あらすじ
認めてもらいたいのに気持ちをハッキリと伝えられない。さみしいのに人と接すると居心地が悪い。気まずくなれば自分の殻に閉じこもり、非難されると不機嫌になる。だから摩擦を避ける。恥ずかしがり屋は「失敗するのが怖い」「他人から評価されるのが怖い」「断られるのが怖い」「親しくなるのも怖い」。そして臆病になり、他人を警戒し、不信感を持つようになった人なのだ。「こんなこと言ったらバカにされる、嫌われる」と思っていませんか。我慢しないでちょっとだけ自分を信じてみたら、人づきあいが楽になる。
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Posted by ブクログ
先日著者の「心の資産を高める生き方」という本を読んだので、その続きでこちらも読んでみた。内容的にも非常に関係性が深いと感じた。
ここでいう「言いたいことが言えない人」(本書では、「恥ずかしがり屋」と呼んでいる)とは、前掲の著書で述べられている「非生産的いい人」と根を同じくしており、生きづらさを感じながら戦っている人のことであると思う。
同じ根っことは、いわゆる育った環境(両親の影響など)が要因であるということであり、本人にはそもそもの責任がなく、運命的な要素が強い。
であるけれども本人は、自身の問題として悩み多く、その悩みと力の限り格闘している。著者は、その忍耐力や努力に対し、非常に能力のある人であるとし、その能力が発揮できることとなるきっかけを著書の中で提示している。
本書では、「まえがき」で、「この本は恥ずかしがり屋の人が自分自身を理解するための本であり、恥ずかしがり屋でない人が、恥ずかしがり屋の人を理解するための本である。」と述べている。
本書によれば、次のようなことに思い当たるならば、恥ずかしがり屋の人に該当する可能性が高い。
・認めてもらいたいのに気持ちをハッキリ伝えられない。
・さみしいのに人と接すると居心地が悪い。
・気まずくなれば自分の殻に閉じこもり、非難されると不機嫌になる。だから摩擦を避ける。
■恥ずかしがり屋の人の症状
・自分を責める
→端的いうと親の子に対する姿勢に問題があり、親の顔色ばかりうかがうようにして育ってしまった人は、自己主張ができなくなり自分を責める
・低い自己評価
→親から高い期待を課せられ、高すぎる基準を自分に設定してしまうため自己実現できず、それにより自己評価が低下し、それを取り戻すためにまた高い自己基準を設定し、また挫折という悪循環に陥る
・矛盾した心理
→親の圧力等により一方で従順となるが、その根底には納得がなく、従順の裏に敵意があるといった生き方になってしまう。また優劣だけで評価されて生きてきた結果、優劣に敏感になり、他人より優れたいと思う一方、劣等感も強い。
・予期不安
→全てのことに対して起こる前から、こうなるのではないかという不安に苛まれている。
■恥ずかしがり屋の人にある4つの社会的恐怖
①失敗するのが怖い
②他人から評価されるのが怖い
③断られるのが怖い
④親しくなるもの怖い
※①~③は一般的に誰でもあるが、その恐怖のレベルが極度に大きい。
①:失敗した子供を励ますのではなく、さらに責める親(子どもの失敗は親自身にとって都合悪い為)
→失敗を恐れる大人になっていく→自己選択能力がなくなる
②:自分で既に自分を低く評価している→他人の評価が自分の価値と考えているが、他人の評価に良し悪しがあっても、悪い評価しか響かない→チヤホヤされたり褒められることが心理的安定
③:人から拒まれるだけでなく、会社や世の中から拒否されることを恐れる。出世や権力を求めるのは、会社が世の中から拒否されるのを恐れている。
④:作った心の壁を壊される恐怖
このような分析の後に、どうすれば悩ましい症状や、恐怖から脱出できるかを手段として体系的に述べられているわけではない。
自分が本書の結論と捉えたのは次の一文である。
”恥ずかしがり屋の人にとって必要なのは「私は信じる」という決断である。”
例えば、「失敗してもどうってことない」と信じる、「他人の評価なんかどうでもいい」と信じる。
「誰でも人から拒否されることがあるし、逆に自分のことを受け入れてくれている人がいる」ということを信じる。
そして、一部の人を除いて、「心の壁を取り除いていってもよい」と信じていくことではないだろうか。恐らく当人にとっては、非常に勇気のいる困難な取り組みであろうが。
なお、本書では、「恥ずかしがり屋」の人が避けるべき存在について最後に触れられていた。それはヒステリータイプの人である。「恥ずかしがり屋」のタイプとは真逆のタイプであり、得てして「恥ずかしがり屋」の人は、ヒステリータイプの人に悪い意味で利用される傾向があるようである。
Posted by ブクログ
【動機】タイトルに興味を持って
当事者がどれくらい「恥ずかしが」っているか、というのは、他者に「恥ずかしくて」と伝えたとしても、他者にはかなりわかりづらいと思う。本書を読んでもなお、「そんなに恥ずかしがるとは?」と信じがたい人もいると思う。
「言いたいことを我慢しがち」なことに問題意識を持っている人だったら、自分を理解するためのヒントが鏤められているように感じるかもしれない。
そうなっているだろう背景の説明に重点が置かれている本。
Posted by ブクログ
言いたいことが言えない人、この本では「恥ずかしがり屋」と呼ばれている。
恥ずかしがり屋とはどういう人のことを言うか、いかにして恥ずかしがり屋となったのか、ということが書かれている本。
このタイトルを見て、「あ、自分のことかな」と感じた人は、読んでいて7,8割性格•境遇を言い当てられてるんじゃないだろうか。僕はそう感じた。
つまりは(占い的な受け手の思い込みかもしれないが)結構な精度で分析されている心理状態なのかなと。
けど解決策はほぼ書かれていない。
集約すると自分に自信を持ってねということ。そこは期待とはずれた。
「恥ずかしがり屋」がそうでなくなった割合や年齢や経緯を知りたかったなぁ。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
認めてもらいたいのに気持ちをハッキリと伝えられない。
さみしいのに人と接すると居心地が悪い。
気まずくなれば自分の殻に閉じこもり、非難されると不機嫌になる。
だから摩擦を避ける。
恥ずかしがり屋は「失敗するのが怖い」「他人から評価されるのが怖い」「断わられるのが怖い」「親しくなるのも怖い」。
そして臆病になり、他人を警戒し、不信感を持つようになった人なのだ。
「こんなこと言ったらバカにされる、嫌われる」と思っていませんか。
我慢しないでちょっとだけ自分を信じてみたら、人づきあいが楽になる。
「こんなこと言ったら馬鹿にされる、嫌われる」と思っていませんか。
恐がらないで自分の弱みを見せてみましょう。
我慢しないでちょっとだけ自分を信じてみたら、人づきあいが楽になります。
[ 目次 ]
第1章 なぜ内にこもってしまうのか(「恥ずかしがり屋」はこんな人 自己表現が苦手な人たち ほか)
第2章 「恥ずかしがり屋」の深層心理(自分を責める 低い自己評価 ほか)
第3章 四つの社会的恐怖の呪縛(子どものころからの恐怖感 失敗するのが怖い ほか)
第4章 信じることの大切さ(エディプス・コンプレックス 人間は順を追って成長する ほか)
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[ 参考となる書評 ]