あらすじ
集団就職で上京した郷子は、劣悪な環境に耐え切れず、職場の工場から逃亡した。そんな時、浅草にある「洋食バー高野」のおかみ・とし子に助けられ、そのまま店で働けることになった。周りの人たちの温かさに触れ、徐々に自分の居場所を見つけられるようになってきた郷子。そんな折、お客さんから心ない言葉を浴びせられ、心臓が早鐘を打ち出す。急に息苦しくなり、身体に異変を感じるが──。温もり溢れる料理と人々を描いた優しく沁みる物語。
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Posted by ブクログ
舞台は浅草の洋食バー高野、
集団就職で群馬から出てきた郷子は
就職先の工場から逃げ出して、浅草の洋食バー高野の女将に拾われる。
戦後の昭和のハイカラな洋食や浅草名物あんみつなど
昔懐かしさおりまぜながら
高野バーで働く人々やお客さまとしてお店に訪れる人々との関わりの中で郷子は自分を見つめ、自身の生き方を、模索ながら成長していくお話。
以下、読後感想
単なる昭和浅草の洋食紹介の気楽な話かと思いきや
かなり深いです。
団塊の世代が子供の頃の生活の苦しさ、戦後から立ち直っていく、人々の力強さや明るさなど、その時代の背景や考え方を垣間見る。
皆が、とは言わないが、その時代の多くの親達が当たり前と信じてきた価値観、例えば、男子尊重、力でのねじ伏せ、世間体ばかり気にする、など、その時代背景により生まれた価値観を郷子は押し付けられて育って来た。
そして高野バーで働く中で
親とは違うタイプの大人達に出会い、自分が知っていた価値観が、必ずしも正しいすべてでは、無かったのだと気づき始める。
全く予想外のはなしの行き先でしたが
ある種の毒親に悩んでいる人には刺さる言葉が散りばめられているのではないかと思う。
毒親とは距離を置くという苦渋の決断をしたとしても、
親も仕方なかったのだな、という理解を深めると共に、今の自分のあり方も間違っていないと背中を押してもらえる作品だと思いました。