あらすじ
天才不要。要、異能のチーム。
"異能の掛け算"こそが、
新規事業に必要な科学である。
新規事業一筋15年の著者が、
500ケース以上で研究した成功の再現性を限りなく上げる
「チーム論」と「方法論」の戦略的融合、ついに登場。
【異能のチーム論】
「Bさんって、部長向けプレゼンのことしか考えていないよね。大企業は、こうやってお客さんを見ずにサービスをつくるから、うまくいかないんだよな」
「Tさんって、すぐ機能を絞る話ばっかりするよな。いまは発散フェーズだから、本当に大事な機能を探さないと。できることだけやるつもりなら新規事業なんかやるなよな」
「Cさんって、自分をアーティストとでも思ってんのかなぁ。いまのフェーズでそこまでちゃぶ台ひっくり返すような仕事のやり方なら、独立して仕事するべきだよな」
このような対立は、必然的に起こる「定番」だ。
それでも0→10をするチームは、スキルも価値観も違う、
Biz(ビジネス)/Tech(テクノロジー)/Creative(クリエイティブ)の
"異能"の集まりであるべきである。
その理想のチームの必須条件から、コミュニケーション設計、
相互理解のポイントまで、コレクティブ・ジーニアスなチームのための鉄則。
【サービスデザインの方法論】
新規事業がうまくいかない理由のほぼすべては、
サービスコンセプトの仮説について、
「全体感の欠如」と「論理偏重もしくは直観偏重」に起因する。
確信と確証を繰り返し、異能の掛け算をするため、
「プロダクト開発までに想定していた仮説の要素」と
「後で振り返ると考察しておくべきだったと語られる要素」を抽出した結果、
導き出された20の必要十分な構成要素で成り立つサービスデザインのフレームワーク。
それが価値創造の羅針盤「バリューデザイン・シンタックス」である。
"子供の自由さ"と"大人の教養"をもって、
サービスコンセプトや競争戦略、利益構造の
デザインとプロトタイプを繰り返すことで、
異能同士が、新しい価値を磨き上げる。
日本経済において、いま最も求められている、
集合的アイデアによるイノベーションの方法をまとめた一冊である。
◎【目次】
■はじめに──新規事業で科学すべきは〝異能の掛け算〞である
■第1章 新規事業の正体──不確実性が支配する暗闇の歩き方
■第2章 新規事業のチーム論──異能を活かすBTCチームの鉄則
■第3章 新規事業の方法論──確信と確証のための羅針盤
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
jins meme開発者による新規事業本。
メモ
・新規事業は不確実性の塊。
不確実性を下げていくことが重要。
始動する。無知の池に至る。確信と確証を得る。
・10のゴールはKPIツリーが把握され、KPIが特定された状態
・10に行くための落とし穴
優位性、仕組み、持続性、収益性
・新規事業の難しさは事業の構成や嘘が多岐にわたり、かつ複雑に絡み合った相関関係があること。これが本質
・スキル、経験、環境のバイアスに注意する
・夢中で仕事をするためにはゆとり、ゆらぎ、許しが必要。時間的余裕、いつもと違う刺激、心理的安全が必要
・ビジョン 事業コンセプトの課題への共感、価値への渇望。自身の目標と事業の紐付き
・キックオフにて、成功した世界を想像する。危機感を共有する
・カルチャー
安全な環境を作る
弱さを共有する
共通目的を作る
・意味のイノベーションのために
掘り下げる力
専門性
が必要
・ゼロイチカルチャーの育組み方 共通点
明快な危機感が共有されている
3つのステップと3つの壁が存在する
壁を乗り越える方法は人事、制度、コミュニケーションの総合格闘技
3つの壁は新規事業アイデアの発想の壁、事業が生まれるための行動の壁、成功の壁
発想の壁の越え方
アイデアソン、新規事業プログラム
MVV、経営層とのダイレクトコミュニケーション
行動の壁の越え方
象徴的エースの新規事業アサイン
社内副業制度、予算ゲート管理
社外交流の場
成功の壁の越え方
挑戦と失敗が推奨されるカルチャーと評価制度
資金繰りを意識した事業評価
優秀人材の挑戦意識喚起
cxo級人材の活用
・共創型組織の目的における大切ポイント
向かうべき北極星を示していること
議論の余地を残していること
目の前のライスワークと将来へのライフワークにつながりが見えること
・新規事業が進まない、うまくいかない理由のほぼすべてはサービスコンセプトの仮説の過不足ポイントを認知しづらいことに起因する
全体感の欠如と論理偏重または直感偏重
・成功パターンの共通点
右脳的な確信を持てること
左脳的な確証を得られること
・バリューデザインシンタックス
リーンキャンバスの進化版
相互関係を意識したストーリー表現可能
マクロとミクロのコンセプトを往復し持続条件まで網羅
・1の定義 顧客課題への最小価値が検証できた状態
10の定義 事業が成立し、拡大の見込みが立った状態
100の定義 事業拡大を続けている状態
・プロダクト開発開始の6条件
マクロ この規模なら事業になりそうと確信できるほど市場性の調査ができているか
ミクロ あるあると言えるほどリアルティを感じるレベルで市場探索ができているか
競争優位性 BTCのどの優位性で戦うか明確かつ勝算があるか
仕組み 有効かつ実行可能なパートナー組織体制・提供方法が定義されているか
持続戦略 事業成立持続に必要なマネタイズ方法や情報資産集約方法が見えているか
収支モデル 単月黒字、リクープまでのロードマップと意思決定マイルストーンが可能か
Posted by ブクログ
自分の会社員人生を思い返してみると、何か新しいことをやろうと足掻いていたことを思い出す。
前任者がやっていたことをそのまま引き継ぐのが、どうにも苦手らしい。
単なる我儘でしかないのだが、特にルーティーンワークとなると、途端に興味が薄れ、集中力の欠如からミスを連発してしまう。
根っから苦手意識を持っているから、「新しい仕事」を探しては、そこに逃げていたとも言える。
今改めて考えてみると、自分の小狡さに辟易としてしまう。
一方で、自分自身の性格を理解しているからこそ、「それもしょうがないか」なんて諦めの境地に至ったりもしている。
そんな事情で、「新規事業」と見ると俄然興味が湧いてしまうし、実際に携わった新しい仕事は、保守的な企業の会社員としては多い方だと思う。
クビにもならず、自ら去ることもせず、よくも続けているものだと思う。
大袈裟に語ってしまっているが、「新規事業」というほど大きな案件は、実は数える程度。
所詮サラリーマンなので、ほとんどの「新しい仕事」は、日々の小さな改善程度のことだ。
その部門で新しい仕事が見つかれば、何となく自分が積極的に関与していたという感じ。
「会社を辞めて、自分で事業を立ち上げる」となっていれば格好もいいのだが、所詮そんな根性もなく、失敗しても自分は損をしないという関わり方とだけ補足しておきたい。
そんな小さな経験でしかないが、本書の内容を反芻してみると、色々と納得できる部分も多い。
まずは、新しい事業を始めるのであれば、とにかく人選が大事。これは間違いない。
私が新事業に向いているかどうかは別としても、「やりたい」というモチベーションがなければ、そもそも上手くいくはずがない。
その上で、ビジネス(Biz)、技術(Tech)、クリエイティブ(Creative)と、役割を担える人材が揃っているのは、確かに理想かもしれない。
これは既存事業の話になるが、今私が勤務している会社が苦労している点は、ビジネス人材がテクノロジーを苦手とし、テック人材はビジネスの理解がない所だ。
この話は、新規ビジネスに限らないことだと思っている。
その間を取り持つのが、クリエイティブ人材なのかもしれないが、ここも「芸術家」的な人が入ってきてしまうと、更に複雑化して収拾がつかなくなる。
本書では「Creative」と表現しているが、実際には「コミュニケーション(Communication)」人材のことだろうと思う。
何だかよく仕組みを分かっていなくても、人から好かれて、不思議な魅力で間を取り持つ人は、少なからず存在する。
ビジネス人材とテック人材の間にも入るし、そのチームと外部のパートナー人材とを繋いだりもする。
当然、新規ビジネスを展開するにあたり、顧客との接点を構築するのも、コミュニケーション人材だ。
確かにこんな能力が揃ったチームであれば、面白くなりそうな気がする。
この感想文を書きながら、過去の新規事業を思い出しているのだが、確かに変なメンバー構成の方が、何となく面白い展開になって、成功していたような気がする。
そこに法則があったのかは謎であるが、とにかくよく話し合いをしていたことを思い出す。
今風に言えば、心理的安全性の高い組織ということになるが、「飲みにケーション」も含めて、よく議論していたのは間違いない。
逆に上手くいかなかった私が経験した過去のチームは、総じて議論が圧倒的に足りていない。
議論の総量が仕事を成功させる大きな要因であることは、実体験として確信している。
当時を思い出すと、よくホワイトボードもスマホもない状況で議論していたものである。
議論のためのノウハウもツール類も、大きく進化したということか。
闊達な議論を進めるための環境をどうやって整えるのかは、本当は大事なことだと思っている。
意外と軽視されがちであるが、異能のメンバー達がストレスなく仕事をするためには、環境を整えることが重要なのだ。
部屋の広さも大事だし、何ならイスの座りやすさ、テーブルの大きさも影響がある。
たまにはちょっとした飲食の機会があってもよいだろう。
最近は人間関係の構築のことを、チームビルディングと言ったりするが、要は今も昔も、人同士のコミュニケーションが大事だということだ。
社内では1on1を推奨したり、議論の質を向上するためのファシリテーション研修なども実施している。
小手先のことだけで成果を求めるのは難しいのかもしれないが、やらないよりは絶対にいい。
議論の質を高めて、チームの質を上げる。
ひとまずこのステップを踏んだ上で、次は実践のフェーズである。
結局は、いくら議論を繰り返しても実践しなければ意味がない訳で、いかに筋の良い行動をするかが大事な点となる。
このプロセスにも、異能同士が協力し合う必要がある。
本書で再三説いている、「0→1」「1→10」「10→100」と、各フェーズでの仕事の方法が全く異なるというのも非常に納得。
不確実性を下げるのか、確実性を上げるのか。
それに合わせて、異能たちをどうやって組み合わせていくのか。
今私は完全に人事の仕事になっているために、社員の適材適所について常日頃考える立場になった。
人間というのは不思議なもので、あるチームでは活躍できなかった人が、異動によって急に輝き出す人がいる。
もちろん、逆に異動によって輝きを失い、ミスマッチになってしまうケースもある。
それが、仕事内容が本人の適性に合ったのか、チームメンバーとの愛称が良かったのか、その兼ね合いが非常に難しい。
確かに、「0→1」が苦手でも、「10→100」が得意な人はいる。
一方で、安定企業というのは、「100→105」という、ほぼ横ばいを求められて、逆に数字を落とさないでキープすることを至上命題とされる。
これはこれで、会社経営の上では非常に重要なことで、それに長けた真面目で実直な、コツコツ型の人もいたりする。
色々な人がいて会社という組織が機能する訳であるが、それだけに「異能」を見つけ出して、さらに「掛け算」によって能力を拡張していくというのは、ことさら難しくもあり、挑戦的な取り組みである。
個人的には、今所属している会社で、より大きなイノベーションを起こしてみたいと、野心を持っている。
規模で言えば、今よりも2倍3倍になれるように。
そんな妄想を抱きながら、異能の掛け算になる人材の組合せを、日々考えている所である。
(2025/10/10金)
Posted by ブクログ
大企業内で新規事業を担当している身として、自身が立ち向かってきた難題や困難を言語化された感覚。
teck人材の有無は明確にわかるが、B人材とC人材は意外と混在していて、気にかけてない組織も多いと思う。
Posted by ブクログ
メーカーに勤めているとそこで起こるあるあるがいろいろ出てきた。自分はBTCのCに属しているが、確かにそうだよなと反省させられるところもあった。BやTの理解をしているつもりではあるが、彼らの思考についても触れられているので、接し方の参考になる。アプローチや優先事項の差異を理解することでテーマやプロジェクトへの関わり方が変わってきそう。一方で全体を束ねる存在も大事なように思われ、それをBTC誰が担うのかは企業文化に寄りそう。
Posted by ブクログ
大手コンサルティングファームでの勤務経験を経て新規事業開発に精通する著者がBiz、Tech、Creativeの異能の3者が交わるチームで新規事業を成功へと導く方法を書いた一冊。
新規事業を成功に導くにあたり、子供の自由さと大人の教養をもって成功のためにどうやって不確実性を減らしていくかということが大事であると感じました。
そして、BTCでチームを作り、共通したビジョンを持つことやBTCが相互に理解し尊重することを前提に行動することや事業の発想、行動、成功のそれぞれの壁の乗り越え方を学ぶことができました。
また、新規事業のタネができたところで直感と論理のどちらかに偏らないために全体像と相互関係を俯瞰できるバリューデザインシンタックスを使うことや競合他社を絞れるまでサービスコンセプトをはっきりさせることや利益構造やリスク許容を考え、市場性、獲得効率、出店効率の3つの成功要因を特定することなど1→10、10→100と順を追ってその段階で必要なプロセスを著者のJINSなどでの経験をもとに学ぶことができました。
また、BTCそれぞれが起点となった時の弱点やプロジェクト初期やプロダクト開発段階の注意点なども知ることができました。
事業、技術、顧客という3つの視点からチームを作りそこでバリューデザインシンタックスやKPIツリーなどを使って新規事業を成功へ導いていくプロセスを学ぶことができました。
そして、本書での知識を活かして世の中をワクワクさせるような事業を創成できることに繋がる人材になりたいと感じた一冊でした。