【感想・ネタバレ】名前も呼べないのレビュー

あらすじ

元職場の女子会で恵那は恋人に娘ができたことを知らされる。かつての父との出来事や、異性装の親友メリッサに救われた大学の飲み会、保育園で誤解を受けた保護者との関係、自身の女性性をもてあまし、生きづらさを抱える恵那の支えとなっていた恋人の裏切りを知り、自暴自棄となった恵那が伸ばす手の先にあるものは―。第31回太宰治賞受賞作がついに文庫化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『名前も呼べない』と『お気に召すまま』の2篇。
バシッと読者に突きつけられる、印象的な文章がいくつもありメモをとっておきたくなる。迷ったときに思い出せたら、きっと力になってくれそうな言葉たち。
どちらの主人公も自分の気持ちがよくわかっていなくて、人生において何を優先して何を大切にすべきかも見失っている状態だった。ただこれは第三者として見ているから冷静に考えられるだけで、もし当事者だったら彼女たちと同じように困難な状況に陥ると思うし、誰しも自分のことになると偏った物の見方をしてしまうものだと思う。
そんな主人公が、片や親友に、片や教え子に気付かされる形で、自分を取り戻していくラストに前向きさを感じた。
人って怒るべきときに怒って悲しむべきときに悲しまないと、それをずっと引きずることになり次に行けないのだと思った。

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2024年12月18日

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