あらすじ
明治三十八年七月。国民が日露戦争の行方を見守るなか、警視庁第一部第一課の電話のベルが鳴った──。殺された帝国大学講師・高島は急進派で日本古来の文化の排斥論者だという。同日、陸軍大佐・本庄も高島と同じく、鋭い刃物で一突きに殺されたとの知らせが……。第一課は、伯爵の孫で探偵の西小路や元新選組三番隊組長で警視庁にも在籍していた斎藤一改め、藤田五郎とともに捜査を進めていくが──。警察小説の第一人者・今野敏、初の明治警察小説。(解説・西上心太)
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Posted by ブクログ
この人ならまず面白いと信頼をおいている作家が、谷口ジローの『「坊っちゃん」の時代』にインスパイアーされて、日露戦争の時代を舞台に描いた小説となれば、面白くないわけがない。架空の事件に歴史上の人物が絡むのもワクワクする。久々に読書に没頭しました。
当時の長州派閥や長期政権への批判や、「この国がご自分のものだとお思いでしたら、大間違いです」という台詞など、出版当時のアベ政権批判かな?と思わせる描写も小気味いい。
今野敏作品は、過不足ない状況描写でいちいち(あれなんだっけ?)って後ろに戻る必要もなくて感動的に読みやすいな…。