【感想・ネタバレ】元刑務官が明かす死刑のすべてのレビュー

あらすじ

死刑囚といちばん長い時間を過ごすのは刑務官。起案書に何十もの印鑑が押され、最後に法務大臣が執行命令をくだすまで、死刑囚はどんな特別処遇を受けるのか? 遺族が呆れる極悪人の素顔とは? なぜ死刑執行は処刑の後に告知されるのか。死刑執行を担当する者の苦悩……劇画「死刑執行」(緒方りる・画)やドキュメントノベル「死刑囚監房物語」など、多彩な切り口で死刑について紹介。刑務所の腐敗が報道される昨今、現場にいなければ判らない、死刑のすべて!

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Posted by ブクログ

元刑務官である筆者による、現場目線でつづられた死刑の記録。節々に「現場の苦悩を知らない弁護士と学者」という表現が垣間見え、いかに現場の刑務官たちが自称人権派の諸氏による心無い中傷に苛まれているかをうかがい知ることができる。

「死刑廃止」「死刑賛成」を論じた書は世にあまたあれど、現場目線で死刑について切り込んだ書はこれをおいてほかにないだろう。
死刑を考えるうえでまず読んでおいて損はない一冊。

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2015年11月08日

Posted by ブクログ

今まで刑務官の方の視点で死刑について考えていなかった。
ただそれだけでなく、視点に偏りが少なく、大変読みやすく、また考える事を与えてくれる本だった。

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2013年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 元刑務官が現在行われている「死刑」に関する全てを赤裸々に語り尽くした、今この時期だからこそ、読まれるべき本である。
 死刑囚がその時まで過ごす日々…最も身近にいる看守と刑務官の苦悩…著者が想う「死刑制度」の是非…そして、死刑執行当日の始めから終わりまで…。
 特に、本書に収録されている「死刑執行当日」の模様を描いた劇画『死刑執行』は、執行の瞬間を何度も経験した著者ならではのリアリティで描かれている。この劇画を読むだけでも、執行する者と執行される者の心情がひしひしと伝わってくる。

 死刑制度を論議するなら、まずは本書を参考資料として読み込んでみては、いかがだろうか。

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2012年03月04日

Posted by ブクログ

元刑務官が死刑について語る。廃止か存置か意見を二分する社会背景も加味しながら、筆者は刑務所・拘置所の内情やキャリアへの批判、死刑囚の様々な悪癖を赤裸々にしていく。リベラルな主張とは異なる立場で安易に廃止論へと向かわない。そこには死刑囚と接する日常の憤りや刑務官のメンタルの危険性を重要視して本当に必要な施策を模索する。死刑制度という国家権力による殺人、ここに様々な問題が山積しているが早急に政治の場で侃侃諤諤すべきである。感情論では決して解決しない。

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2023年11月16日

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死刑について、現場目線で書かれたものを初めて読んだ。賛成派だけど死刑制度があるということは、死刑を執行している人がいるということを忘れてはいけない。
死刑制度は人類と獣類とを区別するレフリー、分岐点。たとえ千年、万年凶悪犯罪が起こらぬとも、人類自身の戒めとして、おもしとして、法として掲げ続けて置くことが、人類の叡智であり、見識であり、人間の尊厳と考える、のところが腑に落ちた。

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2022年05月21日

購入済み

悲しい現実

死刑を執行せざるおえない、刑務官の心情が、リアルに描かれています。死刑に反対賛成、賛否両論あるなかで、現場で苦悩している方達の現実に触れ色々と深く考えさせられる内容でした。

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2019年01月18日

Posted by ブクログ

読売新聞社会部編集の本って、やっぱり面白い(リアルタイムで購読もしているけど)
ただこの本を読む直前に、死刑囚側と刑務所の元看守側からの本を読んでいただけに、きれいすぎる印象が。終身刑に関しての根深い人手不足問題にも触れてないし。ただ偏りのない…と思いたい…スタンスは好感が。時代の流れとは言え、文化と価値観の違う(夜、女性の独り歩きもできず、自販機もまともに置けない)海外の圧を受けて廃止に傾くのはやめてよねーという思いも。

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2017年05月31日

Posted by ブクログ

おもしろいおもしろくないという評価をしてはいけない本だと思った。

えぐい。

私は死刑制度についてはどちらかというと賛成ではあるが、
その中での緩和策的なものってもっと考えられても良いんじゃないかと感じた。

2016.11.9

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2016年11月09日

Posted by ブクログ

自分たちは、死刑のことを知らなすぎる。知らされなさすぎる。

死刑を一番身近で見てきた刑務官の経験は、非常に重い。
彼らがいなければ死刑はできない。
死刑を望み、死刑を決める人間すら、見ることのできない世界。

でも、本当は見なければいけないことだと思う。

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2014年06月29日

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元刑務官が著した死刑の実態に関する書。刑務官に取材したものとしては、大塚公子さんの死刑執行人の苦悩等一連の名著があるが、刑務官自身によるものは寡聞にして知らない。死刑執行の方法、死刑囚の処遇の難しさ、殺すために生かすという制度に潜む矛盾、全く反省のない死刑囚や受刑者がいる反面で冤罪が確実にあるという現実、短いながら充実した内容。裁判員制度もだいぶ定着し、市民が市民に死刑判決を出すことも珍しくなくなったいまだからこそ読んでほしい一冊。ちなみに、著者は、映画13階段のアドバイザーもしたとのこと。映画のリアリティにも納得。

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2014年02月22日

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元刑務官が執筆されたということで、どうしても想像の域でしかない死刑、死刑制度について深く考えさせられた。
死刑に携わる人間が全て人格的に優れている訳ではもちろんなく、出世や保身に必死な官僚と、現場の刑務官との乖離を考えると、結局、人間が人間を死を持って裁くことは不可能だと感じてしまう。
そして死刑制度の前に、裁判や刑務所の問題に取り組む方が先なのではないか。死刑制度が逃げ道になってはならない。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

死刑関連の本は、すこし読んできたつもりだったが、思い返すと刑務官視点のものは初めてだったように思う。

やはり、視点が違えば思いも変わってくるのだろう。
死刑囚の1番身近にいて、1番最後まで見届けてきた方の書く言葉は、つよく心に響いてきた。

まぁ、「死刑のすべて」と語るには、若干弱い感じも否定できないけれど、著者の思いがあふれる1冊ではあると思う。

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2010年03月20日

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著者は、各地の刑務所及び拘置所に勤務経験のある元刑務官であり、映画「13階段」ではアドバイザーも務めた人物である。

日本では死刑制度は完全秘密主義となっており、死刑囚の拘置所での様子から死刑執行まで、状況が明らかにされることはまずありえない。
そのような状況下で、実際に死刑囚と接触してきた刑務官から語られる言葉は、死刑というものを考えるうえでは非常に重要なものである。

本書では、死刑場がどのような構造になっているか、死刑がどのように執行されるのか、執行官はどのように選ばれどのように執行するのか、そういったことが赤裸々に書かれている。
私が主に考えさせられたのは、以下の点である。

まず、死刑囚の人間性について。
死刑囚の、マスメディアで報道される像と、拘置所における像のギャップがある。
当然、死刑囚によって人格は様々だが、囚人として模範的な死刑囚が多いのである。
凶悪犯罪を犯したことについて擁護するつもりは毛頭ないのだが、どんなに反省して改心しても、救われることがないのが死刑囚だ。
そして、こうした模範的な死刑囚であればあるほど、早期に死刑が執行されるという現状が、これは執行する側(法務省)の都合なのだが、とてもナンセンスに感じられるのである。

次に、死刑執行人の問題。
死刑制度について議論がなされるとき、中心的な争点は死刑囚の人権である。
死刑は国家による殺人だとか、そういったものである。
それも重要な争点ではあるのだが、多くの場合、死刑を執行する人間の問題はそこから抜け落ちている。
そういったことに、本書を読んで気づかされた。
刑務官の多くは、死刑反対論者だそうだ。
ただでさえ、人間を死に至らしめることの精神的重圧があるうえに、日頃接している(多くの場合は、模範囚とは良好な関係が気づかれているそうだ)死刑囚の刑を執行するとなれば、その負担は計り知れない。
そういった論点からも、身のある議論がなされるべきではないだろうか。

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2009年10月30日

Posted by ブクログ

 死刑執行を実行した刑務間は、ほぼ不幸な人生になっているという。「仕事で人を殺す」ことで気が触れてしまうらしい。しかし大変な仕事だ。
 死刑制度に反対賛成と、以前から問題になっているが、私は賛成派だ。犯罪抑止の為にも廃止してはいけないと思う。被害者のことを考えれば「廃止しろ」なんて言えない筈だ。全体的にもっと重くしてもよいくらいではないか。生かしておくにも我々の莫大な税金が投入されているのだ。
 冤罪や知的、精神障害者の犯罪となるとまた、話は違ってくるが。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

筆者は元刑務官。ドキュメントノベルという話も含まれるが、ほぼノンフィクション、死刑の現場が書かれているのだろう。死刑そのものより、腐敗した拘置所が気になった。

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

教誨師からの死刑は『教誨師』で読んだので、今度は刑務官からの死刑についての本が読みたいなと思ったらこの本がヒットしたので読んでみた。
途中でいきなり物語(小説)が始まり、「?私は一体なにを読まされているんだ??」と混乱したが、小説自体は面白かった。改めてページを戻してこの小説の説明を読んだらドキュメントノベルであると書いてあり嘘でしょ!?と驚く。幹部(偉い人)がしょうもないとすべてがボロボロになっていくのがよくわかる。

刑務官という仕事の複雑さ(カウンセラーや教師的な役割と警備や執行者という相反する仕事を同時にこなす)や激務はもう少し改善されるようになればいいのにと思う。正直こんなに苦悩を抱えて仕事をしているなんて想像もしていなかった。
清濁併せ吞むような、心身削って仕事してる人から見れば、そりゃ人権派団体はうざいだろうなと思った。

死刑というのは関わる人に凄まじい負担と傷を負わせて行われているのだな。
加害者と被害者の視点ばかりがクローズアップされがちだけど、関わる第三者(刑務官や教誨師など)の視点も忘れてはいけないなと思った。

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2024年07月03日

Posted by ブクログ

筆者の主張が強い。もうちょっと客観的な目線だったら良かったかなぁと思う。

それにしても刑務官の仕事ってこんなに幅広いのかって感じで…。もうちょっと細分化できないのかな。

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2014年08月12日

Posted by ブクログ

途中で死刑判決が出た事件を羅列しているようなところを少し読み飛ばしたりしたが、最後の項の死刑執行の様子の描写はさすがにリアリティがあった。
筆者の意見や心情が多分に入っているので、それも一意見として客観的に読むべきかと思う。

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2010年06月14日

Posted by ブクログ

真面目な本なんですがね
年表とか組織図とか日記とか
色んなものがあるだけにリアルで
死刑執行までの劇画とかもあり

死刑執行をする刑務官が精神的にやられたりだとか
なんだか色んな角度で死刑を考えて
ちょっとホント気持ち悪くなってしまった一品。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「死刑はいかに執行されるか」の文庫化…持ってたのに2重購入。
タイトルと作家名に釣られて瞬間的にレジへ。
どんなときも中身チェックは必須ですねorz
文庫化のときの改題には要注意!

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

昨今の日本における死刑囚と死刑についての実態が赤裸々に綴られています。元刑務官でなければ書き得ない内容で、興味深く読みました。
死刑+無期懲役 vs 終身刑など議論になっている点についても触れていますが、かつて死刑に係わった立場もあってでしょうか、今ひとつ主張に歯切れの悪さが残っているように感じました。

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2009年10月04日

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