していくか
が文字通り一目でわかるようになっている。

モデルを見て驚き、
考案者の著者がまだ20代の女性と知ってまた驚き。

最近よくある「パーパス!パーパス!」と声高に叫んでいるけれど具体的にどう創るのかは伝わってこないビジネス書とはちがう。
パーパスモデルというはっきりとしたツールがあり、どう使えばよいかも丁寧に説明されている。

“共創を求める声は高まっているものの、実行する手段が少ない。そのため試行錯誤の土台になる「共創プロジェクトの設計図」としてパーパスモデルを開発した”
とのこと。

自分の頭を整理するため、メンバーと意見交換するため、ステークホルダーに説明するため、など使う目的は様々あると思うが、共創プロジェクトを考える人にはとても役立つ本だと思う。

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2022年09月21日

Posted by ブクログ

事例があり、分かりやすい。
モデルの説明→事例→その背景にある哲学
この構成も良い。
事例で興味を持った段階で哲学を知れるので頭に入りやすかった。
共創するイメージが湧く。
一点タイトルは違うもののほうが良いのではないかと感じた。

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2022年08月22日

Posted by ブクログ

自分の活動を進めるにあたって少し勇気をもらいました。もがきながら共創を進めようとしている実践者の励みになる本だと思いました。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

組織横断、会社横断でプロジェクトを遂行する際に必要な考え方。オープンイノベーションやアライアンス戦略、DAO(分散型自立組織)、クラウドソーシング、産学官連携や地域貢献とも相性の良い切り口かも知れない。閉じた仕事をこじ開ける必要があるが、そのためにも重要なフレームワークだ。

言うは易しとは思うが、感銘を受けたのは見えない価値、報酬の期待。見えないままだと説得できないから可視化しなければならないが、個人の納得感だけなら言語化しなくても良い。個人単位で考えた場合、ボランティアに参加したり、一見無価値に見える仕事の動機は、まさに見えない報酬だろう。

本著では、プロジェクトに関わるインセンティブについて、4つの無形報酬に分類する。関係報酬、名誉報酬、情報報酬、権利報酬。関係報酬とはプロジェクトに関わることで普段の生活や業務の中では得られないつながりを得ることができる。名誉報酬とはプロジェクトに関わることでその人や組織地域にとってのブランディングになる。情報報酬とはプロジェクトに関わることで何らかの学びを得ることができる。権利報酬とは通常はルールや慣習により実現できないことを行う権利を得られる。無報酬でも、自らのリスキリングになるから、この仕事を受けると言っていた人がいる。確かに、プロジェクトに参加する意義には、こうした無形報酬が期待できる。意識したい。

立場を超えた人や組織がより良い社会を目指して共に新たな価値を創造する。パーパスモデルとは、パーパスを中心とした共創プロジェクトの設計図である。自組織の利益だけを追求する時代は既に終わりを迎えているのかも知れない。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何と言っても表、グラフがわかりやすい!
実例がたくさんあって、それぞれの課題と過去の経緯が簡記されていて、理解が深まった。

少しずつステイクホルダーが増えていく様子や、巻き込み方、熱量に差があっても良い点など、参考になった。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

共創型で進める、という言葉を普段のビジネスでも使う事が増えてきたが、実際にうまくいく事は少ない。ソリューションビジネスの営業現場ではどうしても自社の利益の事がチラついてしまう。
この本では、実際の事例を使ってプロセスを解き明かしてくれていてわかりやすい。いきなり大きな事をやろうとせず、但し大きな文脈に繋げて考える重要性は腹落ちした。ビジネス戦略の3Cの三つ目のCを競合ではなく支援(cooperation )とする共創の3Cという考え方が響いた。

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2022年10月09日

Posted by ブクログ

BONUS TRACKや東京都の新型コロナウィルス感染症対策サイトの事例が特に面白かった。3章以降は多くの人に参考になると思う。

パーパスというと企業が定義するものという印象があったが、そうではなく企業を超えて民間や個人などを超えてあるものというのが事例とともに紹介されていてとてもわかりやすかった。まさに人を巻き込むという副題がはまっている。

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2022年09月23日

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