あらすじ
ローマ帝国時代、信仰表明や葬礼を目的として成立したキリスト教美術。四世紀末に帝国は東西分裂し、やがて二つの大きな潮流が生まれる。一方は、一〇〇〇年にわたって不変の様式美を誇ったビザンティン美術。他方は、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックと変革を続けたローマ・カトリックの美術である。本書は、壮大なキリスト教美術の歴史を一望。一〇〇点以上のカラー図版と共に、その特徴と魅力を解説する。
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Posted by ブクログ
キリスト教の美術、ビザンチンとカトリック、カトリックの変遷(ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックの変遷)についていくつかのテーマについてどのように描かれてきたのかを比較解説した本。ルネサンス、バロックが好きな身としてはもっとそちらに注力してもらいたいと思いつつも、キリスト教美術の理解を深めるには大変良い。ビザンチン美術が時代が経ってもなぜあのように平板に描かれているのかが実は神を描くのに写実的に描くと現実的になりすぎて神性が損なわれるという理由を知って、単なる稚拙な絵画ではないということに初めて知った。なかなか奥が深い。
絵画の写真もふんだんに盛られてよいが、写真が小さいため解説に書いてあることが少々理解しずらいところがある。もう少し図解を詳しくしてもらうとさらに良かった。