あらすじ
あの頃、「テレビじゃなければ見られないプロレス」があった
力道山の姿を一目見ようと街頭テレビに群集が押し寄せた黎明期、日本プロレスの熱狂、全日本プロレス旗揚げの真実、プロレス実況の飛躍、バラエティとプロレス、あの頃の「裏方」たちの狂騒。
名プロデューサー原章を筆頭に、徳光和夫や福澤朗ら時代を彩った名実況者に取材。
【目次】
まえがき
第1章 テレビがまさしくプロレスだ
第2章 鉄の爪を逃さない
第3章 テレビはプロレスを「作れない」
第4章 ブラウン管ごしの抗争
第5章 「プロレスは正力の遺産だ」
第6章 厳しい船出
第7章 リングのスター、テレビのスター
第8章 お茶の間の人気をとる
第9章 土曜8時の終焉
第10章 夕方5時半時代
第11章 「放送はどこまで行っても大衆への奉仕である」
第12章 「一人の人間の生きざまを見せる」
第13章 プロレス中継、斜陽の時代
第14章 プロレスニュース
第15章 終幕へ
第16章 別れ
あとがき
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Posted by ブクログ
プロレス関連の名著を立て続けに
リリースし続けている福留崇広氏の新作は、「プロレスのテ
レビ中継」、特に日本テレビで放映されていた日本プロレス
・全日本プロレスの中継にフォーカスされた作品。サブタイ
トルは「全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち」。
今でも戦後復興ドキュメンタリー等を見ると、力道山とシャ
ープ兄弟の試合を観るために街頭テレビに群がる多くの人た
ちの様子が確認できるほど、終戦後の大衆カルチャーとして
認識されているプロレスのテレビ中継。僕らの世代が虜にな
った怪物番組のフォーマットが、どのような流れで構築され
たのか、が、克明に記録されている。
基本新日派である僕は、あまり日本テレビのプロレス中継に
思い入れを持っていないのだが、それでも『恩知らず』や
『イカ天』でインパクトを残した若林健治アナウンサー、
『ジャストミート!』で一世を風靡した福澤朗アナウンサー
のインタビューは興味深かったし、何よりもストーリーテラ
ーとなった原章プロデューサーの談話には思わず唸るモノが
あった。
福留さんの著作、いつも膨大で緻密な取材があったことが窺
えるが、それでも単なる【資料】に成り下がらず、しっかり
とメッセージを感じられるのある【作品】になっているのが
凄い。今後どのようなネタでドキュメンタリーを作ってくれ
るのか、大いに期待したいと思う。
プロレスファンはもちろん、現役のテレビマンや昭和カルチ
ャーに目の無い人にもオススメ。すっげぇおもしろいです、
コレ。