あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
地中海全域に大帝国を築いた古代ローマ。「テルマエ」と呼ばれる大浴場の湯に浸かり、吐いては食べ、食べては吐いていた饗宴など、持つ者は贅を尽くし、持たざる者は権利と自由を奪われ道具として扱われた。本書は、そんな古代ローマ時代に生きた人々のリアルな暮らしぶりや、版図を拡大したローマ帝国軍のしきたりなどを紹介。わかりやすい文章と300点以上の豊富なイラストで、読めばこれ一冊で「ローマ通」になれること間違いなし。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
古代ローマの様々な側面をイラスト付きで知ることができる。
古代ローマ人はどんなペットを飼っていたのか。1番人気は犬だった。番犬、牧羊犬としての役割を果たしていていた。紀元1世紀の火山噴火によって滅亡したポンペイでは、番犬が家にいることを知らせる「犬に注意」と書かれたモザイクが残っている。
街では、残飯やゴミを食べ、掃除する役割もあった。
犬以外では、鳥が人気があった。鳩がよく飼われていた。一番人気のある鳥は「しゃべる鳥」のカササギやオウムだった。
猫に関しては、ネズミ捕りとして飼われていて、ペットとしてみなされていなかったようだ。
住居に関して、今と違って高層は好まれていなかった。ローマは最盛期で100万人を超える大都市になり、人がひしめき合う状態だった。
家を建てる土地が不足して、鳥を意味する「インスラ」と呼ばれる高層集合住宅が作られた。インスラは基本的に2〜7階建てで、四角い箱のような外観だった。
4階まではレンガ作りで、5階以上は木材などの軽い材料を使った。上の階に行くほど壊れやすいので、お金のない人が住んでいた。
しかも上の階には台所とトイレもなかった。上の階の住民はゴミや自分が身体から出したモノを窓の外から投げ捨てる「隣人トラブル」が発生した。
古代ローマ人は、ギリシャやエジプト旅行を好んだ。ギリシャでは、神話にまつわる場所が人気だった。エジプトでは、ピラミッドが今と変わらず人気だった。中には頂上まで登る人もいたそうだ。
古代ローマ人の様々な姿を知ることができて興味深いなあ。
Posted by ブクログ
旅行の参考にと読み始めました本書ですが、なかなか良かったです。
・・・
特に構成に工夫が凝らされていると感じました。
片側1ページはトピックについての記述、そしてもう片側1ページは簡易にヴィジュアル化したページ。
文章も十分わかりやすいなか、その後の絵で頭に強烈インプットしてきます。
・・・
とするとやはり考えるのは、「これって世界史の勉強に使えないか」ってことです。
私自身は世界史を高校時に勉強しなかったので保証の限りではありませんが、ローマ史で出てくるトピックでいえば、パンとサーカス(コロッセウム)、食べては吐く食習慣、当初武具が配給されなかった点(自然と貴族しか武力にならなかった点)などはトピックになっていました。
はい、これでは全く足らなそうですね笑。
共和制と帝政、五賢帝等の政治史はすっぽり抜けております。
それでも興味深く読めるのは、奴隷の扱いに多くの紙面を割いていること(奴隷との性生活、奴隷同志の結婚等)。また軍隊の仕組みついても詳述しており、興味を引きました(恩給は25年の奉仕を経てから。傷病時は勤労期間に応じて調整。奉仕期間中は結婚不可。採用基準では身長は173cm以上等)。
・・・
ということで構成に工夫の見られた古代ローマ入門でした。
単純に古代ローマに興味がある方以外に、このあたりの世界史に苦手意識がある方、逆に得意でもっと知識を得たい方などにはおすすめできる作品だと思いました。