【感想・ネタバレ】クライマーズ・ハイのレビュー

あらすじ

1985年、御巣鷹山で日航機が墜落。その日、北関東新聞の古参記者・悠木は同僚の元クライマー・安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑むはずだった。未曾有の事故。全権デスクを命じられ、約束を違えた悠木だが、ひとり出発したはずの安西はなぜか山と無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残して――。若き日、新聞記者として現場を取材した著者みずからの実体験を昇華しきった、感動あふれる壮大な長編小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

1985年 日航の航空機が群馬県の山に墜落。500人を超える死者と、その事件に初めて監督して関わる主人公

群馬県の地元新聞社で、航空機墜落事件の全権監督となり御前代未聞の事件の中心で、悠木が主人公として奮闘する話。

昭和真っ只中の仕事に全てをかける仕事人間の心境や、仕事へのプライドを垣間見ることができた気がした。
また会社内の暗い社内政治や、親友が突然植物人間となってしまったり、家庭では子供と上手く関係を築くことのできない葛藤など、
平成12年生まれの社会人としてすごく考えさせられる話だった。ここまで全てを注げられるシゴトがあることに羨ましさもある。


0
2026年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下りるために登るんさ ーー。

群馬県・御巣鷹山で起きた日航ジャンボ機の墜落事故に、地元新聞・北関の全権デスクとして奮闘した悠木と、
十七年後、険峻な岩場・衝立岩に挑む悠木。
それぞれの時間軸の悠木の闘いを通して、このフレーズの意味を考えさせられる。

「長野であってくれ」と思ってしまうような、「もらい事故」。
日航の全権デスクとして、記者たちに現場を踏ませて記事を書かせてそれを載せる。繰り返される7日間の中で、悠木が求め貫いた矜持に触れたような気持ちになった。
第一報としての現場雑観、スクープ。載せるために、過去の大久保連赤をしがむ上席らと闘う悠木の言葉が心に残った。
「俺は『新聞』を作りたいんだ。『新聞紙』を作るのはもう真っ平だ。」p419

交差するように描かれる、衝立岩に挑む悠木に十七年前の悠木が重なる。それでも登り続ける姿に、読むわたしも背中を押された。

悠木の意思は、佐山や望月をはじめとする後輩たちに引き継がれ、彼らが登るための糧となっていくのだろうと感じた。
そしてそれは読者にも同じなのかもしれない。

悠木は下りずにひたすら登り続ける、懸命に走り続ける人生も捨てたものではないと選んだが、
下りるを選ぶも選ばないも登った人のみが得られる選択肢なのだと強く感じた。

何度読んでも読み応えのある、お気に入りの一冊。

0
2026年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かった!
日航機墜落事故を追う記者たちの衝突や心の葛藤、それぞれのエゴのぶつかり合いが描かれていて、生々しい感情が出てくる度にドキッとした。
でもその生々しさがこの小説の醍醐味だったな、と思った。悠木の心の揺れがとても人間臭くて、でも共感できる部分が多かった。
そして佐山の心の動きも良かったな、と思う。最終的に自身の子供に悠木の名前を文字って名付けているのも涙腺が緩んだ。
読み返すとするならば、悠木が退職するのを周りの人達が止めるシーン、あの場面に至るまでの人間関係も相まって、とても胸が熱くなった。
カクさんがずっと好きだった。読めてよかった。

0
2026年01月03日

ネタバレ 購入済み

完全なる『傑作』!

今から15年程前に成りますか、NHKのスペシャルドラマと、劇場版映画でほぼ同時期にリリースされたんですよね。

そんな情報を聞き、テーマが「日航機墜落事故」でしたので、当時まだ中学生で夏休み中の事故で深夜まで報道番組に齧り付いて見ていたり、色々と想い出の多い悲しい事故でしたから、直ぐに原作を手に取りました。
「こんなドキュメンタリーみたいな生々しい、火傷しそうに熱い物語が有ったのか」と読後、ブルッと震えた記憶が未だに残っています。

ただ単にあの悲惨な事故を描くのではなく、あの事故でスクープをスッパ抜いてやろうと云う地元新聞社が舞台の、男たちが熱くぶつかるひと夏のお話と、主人公の親友の死と云う対極的な事故を上手~く絡み合わせた、著者の作品の中では一番好きな小説です。それ以上は、本書を読んで体感してください。

ところで最初に触れた映像化の話ですが、確かTVドラマ版の方がOAが先だったのですが、そのドラマの出来が恐ろしく良くて、劇場版を観に行った時に「ドラマの方が良かったなぁ」と思わず呟いたのも、懐かしい記憶です。

本書を読み終えたら、その映像2作品を観てみることもお奨めします。原作の何処を端折ったのか、何処に力を入れたのか、作り手の考え方が分かって面白いですよ。まだまだ若手だった滝藤賢一さんが良い芝居をしています。

#泣ける #感動する #ドキドキハラハラ

0
2022年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

約30年かかって、今日やっと読み終わった。生存者の少女と同い年なのもあり、事故当日が我が家にとって節目の日だったのもあり。一報を聞いた時間から翌日ぐらいまでのことは、今でもかなりよく覚えている。

発刊翌年に読み初めて辛くなって、その後、育児や自分の人生にかまけて読まず。また数年ぶりに読み始めては挫折の繰り返し。あの事故現場の新聞写真や親が買って来たグラフ誌のページが蘇って来て辛くなって。でも昨年暮れから、今回こそ読み通そうと決めて果たしました。

最後、今読んでよかったと思った。主人公の年齢に近づき息子もいる現在が、読み通すのに最も適した時期だったと感慨深かった。人生経験を積んで来た今なら、登場人物のどの心情も、共感出来る気がする(経験していないことまで、全ては理解出来ないけど)。あの事故の生存者の方々、ご遺族の方々、関わった全ての方々の幸せを願わずにはいられません。

0
2026年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 日航ジャンボ機墜落事故から40年の報道を見て、今が読むタイミングかと思って読んだ。
 横山秀夫の著作を読むのは2冊目。前作もそうだったけど本作も組織のなかの人間関係を描くのが上手い。元新聞記者が描いているのも説得力がある。
 実話がもとになっているから、読んでいて苦しくなるところもあったけど、報道のあり方、命の重さについて考えさせられる一冊。

0
2025年09月06日

「小説」ランキング