あらすじ
いま、求められるリーダーの条件が、先見力、情報力、判断力、行動力、体力を踏まえた「組織重視主義者」とするならば、リーダーにふさわしい器は圧倒的に西郷より大久保利通だろう。しかし、当時から今に至るまで、人間重視を貫いた西郷の「人望」が上回っているのはなぜなのか。さらに現代における「人望」とは何なのか──。明治維新の立て役者でありながら、西南戦争で非業の最期を遂げた西郷隆盛。幕末から現代に至るまで、人々を魅了し続ける彼の魅力とはなにか。本書は、西郷隆盛の激動の人生をたどりながら、現代をたくましく生き抜く知恵を学ぶ。人脈づくりの要諦とは。いかにして自分を磨くか。ライバル・大久保利通や坂本龍馬とのエピソードも交え、その人望力の秘密に迫る。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
チェック項目16箇所。坂本龍馬が殺されたのは先を歩きすぎたために、そこまでついていけなかった連中に殺された。坂本龍馬は先見性、先の読み方が優れている、時代の変化に素早く対応できる。西郷隆盛は優しい人間だったために置き去りにできない、自分と一緒に同時代を生き、同じような次元に立って少しずつ後れていることを知ってながらもどうすることもできない業を背負った人間たちと常に行動を共にしていく。坂本龍馬は天を信じるよりも自分の力を信じる・・・織田信長に共通する。西郷隆盛は天を敬い、一種の運命論を持っていた。日本人は人間関係を技術化することを嫌う。心と心の関係で結びついている人間関係を分かりきった技術で割り切るのは何か納得しない。西郷隆盛の己の磨き方は常に傷をバネにしてきた。日本は人間関係を重視する・・・「何を」ではなく「誰が」。西郷隆盛の特徴・・・全力でぶつかる。他人からヒントを得て自分のものとして呑み込み再び吐き出す時には自分なりの付加価値をつける。自分は後方にいて、「あそこに行け」と言ったときに、部下が喜んで危ない場所にモラールをアップしながら飛んでいくようにするのが本当のリーダーシップ。組織は非情であったはならない、組織そのものに人間の温かい血が流れていなければ、部下たちは一所懸命に仕事をしない。西郷隆盛の場合、無制限に情報が集まってきた。そしてまた、彼が優れた決断力の持ち主だった。開発には「なぜか」という問いに答えなければならない。世の中で欲望のない人がいちばん恐い。壊すには感情を動機にしたほうがパワーが大きい。