あらすじ
生物学者が生存戦略の視点から説く、
現代人のための「孤独の飼い慣らし方」!
いま、日本人の約4割がなんらかの形で孤独を感じているという。
心身の健康リスクをもたらし、テロや無差別殺傷の引き金にもなるといわれる“現代の伝染病”が、私たちに不安や寂しさを抱かせる理由とは?
「孤独の起源」を読み解くヒントは、人類の祖先が狩猟採集を行っていた時代の生活様式にあった。
現代を生きる我々は「ひとりぼっちを回避することによって生き延びた人びと」の末裔(まつえい)なのである――。
他生物との比較を交え、気鋭の生物学者が解き明かす、知られざる孤独の正体と処方箋!
〇「孤独になると死ぬ」という人類のトラウマ
〇「仲間を助ける」は生物界においては珍事
〇オランウータンのワンオペ育児は合理的
〇一匹狼は孤独を愛していないという事実
〇無益な争いを回避するサルの階級社会
〇ボノボの疑似セックスは孤独回避の知恵
〇生物界では「不倫」も立派な生存戦略
〇「みんなと同じことをやれ」の教育が孤独を生む
〇弱い個体ほど集団で群れたがる
〇「人生の意味」という妄想が人を苦しめる
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自分は役に立っているんだろうかという不安。
最初から役に立とうと思わなければいい。
なんのために、人生の意味。そんなものを考えるから不安になる。そもそも意味なんてないと考えれば楽になる。
Posted by ブクログ
日本をはじめとする各国で問題視される孤独の問題。
精神的な意味だけでなく健康面からも孤独がもたらす弊害は大きく、喫煙よりも寿命が短くなるのに寄与しているなんていう結果もある。
そして日本は少子高齢化の進行により、ますます多くの人が孤独に苦しむようになる。。
という孤独だが、そもそもなぜ我々人類は孤独をそこまで恐れるのだろう?他の生物は孤独をどのように扱っているのだろう?
という疑問を元に生物学者が様々な生物の社会的生態や人類の太古の歴史を紐解いていく話。
途中の日本社会に対する批判はちょっと本誌で書くことではないのでは?と思ったりしたマイナスポイントはあるものの、小さな社会に囚われがちな私たちを生物学というもっともっと高次な所から見る見方は興味深かった。
最後のメッセージにあるように、そもそも生きていることに意味はないので、社会の役に立たなくてもいいという話は生物学者らしくていいなと思った。