あらすじ
この国にはもう、抵抗する力がない。
人種差別、AI裁判、民間刑務所、洗脳教育――
俺たちは、求められるようにしか生きられないのか。
2050年。日本の国力は低下し、海外資本が大量に流入。人口も減少し、かつて栄えた都市も今や廃墟と化していた。刑事である谷悠斗は池袋で発生した外国人拉致事件を追ううち、中国資本「未来集団」が経営するカジノに潜入することになる。これが地獄の始まりだった。
不当逮捕された悠斗は民間刑務所に収監される。洗脳とも言える教育の果てに「未来集団」の一員として、日本国土の買収を繰り返すことになる――。
悠斗に、この国に希望はあるのか? 荒廃が待つ未来の中に微かな光を示す傑作長編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
フィクションですから、現実との違和感にいちいち触れるのは野暮というものです。大切なのは、この作品が何を伝えようとしているかを読み取ること。
「この国にはもう、抵抗する力がない」「俺たちは、求められるようにしか生きられないのか」——こうした問いかけこそが、作品の核心なのでしょう。
面白い設定と問題意識を持った作品です。警鐘を鳴らす風刺作品として読むのが正解なのかも。
読む人の期待値によって評価が分かれそうな一冊です。