あらすじ
急成長が終わり、苦悩する大国の現実を描く骨太のルポ。
党大会の最終盤で起きた「胡錦濤の退場劇」とは何だったのか――。異例の3期目に入り、「極権」を握った習近平政権。習一派で固めた党首脳人事では圧勝したかに見えるが、その裏で、大きな敗北も喫していた。
盤石なはずの政権基盤にも危うい亀裂が見られる。ゼロコロナ政策に高まる不満、行き詰まる経済、深刻な米中対立、緊迫する台湾情勢、ロシアとの憂鬱な関係、そして日本への挑発……。
改革・開放で急成長をとげ、全盛期を謳歌していた大国は、これからどこへ向かうのか。日経記者が衝撃の事実を数々明かしつつ活写する骨太のノンフィクション。
最新の情報も満載して、読み応えたっぷりに描く、いまこそ必読の一冊。
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Posted by ブクログ
習近平が如何にして中国のトップに上り詰めたか、そしてその中国はどこに向かうのかを記した書。何より凄いのは、権力を握るまで誰も彼の野望を見抜けなかった点。
遠藤誉氏の著作では、習近平の父の習仲勲こそが改革開放を始めたが、その功績を全て鄧小平に盗まれたため、習近平は鄧小平の事績を消し去り、毛沢東に並ぶ地位に自らを押し上げようとしている由。
習近平の野望は日本の未来にも影響する。しかし、習近平が鄧小平の韜光養晦路線を捨ててくれてよかった。習近平が焦り、中国の凶暴性といった本性を早目に出してくれたお陰で、世界は対応することができている。これが、元々の中国の計画である、建国100周年の2049年の時点だと、本当に中国は経済、軍事ともに世界一となり、地球の覇者になっていた可能性がある。我々は、この時代に習近平が中国のトップになってくれたことを感謝しなければならないかもしれない。