あらすじ
■相手のことを「否定しない」という習慣術
「よく人間関係でトラブルになる」
「部下が成長してくれない」
「すぐに子どもを怒ったり責めたりしてしまう」
といったことはありませんか。
部下や上司、同僚や友人、親・子ども…
など人間関係が良好な人ほど幸せ度が高いと言われています。
■実際、対人関係が良好でない状態だと、どれだけ好きな職種についていても、
どれだけお金を持っていたとしても
「幸福感」を感じられないというデータもあります。
そして、そんな対人関係を良くする方法として、
「褒める」「肯定する」といったことが取り上げられます。
部下や子どもを成長させたいと思う人であれば、
ここに「叱る」という選択肢もあるかもしれません。
しかし、「褒める」「肯定する」「叱る」といった方法以上に、
効果的かつ、簡単に人間関係を良くする方法があります。
それが「相手のことを否定しない」ということです。
誰かを意識的に「褒める」といったことをする必要はありません。
■あなたがもし、人間関係を良くしたい、
信頼関係をつくるコミュニケーション力を身に着けたい
と思っているのであれば、
「否定しない習慣」を手に入れましょう。
本書では、プロのコーチが使っている「否定しないコミュニケーション技術」と
そのコミュニケーションの習慣化についてまとめた一冊です。
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Posted by ブクログ
『否定しない習慣』
人間関係において最も大切なのは、「相手を否定しない」という姿勢である。ここでいう“否定しない”とは、無理に褒めたり、同意したりすることではなく、「ただ受け止める」という在り方である。否定には多くの場合、悪意はなく、「良かれと思って」が前提にある。しかしその考えが、否定を正当化してしまう。
否定しないマインドをつくるには3つの基本がある。
1.「事実だから否定してもいい」という思考をやめる
2.「自分が正しい」という思考を手放す
3.「過剰な期待」をしないようにする
否定はしばしば「上から目線」から生まれる。「〇〇すべき」「〇〇できて当然」といった“べき論”が浮かんだら、それを手放し、自分の行動に意識を向け直す。相手を否定したくなるのは、自分の方が知識や経験で優れていると感じたときに起こる。
大切なのは、相手が「その人なりに精一杯やっている」ことを認めること。そして、「できないことには理由がある」と考えることで、未来を変える建設的な視点が持てるようになる。
視野を広げることは、否定的な思考を減らす鍵になる。また、自分の認識が「事実」なのか「思い込み」なのかを常に点検し、事実は事実として受け止め、感情を込めないときは無理に肯定やお世辞を言おうとしない。
否定しないためのテクニックとして、「ナイスなことが言えないなら黙る」という姿勢も有効だ。また、相手の話が終わったあと、2カウント置いてから返すことで、不要なアドバイス(=否定)を防げる。その際は、相手の言葉をナレーションのように繰り返すとよい。
同意ではなく「承認」を意識することが重要だ。「そうなんですね」「そうなんだね」といった言葉で、相手の思いや考えを受け止める。これは「なるほど」や「ありがとう」といった、受け取り方によっては上から目線になりかねない言葉の代わりになる。
否定しないとは「言いなりになること」ではない。たとえ同意できないときでも、別の選択肢を提案すればよい。相手の意見を「一度冷蔵庫に入れる」ことで、尊重の姿勢を保てる。意見を出すときは「提案があるんだけど、聞いてもいい?」と許可を取る姿勢が、信頼を築く。
また、「〜かもしれない」と考える柔軟な思考も否定を遠ざける。言葉だけでなく、態度でも否定しない意識を持つこと。とくに笑顔の力は絶大で、機嫌の管理は自己責任であり、自分と周囲の空気をよくする習慣でもある。
もし否定的な言葉を使ってしまったときは、リカバリーの姿勢を忘れない。「否定に聞こえたらごめんね。もう一度言い直していい?」と伝えれば、関係は修復できる。
否定に聞こえにくい伝え方としては、
1.面白おかしくする
2.逃げ道を残す
3.期待を含ませる
という三つの工夫がある。
このような姿勢は、いつの間にか周囲に「控えめな応援団」をつくり出す。そして、相手のやる気を引き出す魔法の言葉が「さすが」である。これは会話の潤滑油にもなる。
会話の本質は、「自分はいるだけでいい」ということ。多くの場合、人はアドバイスや正論よりも、「ただ静かに聞いてくれる誰か」を求めている。それを忘れずにいよう。
「知っている」と「できる」は違う。どれだけ理解していても、実際に否定せずにふるまうことは難しい。だからこそ、習慣化が大切。
実践のヒントとして、以下の「合いの手フレーズ5選」が役立つ。
1.そうなんですね
2.もう少し詳しく
3.他には?
4.というと?
5.だとしたら?
また、相手の目はずっと見続けなくてもよい。話し始め、文の句読点、話し終わりに軽く目を合わせるだけで十分。
共感を伝えるときも「わかる」ではなく「わかるような気がする」「なんとなくわかる」といった、100%の断言を避けた言い回しのほうが、相手の心に寄り添える。
最後に、自分の感情が高ぶったときは、その感情を客観的に伝えるようにする。そして、強い意見を伝える前にはモードを切り替え、「これから少し強いことを言うね」と覚悟を促すワンクッションを置くことが大切である。
Posted by ブクログ
否定の定義や否定しないマインドの作り方など新しい発見が多かったです。書いてある通り実践しないと身に付かないので少しずつ意識して行動しようと思いました
Posted by ブクログ
せっかちでついつい人の話のリアクションを急いでしてしまうのだけれど、2秒待ってから返答をするべきという新しい学びがあった。
相手から許可をもらって自分の話をする。
これを心がけていこう。