あらすじ
「都市か、地方か」という二項対立の図式で語られがちな日本の地方問題。本書では複雑で多様であいまいな地方の姿を、10のテーマで「自分ごと」目線で考えていく。だれかの語る「都市か、地方か」の議論ではなく、自分なりのローカルな暮らしへの思考へ――。第18回大佛次郎論壇賞を受賞後、福島県いわき市を拠点に、ますます活躍の場を広げる著者の思考と実践の記録。
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Posted by ブクログ
よく聞く地方創生とは一線を画す内容に思えた。それは著者自身が福島県いわき市に住みローカルアクティビストとして活動し、大上段に構えず同じ目線でその土地のことを語っているからだと思う。自分がよく見聞きする地方創生は、なんとなくステレオタイプに地方の問題点を述べ、地方とはこうあるべきという語り口が少なからず都会人の横柄さが滲んでいるのに対し本誌は目線が低く中から語っているため、スッと入ってくる印象を受けた。
都会との対比やネガティブな問題点よりも地方の実情にあった気づきを得られた。地方は弱者ではなく、未来の先駆者であることを備忘しておきたい。
Posted by ブクログ
本の学校で安藤哲也さんがこの本で書店について書かれている部分を紹介していた。
この時には、本そのものと関わりはないかもしれないけれど、本で書かれている内容に無関係な人はいない、という文章を引用されていて、本当にそうだなーと感動したのだ。
ほかにも、おおーっと思った文章がちらほら。
『ただ、そこにいる人たち』から注目している書き手さんです。身の丈感がいい。
Posted by ブクログ
ステレオタイプな「地方」の見方を単に否定するのではなく、そこに住んでいる人として地に足のついた観点で色々な切り口から地方のあり方について述べていた。
「居場所」に関する記述は地方の今後のあり方を考える上で大切な考え方(地方に住みたいと思える人が増えることに繋がる)だと思った。
子育ての章でも書いていたけれど、結局は住みたいと思える人がどのくらいいるか、という所に終始はするのだと思う。